『ブレインデッド』(1992)~映画史に残る血祭~

B級映画紀行
出典:Pixabay
級映画紀行
この世には、まだまだ知らぬ映画がある。
いつ公開されていた?
なんでこんなのソフト化した?
なんでVHSしかないんだ!
そんな映画はたいていこう呼ばれている。
B級映画
漁るとキリがないこのジャンルの沼へようこそ。
ブレインデッド
原題
Braindead
公開
1992年
製作国
ニュージーランド
監督
ピーター・ジャクソン
『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ(2001,2002,2003)
『ホビット』シリーズ(2012,2013,2014)
『キング・コング』(2005)
出演
ティモシー・バルム
エリザベス・ムーディ
ダイアナ・ペニャルヴァー
脚本
ピーター・ジャクソン
スティーヴン・シンクレア
『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』(2002)
フラン・ウォルシュ
『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ(2001,2002,2003)
『キング・コング』(2005)
『ラブリー・ボーン』(2009)
『ホビット』シリーズ(2012,2013,2014)
編集
ジェイミー・セルカーク
『乙女の祈り』(1994)
『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』(2003)
『キング・コング』(2005)
音楽
ピーター・ダゼント
『ミート・ザ・フィーブル 怒りのヒポポタマス』(1989)
撮影
マレイ・ミルン
猿がババァに噛みつき始まるパンデミック。

ほのぼの感想あるいは解説

舞台は1957年のスマトラ沖にある髑髏島という島から始まる。

そこで謎の猿スマトラン・ラット・モンキーを捕獲した考古学者たち。

住みかを荒らしに来たと思った原住民たちに追い回される。

猿に噛みつかれた考古学者の一人に気付いた同行者たちが、傷跡のある手を斧で腕ごと躊躇いなく切り落とされてしまう。

それどころか、噛まれたのではなく、ただの擦り傷のあるもう片方の腕、しまいには傷のある額を見て首を切り落とそうとしたところで、

タイトルがジャンッ!!

突然の残虐描写に思わず惹き込まれてしまった。

これは面白いものが見れるぞぉ~。

ところで髑髏島(スカルアイランド)ってキング・コングの住んでいる島ではないか!

ピーター・ジャクソン2005年に同作の監督を務めている。

何度も映画化されているクラシック映画を、2億ドルという莫大な製作費で映画化。

本作は部隊が1930年代だが、登場する船の貨物室には、『ブレインデッド』に登場する“スマトラン・ラット・モンキー”の名前が入った木箱が積まれている。

10年越しに大好きな作品を映画化できてよかったですね。

そして持ち帰る大きさが、小さなモンキーから大きなゴリラに変わったのも面白い点ですね。

スマトラン・ラット・モンキーにババァ、噛まれる。

息子のデートを見張りに動物園に行った際の事。

そう、あのスマトラン・ラット・モンキーは動物園に保管されていたのだ。

噛んできたモンキーを踏み潰して殺すババァ。

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次第に様子のおかしくなっていくババァ。

ヘドを吐くババァ。

皮膚が剥がれたので接着剤でくっつけてあげる息子。

ついにゾンビ化したババァ。

どうにかしたい息子は動物病院を尋ねる。

そこにいた医者から精神安定剤を手に入れる。

白衣を着ているが、左腕のところだけ都合よく破れていて中が見える。

そこに描かれている紋章は鉤十字。

そんなナチの残党から手に入れた安定剤を、なぜかババァの鼻から注入する息子。

これ以降、鼻から注射は定番に。

ババァの治療担当の看護婦も餌食になり、ゾンビ化。

ババァは死んだことにされ、葬儀が行われる。

防腐処理中のババァの目ん玉が飛び出てしまったので押し戻します。

その後、ババァの墓荒らしをしていた不良どもを見た神父がカンフーを使い、突然戦い始める。

腕を引きちぎったり、めちゃめちゃ強い。

しかし墓から飛び出て股間を鷲掴みされゾンビ化した不良リーダーに噛まれた神父もゾンビ化。

そんなゾンビ化したみんなで仲良くお食事会。

息子が全員引き取る。

発情し始める神父。

腐ってる者同士そんなことしたら引っ付いちゃいます。

あっという間にベイビー誕生。

息子と公園で追いかけっこ。

可愛いんだか、気持ち悪いんだかわかりません。

おそらく『チャイルド・プレイ』(1988)チャッキーを意識しているかと思われる。

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ミニチュアを使って撮影している部分もあるらしいのですが、全くわからないほどのクォリティ。

地下室にゾンビ化した死体を隠していることが叔父さんにバレてしまい、通報されそうになる。

しかし叔父さんに家を壌ることで交渉成立。

さっそく豪邸でパーティを開く叔父さん。

叔父さんに死体は処理するよう脅されたため、

毒を注入して地下室にゾンビたちを埋める息子。

しかし毒ではなく、実は興奮剤であったため元気になって復活!!

そうして人で溢れるパーティー会場は大感染。

ここからラストまで映画史に残るノンストップアクション。

ゾンビをミキサーにつっこむ息子の彼女。

危うくベイビーもミキサーにかけられるところであったが脱走。

叔父さんも奮闘。

壁に叩きつけられ、壁にあった電球がうまいこと口にハマり神々しく光るゾンビちゃん。

こういった素晴らしい演出が随所にあるので感心してしまう。

大パニックになる中、ブチ切れた息子が芝刈り機で大虐殺。

血!血!!血!!!

飛び散る血!!!!

気持ち悪いより面白いが勝つ血祭りも珍しい。

後片付けが大変そう。

肥大化したババァと最終決戦。

ババァの旦那、つまり息子の父親は、海で溺れた息子を助けようとした結果、自身が溺れて死んでしまったと母親から聞かされていた息子。

しかし実際はババァが旦那を浴槽に沈めて殺したのだ。

当時その場で目撃してしまった息子はそれを記憶から消していた。

今回のもろもろのことで記憶が蘇った息子は憎しみをババァにぶつける。

戦いを挑むもババァの腹の中に吸い込まれる息子。

その数秒後、腹が裂かれ、再びババァから産まれる息子。

死んでも親子な美しい演出に何だかわからない感動が込み上げる。

ところでこの演出…偶然過ぎるのだが、この後に見た『シャークネード エクストリーム・ミッション』(2015)のラストで同じことをしていた。

いや、あのシリーズは毎回それをして定番の流れになっているのだが、

3作目は主人公の妊娠した妻が巨大サメに食われてしまう。

またか!と思っていると、サメのお腹から出てきたのは…

なんと赤ちゃん!!!!!??????

そう!

なんとなんとサメのお腹で一瞬にして出産するというキャビアもビックリな展開。

そして次に出てきたのが妻。

この美しいシーンは、きっと『ブレインデッド』のオマージュだったのだろう。

他にも『ブレインデッド』には、階段から転げ落ちる『エクソシスト』(1973)や、『遊星からの物体X』(1982)のオマージュがあったりするので、ホラーファンはより一層楽しめることでしょう。

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明日自慢できるトリビア

映画史上、最も血が出た映画として知られている。
最後のシーンでは300リットルの血のりが使われた。
当時スウェーデンのレンタルビデオ屋さんでは、エチケット袋が特典として付いてきた。
芝刈り機のシーンは毎秒5ガロン(約22.73リットル)の血のりが使用された。
北米では1990年に同名の映画が公開されていたため、『Dead Alive』に改題された。
参照サイト: IMDb

一言教訓

マザコンを怒らせると何をするか予測不可能

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