この世には、まだまだ知らぬ映画がある。
いつ公開されていた?
なんでこんなのソフト化した?
なんでVHSしかないんだ!
そんな映画はたいていこう呼ばれている。
…B級映画
漁るとキリがないこのジャンルの沼へようこそ。
ハードウェア・ウォーズ
原題
Hardware Wars
公開
1978年
製作国
アメリカ
監督
アーニー・フォッセリウス
『Porklips Now』(1980)
脚本
アーニー・フォッセリウス
ほのぼの感想あるいは解説
1977年5月25日に『スターウォーズ/新たなる希望』が全米で公開。
それからわずか5か月後の10月16日にリリースされた『ハードウェア・ウォーズ』。
本作は短編で13分しかない。
そして登場するオブジェクトは主に家電をはじめ、日常の身近にある物で出来ている。
「Meanwhile… In another part of the galaxy, later that same day…(その日の遅めの時間、銀河系の別の場所で…)」
ハードウェア・ウォーズ!
何百光年も離れた宇宙での物語。
アイロンが手前から奥へ飛んでいく。
オリジナルのスター・デストロイヤー並みの迫力だ。
バックには『ヴァルキューレの騎行』が流れる。
1979年公開の『地獄の黙示録』よりも先に使用していたのだ。
そして登場人物紹介がされる。
フルーク・スターバッカー、銀河系の生んだ天才少年。
オーギー・“ベン”・ドギー、レッドアイ騎士団の一員。
アン・ドロイド王女、悩み多きある惑星の王女。
ハム・サラダ、銀河系を自在に飛び回る雇われ飛行士。
ダーフ・ネイダー、悪党。
そしてアイロンとトースター型タイ・ファイターが戦闘。
次のカットでお馴染みのドロイドが2体登場する。
そう、4Q2とRTデコだ。小さい掃除機がRT。
4Q2の容姿が『オズの魔法使』(1939)じゃないか。
声はC-3POにそっくり。
なんかよくわからず脱出ポッドに入って砂漠に落下。
本家さながらのやり取りを交えて喧嘩別れ。
その際に完全に一般の人が後ろに映っちゃってる。
そしてドロイドは家電好きのフルークの元へ。
あの流れだ。
RTの掃除機のホースから王女がホログラムで映し出される。
「助けて、オーギー・ベン・ドギー」
オギベンドギーに会いに行くフルーク。
いや、ひっでー車だ。なんじゃこりゃ。
オギベンに懐中電灯を渡される。
これみんな1度はやるやつ!私も小学生の頃やりました。
そして意味不明なオギのドヤ顔カット。
今度は4人で乗ります。全く同じ道。
途中、帝国軍のスチーム・トルーパーの検問を受ける。
突っ立っているスチムトに対して手をかざし通すよう促すオギベン。
まるで人工知能を先取りしたようにも見える場面だ。
腕のいいパイロットを探しにモス・アイズリー、いや失礼、ただのバーに入り捜索。
結構繁盛しているバー。
そこで出会ったハム・サラダとチューチラ・ザ・ウッキーモンスターの操縦で王女の救出へ向かう。
全員、声がそっくり。
缶切り・ファイターをやっつけたミレニアム・アイロン号。
船内では終始真顔で無口なオギベンが気になって仕方ない。
やたら長いハイパードライブを使う。
そしてついにダーフ・ネイダーが登場!
溶接ヘルメットを装着しているので、うっすら目が見えているが、これは本家の忠実なパロディなのか。
椅子に縛られているドロイド王女に何かモゴモゴ言っているが聞き取れない王女。
おい王女!アンタ頭にチョココロネついてんぞ!!
そしてモニターに映っているバスケットボール(王女の故郷オルデラン)を破壊。
それまで無表情だったオギベンが突如大袈裟な頭痛の芝居を見せる。
「どうしたの?フォースが乱れたのかい?無数の悲鳴が起き、消えたとか?」とオギベンのセリフを全て代弁してしまうフルーク。
アイロン号がホットプレートのようなデススターのようなものに牽引ビームを浴び引き寄せられてしまう。
いつの間にか王女を救出し、ホットプレート内でバトルが起こっていた。
不動のスチーム・トルーパーに対して、電動ドリル型ブラスターを操作するハム・サラダ。
特殊効果ばかりで効かないので蹴飛ばすハムサラ。
ゴミ溜めに逃げ込む4人。
助けるRT。
牽引ビームを解除するオギベン。
突如始まるオギとネイダーのライトセイバーバトル。
蛍光灯かな??
アイロン号で反乱軍基地に向かった4人。
その後、任務に向かったフルークがホットプレートにくっついているトースターの穴に爆弾を投下したのかしてないのかでタイトルが出てエンディングへ。
「ロマンスとバトル、家電も目白押しの宇宙活劇、涙と笑いに溢れ、“カネ返せ”の怒号が飛び交う」
“COMING SOON!”
チケット売り場へ急げ。
“May the Farce be with You – 茶番と共にあらんことを”
全ては予告だった。
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明日自慢できるトリビア
①本作は短編映画史上最も利益を上げた作品である。
予算8千ドルに対して、100万ドル以上の収入を稼いだ。
②本作でナレーターを務めているポール・フリースは、オリジナルの『スターウォーズ/新たなる希望』の予告でナレーターを務めている人物。
③ 『スターウォーズ』の生みの親ジョージ・ルーカスは、1999年にイギリスのテレビ番組『The Big Breakfast』で、本作がお気に入りのスターウォーズパロディだと公言している。
④2003年に開催されたオフィシャル・スターウォーズ・ファンフィルム・フェスティバルで、本作はパイオニア・アワードを受賞し、ルーカスフィルムから表彰された。
⑤2017年、ライアン・ジョンソンは『最後のジェダイ』で本作へのオマージュシーンを加えるため協力費を払っている。そのシーンは自身でお探し下さい。
魅惑の深海コーナー
Family Guy – It's a Trap! – Sarlacc Pit
1位:『Laugh It Up, Fuzzball! The Family Guy Trilogy』
Space Slug Chinese Delivery | Robot Chicken | Adult Swim
2位:『ロボット・チキン スターウォーズ:エピソード1-3』
"Spaceballs (1987)" Theatrical Trailer
3位:『スペースボール』(1987)
Luke I Am Your Father Lego Star Wars Empire Strikes Back
4位:『レゴ・スターウォーズ』
Sesame Street: Star S'Mores (Star Wars Parody)
5位:『セサミ・ストリート “STAR S’MORES”』
"Weird Al" Yankovic – The Saga Begins (Official Video)
6位:『“WEIRD AL” YANKOVIC – “THE SAGA BEGINS”』
That 70's Show – Star Wars
7位:『THAT ’70S SHOW – “A NEW HOPE”』
8位:『MUPPET BABIES – “GONZO’S VIDEO SHOW”』
9位:『ハードウェア・ウォーズ』
10位:『親指ウォーズ』(1999)
一言教訓
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