クリスチャンベール式ダイエット

特集!映画紀行
出典:Pixabay

特集!

クリスチャン・ベール式
ダイエット
映画に出る度に過酷な増減量で姿が変わり毎度話題になる俳優、
クリスチャン・ベール
彼がどのように役作りをしているかを知り、増減量に励む人々の参考になればいいなと思います。
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チャンベーの経歴

映画デビューは12歳の時。
1986年『アナスタシア/光・ゆらめいて』
主演は当時スピルバーグの妻であったエイミー・アーヴィング。
彼女はベールの演技にとても感銘を受け、夫が製作中の映画『太陽の帝国』の主演をオーディションで募集していたため、ベールを推薦した。
その結果、翌年の1987年13歳の時に『太陽の帝国』の主演に選ばれた。

スピルバーグは『アナスタシア/光・ゆらめいて』でのベールの演技を特に何も思わなかったそうだが、彼がオーディションを受けた後に主演に抜擢した。

4,000人のオーディションの中から主演に選ばれたと言われているが、明らかに当時新婚だったラブラブ状態だった妻に押されたからであろう。
本作には日中戦争を背景にしているため、多くの日本人俳優が出演。
ガッツ石松や座布団運びの山田君との共演も今となっては貴重である。
片言の日本語を話すベールも見所である。

これから時は過ぎ、順調なキャリアを歩むベイル。

彼の出演作品を振り返ってみよう。

1992年、ディズニー製作のミュージカル映画『ニュージーズ』で主演を務める。

興行も批評も悪かったが、ビデオ化された後にカルト映画となった。

1994年『若草物語』

この作品の主演のウィノナ・ライダーのアシスタントを務めていた元モデルの女性、サンドラ・ブラジックと出会い、2000年1月29日に結婚

1998年『ベルベット・ゴールドマイン』ではグラムロックに影響される青年を演じ、中性的な見た目を活かす。

2000年『アメリカン・サイコ』ではイカれたエリートサイコパス殺人鬼を好演。

鍛え抜かれた肉体を披露。

2002年には傑作『リベリオン』が誕生。

やはりクリスチャン・ベールといえば、細身で角ばってシュッとした容姿が標準形態。

アクションも華麗にこなすベール。

ガンカタの使い手。

2002年『サラマンダー』

まぁ、ドラゴンが出てきたり、テンポも良く楽しい作品ですね。

何も期待せず見るべきですね。

ゲキヤセシスギチャン・ベール

彼が衝撃の役づくりをした最初の作品…

それが2004年公開の『マシニスト』

彼は本作で28kgという驚くべき減量をした。

そして54.4kgまで落とした。元の体重が約83㎏。恐るべし。

不眠症で1年もの間眠っていなく、食事もロクに喉を通らない役柄を作り上げるためである。

ここで彼が減量するにあたって、参考にしたモデルは誰なのかを明かしてくれたBBC Moviesでのインタビューをご紹介します。

Q:なぜあなたは自分で痩せることを決めたのですか?

A:それ以外の方法が思いつきませんでしたよ。

私はただ悟りました、「オッケー、体重を落とさなきゃならないんだね。」って。

ただ自分の求めている容姿になるためには、どのくらい痩せればいいかわからなかったんだ。

私は29歳の時のハンク・ウィリアムズの写真をみつけましたが、その彼は50歳に見えました。

ハンク・ウィリアムズとは。
カントリー音楽の歴史において最も重要な人物のひとりと見なされている、
アメリカ合衆国のシンガーソングライター。
アルコール依存症が影響して29歳の若さで亡くなった。
「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において第27位に選ばれている。
(引用:Wikipedia)

(アルコール)中毒のせいだろう。

その写真は彼が死ぬ数ヶ月前に刑務所から出た時に撮られてたものでした。

彼は裸で、やつれ果てていて、ひどく痩せて見えます。

そこで私は脚本の裏に(マシニストの主人公の)トレバーがなるべきイメージをある程度書き留めました、それからそれに近づくよう試みました。

さらに詳しいことがわかる、当時のクリスチャン・ベールに映画評論家の町山智浩さんがされたインタビューがとても面白かったのでご紹介します。

衝撃の減量方法が語られています。

「スタッフから痩せてくれという依頼はなかったですね。『マシニスト』の脚本にはガリガリに痩せているという説明はあったけど、脚本家はメイクかCGか何かでやると考えていたらしい。でも、僕は撮影前に準備しているうちに、この主人公は死に近づいているんだと思った。だから普通に不健康そうなだけじゃダメだ。それこそ骸骨みたいになる必要があると思ったわけです。これは完全に僕が勝手にやったことだから、撮影直前に監督のブラッド・アンダーソンに会ったら、僕の激ヤセぶりにびっくりしてた(笑)」

――別に肥満でもないのに体重を30%も落とすというのは危険すぎるのでは?

「そりゃ、もちろん反対されましたよ。バカじゃないの、死ぬ気かよ、とか言われてね。家族や仕事仲間から。特にカミさんは、日々やせ細って行く僕を見て本当に心配してくれた。でも、ちゃんと事前に栄養士に相談して、注意すべきことや、最低限必要な栄養素などは確認してたし、減量中も定期的に医者のチェックを受け続けました」

――具体的な減量の方法は?

「とにかく絶食しただけ。僕はもともと牛肉や豚肉は食べないんですが、食事を野菜とツナ缶だけにして、だんだんと減らしていった。何か食べたくなったら、よし、この本を読み終えるまで我慢しよう、とか、7時になってからにしよう、とか、タバコを一服吸ってからにしよう、とか決めて、食べることを遠ざけていく。そのうちにリンゴとコーヒーだけで平気になってました」

――減量期間は?

「撮影までの半年間。絶食したのは4カ月かな」

栄養失調にはならなかった?

「いや。それは注意してましたから。検査も受け続けたし。ただ、最初はバカげたことに減量のためにランニングしてたんだけど、空腹で動けなくなった(笑)」

――それでは他の仕事ができないのでは?

「できるわけないです(笑)。この半年間は『マシニスト』の役作りだけに専念して、他の仕事は一切受けなかった。カフェやレストランにも行かないようにしたし。他の人が食べてる姿が目に入ったり、いい匂いがしてくるから。仕事の打ち合わせも一切なし。友達ともほとんど会わずに、家に引きこもりの半年でした」

――でも、イギリス人としてはパブが恋しかったでしょう?

「ギネスがね(笑)。ほんの少しだけウィスキーは飲みました。それが唯一の楽しみかな。でも、絶食と言ってもたかが四ヶ月ですよ。もし、この試練に耐えられなかったら僕は自分に失望したと思う。僕は自分の限界に挑戦するのが好きなんですよ。どこまで行けるのか、知りたいのかな」

――『アメリカン・サイコ』の時は、全身筋肉の塊のように鍛え上げたけど、肉体改造が好き?

「全然。僕は『アメリカン・サイコ』までジムなんか行ったこともなかった。普段はパブでまったりしてるほうが好きだから。あれも役作りのためだけですよ」

――しかし、凄まじい意志の力だね。普通はちょっと腹が減るだけでイライラするのに。

「確かに絶食しはじめたときは僕もそうでしたよ。四六時中イラついてたし、気分が不安定で、他人のちょっとしたことにムカムカしたり。でも、ある一線を越えたら体がそれに順応した。胃袋が小さくなって、食欲がなくなる。そうするとカロリーが足りないから、イライラしなくなる、というか、感情の起伏がなくなる。激昂することが不可能になる。そうなってしまえば心は安らかですよ」

――仏教の僧が断食して悟りを開くのと似てるね。

「その通り。禅のマスターみたいに、悟りの境地(笑)。たとえばまったく何もせずに二時間じっと座っていることができるようになった。一種の瞑想状態ですね。エネルギーがないから体は動かないけど、精神は逆に研ぎ澄まされる」

――頼まれないのに、そこまで自分を追い詰めたのはなぜ?

「まずシナリオが気に入ったということ。オリジナリティがある。それにブラッド・アンダーソン監督の『ワンダーランド駅で』や『セッション9』を観て、彼を信頼した。あと、僕はこの前の数本の映画はあまりいい選択ではなかったと後悔していて、役者として勝負を賭ける必要を感じてたんです」

――保健会社は何も言わなかった?

「(笑)映画には一本ごとに保健会社がつくんですよ。撮影中に起こった俳優の病気や怪我による損害を保障するためにね。だから『マシニスト』でも、撮影前に保健用にロケ現場のスペインで医者のチェックを受けた。撮影前に体に問題がないかどうかね。その医者が大変なヘヴィースモーカーでね。誰か彼の健康をチェックしてやれよっての(笑)。僕はもう減量して骨と皮みたいになって診察に行ったのに、その医者はなぜか『どうしてそんなに痩せてるのか?』って尋ねないんですよ。その代わりに聞いてきたのは『映画でナイフが人に刺さるシーンはどうやって撮影するの?』って質問。だから、『刃が引っ込むナイフがあって、血糊を……』って説明して、それで診察終わり(笑)」

――主人公が痩せた原因は不眠症だけど、不眠症の体験は?

「僕自身は眠るの大好きなんです(笑)。昔、三日くらい眠れないことがあったら、それだけで現実感覚がおかしくなって。でも、絶食してからは眠れないんじゃなくて、眠らなくても平気になった。撮影期間の二ヶ月間は、毎晩二時間しか眠れなかった。ベッドに横になったまま、熟睡できない。エネルギーがなくなったぶん、昼間もほとんど動かないから疲れないのが原因でしょう」

――また絶食の話に戻ると、いちばん食べたかったものは?

「リンゴ」

――リンゴ? 好物なの?

「いや。全然。奇妙なことに今まで一度もリンゴが好きだったことはないんですよ。ところが絶食してたら、それこそ夢に見るほどリンゴが食べたくてしょうがなくなった。たぶんリンゴに含まれている何かの栄養素を体が渇望してたんじゃないかと思う。で、スペイン(全編撮影はバルセロナ)にはいろんな種類のリンゴがあると聞いていたんでそれを集めてもらって、撮了が終わったらそれをいっきにむさぼり食った(笑)」

――スペインはリンゴより美味いものあるでしょ。

「もちろん。だから撮影が終わったら狂ったように食いまくって、けっこう太ってしまった。『マシニスト』のなかで主人公が不眠症になる前の姿として出てくるのは、実は本編の撮影が終わって二ヵ月後に追加撮影したショットですよ」

――『マシニスト』の後は『バッドマン・ビギンズ』のブルース・ウェイン役だから、また筋肉つけて。

「『アメリカン・サイコ』ほどじゃないけどね。今回の『バットマン・ビギンズ』は、ブルース・ウェインがバットマンになるまでの物語ですから。フランク・ミラーが描いた『ザ・イヤー・ワン』が原作で、監督のクリストファー・ノーランとは原作に忠実にいこうと話し合いました」

――それに『アメリカン・サイコ』のベイトマンって名前はバットマンに似てない?

「その通り。ベイトマンもブルース・ウェインも大金持ちで、昼の顔と夜の顔に分裂したアメリカン・サイコだ。ブルースの場合は自分の中にあるダークサイドを飼いならして正義を為そうとするけれども。ブルース・ウェインという人間は社会生活をするための仮面にすぎない。彼はバットマンのマスクをつけた時、初めて彼自身になれる。そこがバットマンの面白いところだね」

――最近のアカデミー賞では美しい俳優があえて醜い外見になって主演女優賞を獲るパターンが続いている。ニコル・キッドマンがつけ鼻でヴァージニア・ウルフを演じたり、シャーリーズ・セロンが「モンスター」と呼ばれた連続殺人犯になったり。

「僕は自分のこと美しいなんて思ってないけど、俳優たちがタイプキャストから脱出しようとするのは理解できるな。それに役作りのためなら、どんなことでもするのが役者の仕事ですよ。僕は見かけがいいだけの二枚目役なんて全然興味ないな。冗談じゃない」

――肥満に悩んでいる人は、このインタビューを読んで自分もマネしてダイエットしてみよう、と思うかもしれないけど、何かアドバイスありますか?

「僕の減量は医者の監視を受けたし、あくまでも仕事のための一時的なもので、撮影が終わり次第すぐに止めた。だからこれを日常でマネしないで欲しい。拒食症になったりして非常に危険だから」

――「よいこのみなさんは絶対にマネしないでね」と。

「そうそう(笑)」

(引用:映画評論家町山智浩アメリカ日記)

4か月で約30kgの減量は凄まじいですね。

そしてリンゴとコーヒーだけ…。

凄まじい役者魂だ。

短い期間で激ヤセしたい悪い子ちゃんは試してみてはいかがでしょうか。

フトリスギチャン・ベール

翌年2005年『バットマン・ビギンズ』でこの肉体を披露。

恐るべし。

バットマン役に考慮されたときのベールは、『マシニスト』で激やせした時の状態だった。

そしてキャスティングされた時には監督のクリストファー・ノーランから、

「可能な限りデカくなってください。」と言われたとのこと。

彼は6か月間の食事療法を行い、なんと220ポンド(約100kg)にまで太りあげた。

彼の標準体重よりも40ポンド(約20kg)も太ったのだ。

製作陣からは“バットマンを演じるには太りすぎだ”とダメ出しされた。

本作のクルーに加わっていた友人にァットマン”と呼ばれイジられてしまうほど。

それからすぐさま彼は20ポンド(約9kg)痩せ筋肉も付けた。

ベールはこのことを耐えなれないほどつらい肉体改造だったと語っている。

2010年までの映画をざっと振り返ろう。

2006年プレステージ

前年の『バットマン・ビギンズ』と同じクリストファー・ノーランが監督を務めた。

私としては最後の展開が許せない。

そこまではかなり楽しめた。

しかしあのファンタジーなオチは残念だ。

正直だいぶ前に見たのではっきりとは覚えていないがラストが気に入らないことは覚えている。

また見返そう。

ニドメノゲキヤセシチャウン・ベール

それは2006年のこと。

『戦場からの脱出』

この映画では、ベトナム戦争下で捕虜となった実在する米軍パイロットを演じた。

本作でも過酷な減量を行い、55ポンド(約25kg)も減らしたのだ。

振り返ると、2004年から3年間でとてつもない増減量を行なっている。

一体彼は何者なんだ。

翌年2007年『3時10分、決断のとき』

西部劇映画では近年稀にみるヒットとなった。

しかしこの作品は残念ながら私にはハマらなかった。

あっ午後1時19分に見れば、映画の中と同じく3時10分に列車が到着しますよ。

そして再びバットマンで帰ってきた。

前作の時よりも引き締まっていて、いつものベールも帰ってきた。

2008年『ダークナイト』

映画史に残る名作となった。

2009年には『ターミネーター4』ジョン・コナーを演じた。

しかしこの撮影現場でトラブルを起こす。

フショウジオコシチャッタン・ベール

撮影監督のシェーン・ハールバット氏を罵り、怒鳴り散らした動画が流出したのだ。

2008年7月に行われた撮影時のこと。

ハールバット氏はどうやらベールの演技の邪魔になるところを歩いていたらしく、

それが気に入らなかった模様。

その後翌年2月にラジオの生放送に登場して謝罪している。

「あのテープを聞いて私より衝撃を受けた人はいないだろう。自分の仕事に対する情熱ゆえのことだったが、それがひどく醜い形で出てしまった。」

「ロボットに対抗する人類のリーダーであるジョン・コナーのキャラクターを、“狂気”として表現しようとしていたけれど、ハーバットに当たってしまったときは現実と空想が混合してしまっていたんだ。半分ジョン・コナーで、もう半分がクリスチャン・ベールだった。」

そして罵った相手である撮影監督のシェーン・ハールバットとはその日のうちに和解し、その後も問題なく一緒に撮影を続けたことを強調、素晴らしい作品に仕上がっているので、自分の愚行のせいで「ターミネーター4」を見たくないとだけは思わないでほしいとリスナーに訴えかけた。

(参照:The Guardian)

(引用:映画.com

この事件のほかに、ベールは同月に別件で逮捕までされていた。

2008年7月22日、母親と姉に対する暴行容疑で逮捕された。

当日に釈放されたが、どのような行為がされたかは明かされていない。

(出典:Cinematoday)

その後、2009年4月にビデオ流出事件について振り返っている。

「自分がやってしまったことは事実。それについて言い訳するつもりはないし、その責任も自分にある」

「しかし、現場の様子が録音されていたという事実を知ったことで、スタッフとキャストの間にあるべきはずの根本的な信頼関係が損なわれてしまった」と明かした。

「全ての録音マンが、“録音どころか、こちらの会話も聞いていないよ”というスタンスを取っている。暗黙の了解ではなくて、実際にそう明言しているんだ。でも、それはもう信用できない。誤解しないでほしいが、ここで言っているのは“自分が何かしでかしたとしても黙っててくれよ”という意味での信頼ではなく、もっと本質的な、一緒に何かを作る者としての信頼関係のことだ」

ベールはもともと、DVDの特典映像などのためにメイキングを記録するのが好きではないのだという。「みんなが裏側を知りたいと思っていることは分かっているが、映画ならではのマジックというものがあるとして、マジックなんだから種明かしはすべきではないということだ」

(引用:映画.com)

謝罪して数か月後に言うことではないが、たしかにこれは一理ある。

だがしかし、汚い言葉で罵倒するのはいけませんね。

たくさんの人の前で罵る行為は現場の士気も下がるし、罵られた本人がつらい。

とにかく多くの人々が携わる現場で誰が見ているのかわからないのだから、気を付けないといけませんね。

特にプライベートも侵害されるお仕事なのだから。

クリスチャン・ベールとヒース・レジャーの奇妙な類似点

2008年7月18日『ダークナイト』が全米公開された。

つまり何が言いたいかというと、ジョーカーを怪演したヒース・レジャーが亡くなったことで彼にばかり焦点があたりがちだが、役に取り込まれておかしくなったのはヒース・レジャーだけではない。

バットマンを演じたクリスチャン・ベールもまた“狂気”に支配されていたのではなかろうか。

彼はジョン・コナーが“狂気”と述べたが、明らかにそれはない。

だってあんな作品…。

個人的には初日に見に行ったので思い出深い作品なのだが、ターミネーター史上ダントツで最も印象が薄い作品に違いない。

ジョン・コナーのせいにしたのは、やはり亡くなったヒース・レジャーへの配慮だったのかもしれない。

まだバットマンの“狂気”が身体に残っており、ジョン・コナーに切り替えられなかったのだろうか。

『ダークナイト』の撮影終了後に、『ターミネーター』という別の映画現場で暴言を吐き、そして家族を暴行して逮捕。

物優しくて、『マシニスト』で禅の境地にさえ入った彼が、同時期にそんな振る舞いをしてしまうなんて確実に『ダークナイト』の撮影が影響しているはずだ。

いやそもそも過酷なダイエットを続けたせいで人格に影響したのではなかろうか。

ヒースは6週間モーテルに隠れて、ジョーカーの役作りに没頭した。

そして2007年11月頃から不眠症に悩まされる。

『ダークナイト』の撮影は9月頃までなので終了後。

しかし同じ9月頃にはミシェル・ウィリアムズと婚約を解消している。

2人の間には当時2歳の娘がいた。

当時のヒースがNewYorkTimesに不眠症を語っている。

「先週、おそらく平均で2時間しか寝てないんじゃないかな。思考が止まらないんだ。身体は疲れ果てているんだけれど、意識はあり続けるんだ。ある夜、身体を安めるためのアンビエン(睡眠薬)を一錠飲みました。2錠目を飲むと意識朦朧になったけれど、たった1時間後には起きてしまうんだ。」

“狂気”のジョーカーへと変貌を遂げ終えたら、ミシェルと破局し娘と別れてしまい、つらい状態で『Dr.パルナサスの鏡』の撮影に挑んでいたのかもしれない。

そして2008年1月22日28歳の若さで死去。

当時はインフルエンザにもかかっており、薬の併用摂取(特定の薬物を過剰摂取したわけではない)による急性薬物中毒による事故死だった。(参照:Wikipedia)

本当に心身ともに疲れ果てていたのだろう。

ここでまず注目なのが、“不眠症”

不眠症の男『マシニスト』を命がけで演じたクリスチャン・ベールを思い起こさせる。

ちなみに監督のクリストファー・ノーランも2002年に英語で“不眠症”を意味する『インソムニア』という映画を撮っている。

形は違えども“不眠症”にかかわる3人の奇妙な一致。

さらにベールとレジャーの間にはさらなる共通点があった。

2007年に公開された『アイム・ノット・ゼア』

ボブ・ディランの半生を、6人の俳優たちが演じ分けたの映画である。

そう、そのうちの2人がベールレジャー

そして2008年『ダークナイト』にて、バットマンジョーカーという一見対極な位置に属する2人かと思いきや、単純にバットマンが善で、ジョーカーが悪とは言えない勧善懲悪ではない世界観をノーランが描いた。

2人の関係性は似た者同士とも取れる。

そしてそんな2人を演じるのは以前同じ役を演じたことがある彼ら。

さらに映画という空想世界の中で“不眠症”を乗り越えたクリスチャン・ベールと、

ジョーカーを演じ、それから始まる“不眠症”で現実世界で身を滅ぼしてしまうヒース・レジャー。

そして“不眠症”を撮る側から見守り、“狂気”を求めたクリストファー・ノーラン。

“狂気”は出会うタイミングや立場によっては、人生に影響を及ぼす本当に危険なものであると感じる。

そしてこれからはジョーカーだけでなく、クリスチャン・ベール演じるバットマンにより注目して鑑賞しても面白いかもしれない。

サンドメノヤセスギチャン・ベール

そしてついに2010年、彼のダイエットがアカデミー協会に認められた作品『ザ・ファイター』

本作でアカデミー助演男優賞を受賞。

ベールは13キロの減量のほか、髪の毛を抜き、歯並びを変えるという驚異の役作りを行っている。

彼が演じるディッキーはユーモアとカリスマ性に溢れた麻薬中毒の元ボクサー。

「私はイカれたようにランニングをしていました。4時間続けて走ることもできてたし、本当に健康的に感じていました。私は痩せる時はいつも大量のコカインをやるんだよ。こう言った方がこの映画に合っていて面白いかなと思って。」

(参照:Uinterview)

2011年『金陵十三釵』

ベールにとっては『太陽の帝国』以来の日中戦争を背景に、南京事件を描いた中国映画。

ベールが演じたのは、南京へ侵攻してきた日本軍から迫害を受け教会の建物の中へ逃げ込んだ中国人女子学生ならびに娼婦らを、聖職者になりきり匿い救う米国人納棺師の役だ。

中国映画史上最高額となる製作費6億元(約78億円)を投じた超大作であり、2011年の中国の年間総興行第1位(約71億円)と大ヒットし、中国社会に大きな影響を与えた。

(引用:Wikipedia)

2012年、3度目のバットマン。

『ダークナイト・ライジング』

激やせの後にはいつもバットマンが待っている。

肉体作りが大変だろうなぁ。

ハゲキブトリモシチャウン・ベール

2013年には新たな試みが。

『アメリカン・ハッスル』ではまさかの激太り

43ポンド(約19.5kg)もの増量をした。

そして再び髪を抜く。

今までとは真逆の役作り。

ベールがついにおかしくなった。

「私はドーナツをたくさん食べました。チーズバーガーもね、手でつかめるものは何でも食べたよ。目に入るものは何でも食べたよ本当に。」

「228ポンド(約103kg)になった体重を今185ポンド(約84kg)に減らそうとしているんだ。まだその最中です。」

本作の後、次の作品に向けて減量しなければいけなかったが中々苦労していたそう。

(参照:People)

2014年『エクソダス:神と王』でモーセ役を演じる。

2015年『マネー・ショート 華麗なる大逆転』

ナンドデモハゲデブニナッチャウン・ベール

そして時は流れ、

2019年4月5日に日本で公開される『バイス』

またもやハゲデブ!!

アメリカでは2018年12月25日に公開され、

ゴールデングローブ(ミュージカル・コメディ部門)主演男優賞を受賞している。

そして『バイス』第91回アカデミー賞に8部門でノミネート。

彼が演じる役は、ブッシュ政権の時に副大統領を務めたディック・チェイニー

911テロが起き、イラクに戦争を仕掛けるようブッシュに助言した人物だといわれている。

ちなみにブッシュ元大統領役を演じるのは、『スリービルボード』(2017)でアカデミー助演男優賞を受賞したサム・ロックウェル。

そして監督は『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(2015)『俺たちニュースキャスター』(2004)『パパVS新しいパパ』(2015)などウィル・フェレル主演の作品をよく撮っているアダム・マッケイ。

1995年から2001年まで、『サタデー・ナイト・ライブ』のライター、ディレクターを担当しているためコメディを得意としている。

これは見ないわけにいかない。絶対に面白い。

彼になるべくベールは再び体重を増やした。

今度は40ポンド(18kg)だ。

そして髪も剃り眉毛まで脱色した。

何度もベールの変貌を見てきた奥様から、さすがに今回で最後にしてちょうだいと警告されたそう。

何より娘が最も反対しているとのこと。

そりゃあ父親を一番身近に見ている子供からしたら、お父さんが数年ごとに違うお父さんになるわけだから心配になりますよね。

ベールが実在の人物を演じる時はいつも本人に会ってから役作りに励むそうだが、残念ながら今回はチェイニー本人から面会拒否の申し出があったそう。

そのため役作りはチェイニーのインタビューや書物を見て参考にしたという。

それにしても実在の人物が今も健在で映画化に関して否定的なのに、作り上げて公開させる勇気と気合が凄いですね。

さらに今回彼のキャリアで初となる特殊メイクも施されている。

担当したのは3度のアカデミー受賞を誇るグレッグ・キャノム

1993年『ドラキュラ』

1994年『ミセス・ダウト』

2009年『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』

『ドラキュラ』ではゲイリー・オールドマンに老けメイクをしている。

ゲイリーと言えば、2017年『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』アカデミー主演男優賞を受賞。

しかしゲイリーの場合、自ら体重を増やすことはなく、日本人の辻一弘氏に直々に特殊メイクを依頼して重量感のある身体を作り上げた。

そもそも60歳になるゲイリーが体重を急激に激増させたら命を失う可能性だってある。

クリスチャン・ベールだって医者に何度も危険だと言われ続けてきた。

ゲイリーがなぜ特殊メイクをしてまでチャーチルを演じたかったのか。

『チャーチルの役? もちろん最初は首を横に振ったよ。誰もが知っている英国の英雄だし、アメリカ人にとってのリンカーン大統領以上の存在なのだから。おまけに英国の重鎮の俳優がこれまでに演じてきたし、何を今更。僕のルックスと体を見てくれ。ファットスーツを着てゴムの固まりのメークをしても、もの凄く難しいに決まっている。監督のジョー・ライトから話があった時にまずそう思って断った。

しかし家族や妻がこれ程の大役をこなして、尊敬するチャーチルの勇気を鼓舞するスピーチをし、今の崩壊寸前の世の中で苦しむ人々を叱咤激励する最高の機会じゃないかと、しつこく説得して来て、僕の体の中から沸々と俳優魂がたぎりだし、申し出を受けたんだ。

(引用:SCREEN ONLINE)

そんなオールドマンにベールは、『バイス』で過酷な役作りをするにあたって相談していたのだ。

2017年4月から役作りを開始し、約半年かけてパイをたくさん食べ、ご飯1杯に15個の卵を入れるなど、約20キロ増量させた。増量中に、オールドマンに相談したといい「僕らの役へのアプローチは、まったく違っていた。僕は自分自身の体重を増やす以外にやり方を知らなかったんだよ!」と驚いたことを明かす。

「その時は増量の途中で、丸々太った子どもみたいだった。ゲイリーに電話して『(ウィンストン・チャーチルの)役をやる時はどのくらい太った?』と聞いたら、『太ってない』と。僕は『なんだって?』と思った。もうすでに増量を始めてた自分がバカみたいだよ。(映画の特殊メイクが)こんなに進歩していたのを知らなかったんだ」と後悔をにじませる。

(引用:映画.com)

アカデミー賞を獲ったのに、彼がゲイリーの特殊メイクについて知らなかったことに驚きました。

ただ個人的にはホラー映画で恐怖演出を付けたり、モンスターに施す特殊メイクは大好物なのだが、人物を太らせたり老けさせたりするバレバレなメイクだと違和感があり、失笑を生み現実感が無くなってしまい、映画に入り込めないという最悪の事態に繋がるのであまり好きではない。

コメディだと明らかな違和感があってもそれ込みで笑えるため全く気にならないのだが、ドラマはやはりキツイものがある。

クリント・イーストウッド監督の『J・エドガー』はそう感じてしまう箇所が多い作品だった。

だからこそクリスチャン・ベールは特殊メイクを嫌い、自分自身を変えている。

と思っていたのにまさかの現代の特殊メイク技術を知らないだけであった。

今後太っている役は特殊メイクで行うのだろうか。

痩せている役はCGで加工してしまうのだろうか。

そうなると少し寂しいが彼の命のためだ。

そんな彼でも今回特殊メイクをしたのは、さすがに首回りにお肉を付けるのが難しいからであろう。

グレッグ・キャノムがベールに施した特殊メイクについて語っているのでまとめてみました。

ベールは自分自身で容姿を変える役者として知られているが、そんな彼に特殊メイクをするのは神経質にならなかったかという質問に対しての答え。

「彼は一度も特殊メイクをされたことがないからね。彼自身で変えてきたからね。そんな彼がどんな反応をするのかはとても心配でした。初めて彼に施したとき彼はこういったよ。“自分の首を動かせることができるよね?」と。それに対し私は“大丈夫だよ。新鮮な感じだと思うけれど、心配しないで。”と言ったよ。初めは問題があったよ。彼が増量し始めて、とても強くて細い首を求めてきたんだよ。彼は人口装具についてよく知らなかったからね。」

「撮影数週間前にクリスチャンのテストをして、私は本当に気に入ったのですが、クリスチャンは少し厚みのある首など全てを、もっとよくして変えさせようとずっとしたがっていた。

私は彼と言い争いましたよ、“いいや、それはやりすぎだよ

でもクリスチャンは毎回勝利を収め、プロデューサーは言ったよ“やりなさい”と。

我々が全てを作り替えるために与えられた日数はたった5日間しかなかったと思います。

撮影前の土曜日、彼はスーツを着てオフィスにいました、私は“ダメだ、太り過ぎだ、と思いました”彼は大きめのスーツを着て眼鏡をかけ、入れ歯をして部屋を歩いていました、みんな本当にそれを信じられませんでした。

私は“オーマイゴット、君は本当に正しかったんだ”、そしてその姿が映画の中で見れるよ。彼は完璧に見えましたよ。」

「私は特殊メイクがうまく機能するとは思わなかったんだ、だって彼の顔はとても長くて、チェイニーとは全く違っていたんだから。劇中で21歳の時のチェイニーが出てくるが、誰もその時の彼のことは見たことがありません、だから我々はクリスチャンの見た目を遠ざけることができました。」

そして具体的な箇所については、頬と顎と首にシリコンを入れ太らせて、鼻にも2つ入れて元々の彼のしっかりとした鼻の底を少し広げさせたと語っている。

(参照:Deadline)

また、に対して感謝を述べている。
「彼女はたくさん異なる醜い外見の私を見てきて、私がどんな姿になろうが許容してくれます。とても忍耐強いことに感謝していますし、そんな妻を愛しています。」
(参照:You)
激太りするにはジャンクフードを毎日食べるのがよさそうですね。
太りたい人は参考になりましたでしょうか?

まとめ

痩せたいときは、コーヒーを飲み不眠症にして食事はリンゴとツナだけ。
太りたいときは、ご飯1杯につき卵15個を食べる。
これで完璧だ。

彼の筋肉デビューは

2000年『アメリカン・サイコ』

で初めての肉体改造を行いマッチョに。

次に2002年『サラマンダー』でさらに筋肉質に。

そして世界中を驚かせた2004年

『マシニスト』で激ヤセ。

83kgから55kgに。

さらに彼の名が世界中に知れ渡った

2005年『バットマン・ビギンズ』

バットマンのために激ヤセ状態から体重を増やすも100kgになってしまい、製作陣から痩せろ指示。

すぐさま9kg落とし、筋肉質にもなり91kgでバットマンに挑んだ。

翌年2006年『戦場からの脱出』で再び激ヤセ。

体重を61kgに。

そして再びバットマンを演じた2008年『ダークナイト』では標準に戻し86kg

その2年後にはついにアカデミー賞を受賞。

3度目の激ヤセにして、毛を抜き歯並びも変える華麗なるアプローチをみせた2010年

『ザ・ファイター』

66kg

2012年3度目のバットマン。

『ダークナイト・ライジング』

少し重めの90kgに増量。

ハゲ散らかしてハチ切れそうな腹になり激太りして娘にバカにされた2013年

『アメリカン・ハッスル』

ただいま103kg

翌年2014年、体重を標準に戻し『エクソダス:神と王』

そして2018年、彼の最後のアプローチになるかもしれない

『バイス』

髪を剃り、眉を脱色し、約20kg増量。

なんてこった。

まとめてみると、こういう危険な増減をする役者のお話というフィクションのような映画にきこえてしまうではないか。

まさに超人ハルク。

私は彼ほど自分の姿を変えて役に入り込む俳優を知らない。

しかも1作では終わらない。

2000年『アメリカン・サイコ』以来、長年やってきたのだから恐ろしい。

生きていればわかるが、体重なんて簡単に減りもしないし増えもしない。

ブルース・ウェインのように人の目に入らないところに基地があり、

いくつかの違う風貌のクリスチャン・ベールのクローンが用意されているのではないかと思うくらいの変身ぶりだ。

そして変身スパンが短すぎる。

1本の映画内で激痩せ、標準、激太り、ハゲなどベールが変わりまくる作品があったら面白そうだ。

次は女装はどうだろうか。

アカデミー賞の男優、女優部門の枠を全制覇する歴史的快挙を成し遂げるに違いない。

この記事を書くために彼について調べたことで、今までより一層魅力を感じている。

そして過去の作品を見返したくなり、新作も待ち遠しくなった。

彼こそ名優にふさわしい。

とりあえず『バイス』が楽しみ。

以上、

『特集・クリスチャンベール式ダイエット』

でした。

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