【ミャンマー】~我、秘境に来たりし旅~ 3日目Part5:ロード第15章 バスの中でマーライオン

ミャンマー~我、秘境に来たりし旅~
出典:Pixers
ャンマー
~我、秘境に来たりし旅~
3日目Part5
ロード第15章
バスの中でマーライオン
旅の目的
未だ開発途上の地域の多いミャンマー。
この国には“秘境”とされる地が多い。
そんな未知なる大地に足跡を残そうではないか。
寝て目が覚めたら目的地に着いている。
それが夜行バスの理想だ。
大体はそんなにうまくはいかない。
ましてやミャンマーの道となると…。
私はこの晩、バガンでの優雅な一時を終え、夜行バスで大都会ヤンゴンに向かった。

出典:Google Map

目的地までは大体10時間ほどかかる大移動だ。
チケットに記載された席に着くと、早速私の目に入ったのは第一の関門
前の人がリクライニングをこれでもかと下げている。
130度くらいの角度。
地元女性だと思われる。
すやすやと居心地よさそうに眠っている。
しかしこれはよくあることだ。
第一関門をさらに厳しくしたのは私自身の荷物
これには理由がある。
チケットを購入した昨日に話を遡ろう。
綺麗なフロントウーマンは私に2種類のバスの選択肢を与えてくれた。
:値段は②よりも8,000チャット(≒640円)ほど高いが3列シート。
:4列シートのため安い(13,000チャット≒1,040円)が、前の席と間隔があいているので広く快適。
でも安価なのでいいのではないかと迷ったが、腐ってもバックパッカー
ケチな精神が身についてしまっている。
そして安いのにスペースがあるのなら朗報ではないか。
私はのバスを選んだ。
言われた通り座席には荷物を置くスペースがあると思っていたため、乗車する際には荷物を預けなかった。
ところがどっこい、広いスペースなんてどこにもないじゃないか!
席の上には飛行機のように荷物を入れられる場所があるが、リュックの幅が広く入らない。
いや、よく見てみると一応車内に広いスペースがある。
一番前の向かい合わせの席がやたらと広い。
というのも、走行方向と逆向きの席には大きな荷物がいくつも置かれている。
おそらく、バスの下の荷物置き場に入れづらい容量のものはここに置いてあるのだろう。
それならお前も置けばいいじゃないか、と思われそうだがそれは危険だ。
その向かい合わせの席には人が座っているのだから。
大事なものはリュックにいれてはいないが盗まれては困るものもある。
彼らが客なのか、ボーイなのかは定かではないが、この一帯のスペースはやたらと広い。
そういえばあの時のフロントウーマンとのやり取りで一点思い出した。
こんなことをさりげなく呟いていた。
「私はこのくらいしか情報を知らなくて詳しくはわからないけども」
このくらいの情報とはの情報。
確かにバス会社とその日使用するバスによってはバスのクオリティが微妙に変わってくる。
3列か4列くらいしか知らなくて当然だ。
仕方なく私は限界まで膨らんだ重みのあるリュックと小バックを膝の上に置き、限界まで倒された前の席のリクライニングに膝がピタッとくっついた状態。
足元に荷物を置くほどのスペースはない。
隣には友人が座っている。
私の後ろにはまだ誰もいなかった。
当然ながら私も限界まで倒す。
しかしそれで足元が広くなるわけではない。
バスは空席が多かったが、何度か停車して乗客が増えていった。
15分くらい経ったとき、我々の後ろにはいまだに誰もいなかったので友人を後ろに座らせた。
隣に空いたスペースに荷物を置く。
一気に身が楽になった。
これで寝れる。
ん?やはりおかしい。
辺りを見渡して気付いた。
こんなことがあるのだろうか。
バスの構造がおかしいのだ。
我々の席だけ座席間隔が狭くないか?
隣を見ても、足を少し伸ばすほどのスペースがあるではないか。
両列ともに一番前の席は先ほど言った通りバカ広い。
言い忘れていたが、私の席は前から3列目
バカ広い向かい合わせの席をまとめて1列目として、2列目にリクライニング姐さんが眠っている。
3列目にして隣となぜこれほど差ができる??
後ほどわかるが後列には日本の4列シートほどの通常のスペースを持つ席が存在する。
そんなことあるかい!と思われるだろうが、我々の席だけが狭い
何者かにハメられたのだ。
そうとしか思えない。
そんな中、新たな刺客が乗り込んできた。
後ろに移った友人の席の主だ。
隣に戻ってきた友人。
荷物は膝におかえりなさい。
まだ1時間くらいしか経過していない。
21時を回った時だろうか。
うるさいんだよ、このバス。
乗客は静かなのに、前方に備え付けられた小さな1つのモニターでローカル歌唱番組が放映されている。
音はデカいし、みんなアップテンポに熱唱するし。
せめてバラード歌っておくれ。
耳栓をしていたのに突き抜けて聴こえてくる。
そもそも誰も見ていない。
そしてなんで電気行消えてるのにテレビは点いてるんだよ。
眠る努力をことごとく打ち砕いていく。
さらなる刺客がやってきた。
ついに私の後ろの席だ。
こういう時に良心が出てしまう自分が嫌だ。
それが芽生えると、行動を移さない自分に対して葛藤が生まれる。
私は良心の元、リクライニングを少しだけ戻した。
気持ち程度、つまりそれは“動かしましたよ”という事実を見せつけただけ。
何が良心だ、たちの悪いガキだ。
眠れる気がしないのでいつものように妄想に耽る。
気持ち程度さらに窮屈になり寝れない私と、心地よく前でスヤスヤと眠る女性。
こんな不条理な世界があってたまるか!
私は動いた。
ピタッとくっついた膝をさらに前の席に強めに押し当てて、彼女のどこかしらの部位に刺激を与えて夢心地の邪魔をしてやった。
何度かやってはみたものの、これって反ってマッサージ効果を与えて睡眠を増幅させているだけではないのかと冷静になる。
ここで次は私自身の背中にモゾモゾとした違和感に気付く。
後ろのレディが時折私のシートを強めに押さえつけてくるではないか。
気持ち程度のリクライニングがまずかったか?
戻す気はないぞ。
これ以上戻したら、圧迫死だ。
死んでまで我慢するほどの良心は持ち合わせていない。
そしてこれ、やっぱりマッサージ効果はないようだ。
ただただ不快。
前のレディに申し訳ないことをした。
まぁいまだに眠ってるからいっか。
すでに眠れない要素が凝縮されたバスなのだが、最大の敵はロードの揺れだ。
これは一時的なものではなく、高橋ジョージだ。
今のところ、私のロードは第8章を過ぎたあたりだろうか。
ちなみに彼の“ロード”第14章まである。
全部聞き終えた頃にはヤンゴンに着いているだろうか。
そんなロードの揺れがダブルミリオンの如く私を襲った。
そしてあの前兆がやってきた。
これはあれだ。
カバンとリュックを開けて探すも見つからない。
隣で眠る友人を叩き起こし一言。
「ビニール袋ある?」
家から5枚以上ビニールを持ってきたのにも関わらず無くなっていた。
袋はあると何かと便利なので、袋のもらえない海外では必ず多めに持っていく。
それが全てなくなっていた。
なぜだ。
ポッパ山で脱いだ靴を入れた1枚は帰りに捨てたことは覚えている。
それ以外はどこへやら。
そしてその時がやってきた。
文句を言いすぎたこれまでのツケが来たんだ。
これは揺れだけのせいでないことが味でわかった。
美味しかったから。
完成したのだ。
昨日食べた新食感生パスタが。
これはいつも食べているボロネーゼの味だ。
吐いてこそ完成だったのか。

一緒に食べても絡み合わなかった麺、トマトソース、粉チーズの3つがうまく混ざり合ったのだ。
それにしても昨日食べた物が消化されずに出てくるなんて…。
ムスッと姉さんも笑ってくれるかな?
まさにバスの中でマーライオン
不思議なことに頭痛も腹痛もない。
食あたりを経験したことがないのだが、これが食あたりなのだろか。
思い出を振り返ると心当たりがありすぎる。
まずボロネーゼが完成したということは、あれは茹で過ぎで麺がブヨブヨになっていたのではなく腐っていたんじゃないのか?
美味しかった巨大ポテトスープもかなり飲んでしまった。
どれのせいかはわからない。
次にあの店だ。
恐怖のハエカレー。
ご飯とポークしか食べていないが、あのポークに問題があったとみなす。
いつから作り置きしていたかもわからない。
そしてハエとの戦い。
私の胃は限界を超えてしまったのだ。
このあとゲイリーもやってきて、ヤンゴンに到着するまで3回に分けて盛大にマーライオン
2回目の前に気付いたが、車内にマーライオン用のビニール袋が備えつけられていた。
ありがたい。
人はこれほどまでにマーライ汁を吐き出すことができるのかと不思議に思ってしまった。
1つのビニールにつき4ゲームまで可能。
しかし毎度3ゲーム目で出し切って最終ゲームは空振りに終わる。
あまりにも出るので最終ゲームは笑う余裕すらある。
僕は吐けましぇん!
もう吐けましぇん!
これ以上吐くものがないのだから!
ミャンマーの首都ネピドーの近くでようやく30分休憩
そこでトイレを3往復。
持参してきた薬を飲もうと思ったのだが、入れていた小さなポーチごと車内で落としてしまった模様。
休憩を終えて席に戻ると、薬のポーチが見つかった。
飲む前に席を移らせてもらった。
後列空いてるじゃん。
もがき苦しんだあの我慢の時間は何だったのだろうか。
そしてその席は広々としていた。
薬を飲もうと思ったら、席へ移る最中にまたしても落としてしまったようだ。
探しても今度は見つからない。
そりゃないぜ。
不運が重なるも胃はすっきりとしていたので、私はいつの間にやら深い眠りについていた。
夢の中であの妄想する余裕のあった時を恋しく思う。
文句ばかり言っていたが、あんなの何でもなかった。
何でもないようなこと~がぁ~
幸せだったとおもぉ~う~
何でもない夜の~こ~とぉ~
二度とは戻れないよぉるぅ~
私のロードは第16章へと続く。
経歴に食あたりが加わったことで、いずれ行くインドも怖くはない。
また一つ試練を乗り越えた。
ありがとう夜行バス。
次回予告:ヤンゴン散歩
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