『ビルとテッドの時空旅行』(2020)~映画界のWe Are the World~

SF
出典:Pixabay
映画を見れば誰かと共有して話したくなる。
しかし話す人がいない。
そんな映画愛好家は世界中に山ほどいることだろう。
私もその一人。
そこで私は独自の感想をネタバレ含んでただただ長々と述べる自己満駄話映画コーナーを創設した。
お役に立つ情報は一切なし!
しかし最後まで読めばきっとその映画を見たくなることでしょう。
さぁ集まれ映画好きよ!

今宵の映画は…
NJ
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いまこの世界を救う映画です

ビルとテッドの時空旅行

原題
Bill & Ted Face the Music 
公開
2020年
製作国
アメリカ合衆国
製作
スコット・クルーフ
アレックス・ルボヴィッチ
デヴィッド・ヘリング
スティーヴ・ポンス
エド・ソロモン
アレックス・ウィンター
監督
ディーン・パリソット
『ギャラクシー・クエスト』(1999)
『ディック&ジェーン 復讐は最高!』(2005)
脚本
クリス・マシスン
エド・ソロモン
『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』(1993)-脚本
『メン・イン・ブラック』(1997)-脚本
『グランド・イリュージョン』(2013)-脚本
出演
キアヌ・リーブス
アレックス・ウィンター
編集
ドン・ジマーマン
『ギャラクシー・クエスト』(1999)
音楽
マーク・アイシャム
『リバー・ランズ・スルー・イット』(1992)
撮影
シェリー・ジョンソン
『ジュラシック・パークIII』(2001)
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三行粗筋

相変わらずな二人が現実を救う使命を託され、
タイムトラベルするもうまくいかずに地獄で往年の仲間と再会し、
音楽で世界を一つにする物語。

ほのぼの感想あるいは解説

今年一番観たかった映画が無事に日本で公開されて安堵しました。

初日に1回、年末にもう1回鑑賞。

こんなにもハッピーな気持ちになれる映画が今年あったでしょうか。

いいえ、ありません。

1作目の『ビルとテッドの大冒険』1989年に公開。

続く2作目の『ビルとテッドの地獄旅行』1991年

あれから約30年ぶりの続編

2000年の後半から脚本は準備できていたそうなのですが、製作段階でうまくまとまらずに、ようやく製作承認されたのが2018年。そして撮影開始が2019年7月1日

ついについに『ビルとテッドの時空旅行』となって帰ってきました。

本国アメリカではこのご時世によりシネコンでの公開は難しく、主に配信スルーされてしまいました。

日本はキアヌに優しいお国ですね。

それでは本編のお話に入りましょう。

いいところがいっぱいありすぎましてね。

冒頭の夫婦2組セラピーのクダリでは、彼らは何も変わっていないのだなぁと安心感を覚えました。

人って変わらないんだよ。

このシリーズの都合のいいところはタイムトラベルの原理や科学的理由、物理的要素など、そういったジャンルではどうしても気になってしまい、矛盾があればツッコまざるを得ない部分を気にしなくていいところ。

気にもならないほどに主人公ビルとテッドが吹っ切れていて、設定や彼らを取り巻く登場人物も魅力的。

そのため、彼らの楽観的で馬鹿馬鹿しくも愛くるしいノリについていけない方々はこのシリーズは受け入れられないことでしょう。

しかし真面目にタイムトラベルを描いた『TENET』についていけない方もいる。

タイムトラベルの粗を誤魔化しつつシリアスに描くのもいいけれど、その粗を隠さず味として全面に出していく方が個人的には好きです。

その映画に乗れるかどうかが、そもそも映画鑑賞では最重要。

『ビルとテッドの時空旅行』では、ビルとテッドの無茶苦茶で緩いタイムトラベルに巻き込まれる気持ち良さを前半に感じつつ、後半は地獄に行ってからクライマックスの“フェイス・ザ・ミュージック”多幸感が爆発する。

全部合わせても90分しかない。

こりゃ体感5分!!

一見雑なまとめ方にも愛が溢れている。

ビルとテッドがこれまで目標としてきた、世界を救う音楽の制作は結局叶わなかった。

いや、カタチを変えて世界を救うことになる。

親から、娘たちへ。

彼らの続けてきたことは着実に子供たちへ受け継がれていたのだ。

決して無駄ではない。

1作目では、タイムトラベルをして歴史上の人物をかき集めプレゼンを成功させるという前代未聞のタイムトラベルの使い方をした。

自分の力ではなく、文字通り他人の力を借りる。

2作目の終盤では、演奏が下手なためどうしようかと考えた結果、「あっ未来に行って練習してから帰ってこればいいじゃん」という結論に至り実行。

さらに頭の中で「自分たちがタイムトラベルをして~をした」ということを考えただけ(実際にタイムトラベルはしているということ)で、現実が思い通りに変わる最強のタイムトラベル理論を実践した唯一無二な映画でもある。言っていて意味が分からなくなってきましたが、見ればわかるやつです。

そして今回は1作目でビルとテッドが行った歴史上人物集めを娘たちが行う。

つまりは『スターウォーズ/フォースの覚醒』(2015)のようにファン喜ばせなお決まりの展開を踏んでくれる。

特にテッドの娘役のブリジッド・ランディ=ペインが素晴らしく、父親の癖をしっかりと受け継いで演じているため、彼女が登場するとすぐに目がいってしまうほど。そして何より可愛い。

忘れてはならないのが、わたしの大好きな死神の登場。

演じる俳優も変わらずウィリアム・サドラー。死神なのに老けている点もツボである。

今回の初登場シーン(テッドの父親が地獄に行く過程)は“待ってました!!”とニンマリで頬が垂れて床まで落っこちそうになりました。

カメラ目線も観客への再会の挨拶に見えて嬉しかった。

後半のみんなで地獄に行ってからの死神登場シーンも笑いました。

一人でゲームして、さらにズルをするという脇腹が痛くなる愛くるしさも垣間見れて幸せです。

地獄ってそんなに暇なのか!?(笑)

そして2作目でビルとテッドを勝手な判断で地上に復活させたことにより降格させられたという事実にも笑った。

さらにワイルド・スタリオンズ脱退の理由が“ベースソロ40分”であったことも笑いの追い打ちをかける。

地味に2作目のエンドロールが要となる構造もファンには嬉しい。

実際の時間軸が映画とリンクする。

死神には「2020年エクセレントキャラクター賞」を授与したいものです。

さらにさらに、お馴染みキャラに引けを取らないほどインパクトのある新キャラが登場する。

そう、デニス・ケイレブ・マッコイ!!

なんなんだこの小学生の頃に持っていた『パワーレンジャー』のVHSに出てくる紫色の敵のようなやつ!!

デニスのビジュアルは『ビルとテッド』シリーズには浮きすぎていて目立つこと目立つこと。

しかし予想外なことに、強面なのでガチガチな冷酷なキャラかと思いきや、意外とナヨナヨしていて可愛いのだ。まさかの死神と萌えキャラ被り。

それにしても刑務所でボコボコにされるシーンは爆笑しました。

受刑中のテッドが胸に「EXCELLENT」というタトゥーをいれている点もポイント高いですね。

そろそろ終盤のクライマックスのシーンの話をしましょう。

デニス「タンバリンなら叩けますよ」

死神「タンバリンを舐めるな」

娘たちがDJとなり、それぞれの音を一つにして、そこにビルとテッドのギターサウンドが最後に加わる。

ここの一連の流れのスピード感が物凄く好き。

世界中に楽器をバラまいて、みんなでひとつの音楽を演奏する。

そして現在を救う。

まさに映画版“We Are the World”

エンドロールで流れる現実世界の映像もこのご時世には心に響き、胸が温まる。

ビルとテッドってこんな映画だったっけ?

今年ベスト。オールタイムベストの一つ。

劇場で公開してくださり感謝感謝であります。

Party on, dude!!

一言教訓

Be excellent to each other!!

明日自慢できるトリビア

2020年5月、ビル役のアレックス・ウィンターは、一般の方々から30秒の演奏ビデオを募集するためのSNSサイトを立ち上げた。その映像の数々は本作のエンドロールで使用されている。

ビルの娘役を演じたサマラ・ウィーヴィング『マトリックス』のエージェント・スミス役でお馴染みのヒューゴ・ヴィーヴィングである。

終盤のコンサートシーンで「サークルK」の看板が目にできるが、1作目で初めてビルとテッドがルーファスに会った場所が「サークルK」である。

冒頭でテッドの弟のディーコン・ローガンはミッシーという女性と結婚した。彼女は前2作で最初にビルの父親と結婚し、それからテッドの父親と結婚した。つまり彼女はテッドの義母から義理の姉になったということになる。

参照サイト: IMDb 

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