ウォルトの最期の言葉が『カート・ラッセル』であった理由は、彼に“ディズニー”の全てを託したぞという意味を込めていたからだ。
そう、彼こそがウォルト・ディズニーの遺志を継ぐ者。
2013年に公開された『エスケイプ・フロム・トゥモロー』では、
ディズニーランドでの都市伝説を映画化したブラックな作品だ。
なんと無許可でディズニーランドワールドとディズニーランドで撮影されているのだ。
天下のディズニーがそんな愚行を許すはずもない。
そして撮影機材を中に運んでバレないわけがない。
そう、この裏にいるのがカート・ラッセル。
彼は本作の撮影を許可した重大な人物である。
むしろ撮影は私にやらせてほしいと言ったほどだそうだ。
一部では実際に彼の撮影シーンが使われているらしい。
そして注目してほしいのはタイトル。
『Escape from Tomorrow』
これはカート・ラッセルの主演作『Escape from New York』と『Escape from L.A.』と同様ではないか。
お分かりの通り、タイトルは彼がつけたのだ。
どうやらお気に入りの作品らしい。
ここでいう“明日”とは“未来”のことだ。
つまり『未来からの脱出』というのは、
クローンであるラッセルが自我に目覚め、ウォルトに託された未来をぶち壊し、真の人間になろうとしているということである。
本作はそんな野心を胸にディズニーの闇を描いた作品である。
そして2015年に公開された『トゥモローランド』ではノンクレジットで制作に参加している。
ノンクレジットとは実に都合の良い言葉だ。
本作ではカート・ラッセルの理想の未来、それは言い換えるとダークなディストピアが描かれるはずであったということ。
しかし制作途中にウォルトの遺伝子が邪魔をして、結局ユートピアになってしまった。
そして2017年『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVol.2』でようやく公にディズニーにカムバックを果たす。
本作で演じた役は主人公の父親で、人間に見えるが、惑星そのものの役だ。
何を言っているか意味不明な方は映画を鑑賞あれ。
この風貌、まさにウォルト・ディズニーが乗り移っている姿。
そう、カート・ラッセルはウォルトのクローンなのだ。
先ほど『エスケイプ・フロム・トゥモロー』のところで、さらりとした梅酒のようにクローンであると明言してしまったがここで詳しく話そう。
冷凍保存を家族に反対されたウォルトは、自分のクローンを創ることに決めた。
幸いにも冷凍保存されているという嘘の情報が都市伝説となり、今なお論争を呼んでいることで、カート・ラッセルが自分のクローンであるという噂すらも一切出てこないことにウォルトは安心しているに違いない。
カート・ラッセル本人は20代に死んでいる。
他にも子供を雇っていたに違いない。
そして気付かれないようにいくつかテストをしていたのだろう。
ラッセルの肉体や遺伝子が、唯一ウォルトが求めていたものと一致したのだろう。
まず子供相手に10年という長い契約を結ぶなんて信じがたい。
子供の成長は予想できない。
エドワード・ファーロングがそうであったように。
マコーレー・カルキンがそうであったように。
ジェイク・ロイドがそうであったように。
もしもその間に何か異常があったら切り捨てていたに違いない。
そしてただの子供一人に前述のような好待遇をするはずがない。
なぜなら子供を利用して儲ける方法を一番よく知っているのはウォルトなのだから。
順調に成長するラッセルに邪魔な要素が出現。
そう、野球だ。
彼は決めた。負傷させるという選択を。
肩ならいいだろう。ごめんよカート。
20代中盤に彼はウォルト・ディズニーの脳を移植された。
驚くべきことに脳は冷凍保存されていたのだ。
ウォルトの家族はそれを知らない。
あまりにむごい話のため詳しくは割愛しよう。
移植後から2010年くらいまでは、カート・ラッセルの遺伝子が強すぎて効果は出ていなかった模様。
最近になりようやくカートの中のウォルトが産声を上げてきた。
2007年の『デス・プルーフ』でタランティーノがボコボコにしてくれたおかげで、カートの中のウォルト・ディズニーが目を覚ましました。
2018年、Netflix製作の『クリスマス・クロニクル』という映画では陽気なサンタクロースを演じていた。
カート・ラッセルは2度死に、完全なるウォルト・ディズニーへと変貌を遂げたみたいだ。
そしてカート・ラッセルは未だに野球映画には出ていない。
『ウォルト・ディズニー・クローンウォーズ』はこれにて完了。