【ミャンマー】~我、秘境に来たりし旅~ 3日目Part1:スイカちゃんはお暑いのがお嫌い

ミャンマー~我、秘境に来たりし旅~
ャンマー
~我、秘境に来たりし旅~
3日目Part1
スイカちゃんはお暑いのがお嫌い
旅の目的
未だ開発途上の地域の多いミャンマー。
この国には“秘境”とされる地が多い。
そんな未知なる大地に足跡を残そうではないか。
3日目は、バガンからポッパ山へ。
まずはホテルで朝食。ビュッフェスタイル。
マンダレーと同じく終了時間ギリギリに入場。
前のホテルよりも品数豊富。
フライドライス、春巻、タコさんウィンナー、ポテト、フレンチトーストを盛り付け。
リンゴジュースとともに。
どれも美味しい。
フライドライスポテトをお代わり。
腹ごしらえを終え、チェックアウト。
9時00分
大きいリュックはホテルに預け、ホテル発のポッパ山行きツアーに参加。
タクシーに乗ると、先客のヨーロッパ系のカップルが座っていた。
私の隣にはレベッカ・ウィルソン(『ピッチ・パーフェクト』、『ジョジョ・ラビット』出演)がいた。
彼女はドライバーと英語で話し、旦那に母国語で通訳する優秀な女性だ。
途中、ツアーの一部である工場見学に立ち寄る。
そこにいる看板牛
粉挽きをさせられているらしい。巨体。
しかし大人しいこと。
タッチOKとのこと。
お仕事の最中、失礼いたします。
かわいい。この辺は牛が主流なんですね。こちらが今回のツアー担当のちょっとチャらいドライバーさん。
彼が手に持っているのは、蜜が入った壺。
舐めさせてくれた。プーさん。
このココナッツの木の樹皮から蜜が出ている。こちらがレベッカ・ウィルソンちゃん。
続いて、お菓子とお酒造りが行われているところへ移動。ココナッツと蜜を煮詰めて丸めて固めたもの。
試食をいただいた。
黒砂糖と全く同じ味と食感。ココナッツを抽出している。
ウィスキーを製造する工程の一つ。
なぜかここで働いていたミャンマー人のおじさんが日本語を話せた。
ちょくちょく解説してくれる。
そして完成したココナッツウィスキーの試飲を勧められたがチキンなので拒否。さきほど抽出したココナッツを発酵させている。ここでおじさんが次なるお菓子をくれた。
ん?見覚えがあるぞ?
それはまさかの“雷おこし”であった。
ミャンマーの僻地で懐かしい日本のお菓子を味わえるとは。
日本統治時代に伝わったのだろうか。
そういえばドライバーがいなくなったなぁと思ったら、彼は朝食を摂りに行ったようだ。
バガンのキャリー。ちょっと怒ってます?
角生えてますけど?すみません。お茶会に参加。
天ぷらをいただく。
たまねぎ??
ん?これ何の時間?
早くポッパ山に行きたいんだけどなぁ。鳴きまくるコケコッコー。
なぜか吊るされたライター。
使う時は通常通り手に取り使用。
きっとみんなで使う用なのだろう。
きっと昔誰かが人のライターかっぱらって喧嘩になったんだろう。
一風変わった光景も、当事者にしかわからない事情がある。
それを推測して楽しむのも旅。
そしてようやく出発。少し走ると再び止まった。
ローカルの市場らしい。
そしてレベッカ・ウィルソンが少しイライラし始めている。
気配で感じる。
さきほどの工場見学で外に出た際に、暑さにやられたようだ。
運転手との会話もなくなった。
市場調査。ワンちゃんにカメラを向けると、自ら座り込み、カメラ目線でポーズを決めてくれた。
ドリトル先生になった気分。
日差しが強く暑すぎるので、そろそろタクシーに戻る。乗車するとすぐに冷房を入れてくれる気の利きっぷり。
2人を待つこと数分。
帰ってきたレベッカの手には、大量のスイカが入ったビニール袋がさげられていた。
この量、確実に1玉分あるな。
そして素手で豪快に食らいつくレベッカ
私にもおすそ分けしてくれた。
甘くておいしい。
何よりレベッカの機嫌が直り、隣から不穏な気配もなくなったので安心だ。
スイカがこんなに好きだったのね。
スイカちゃんは、“お暑いのがお嫌い”というより、単純に“お腹が減っていた”のだ。
そのあとも「スイカいらない?」と訊いてきたが遠慮した。
スイカちゃんの饒舌も復活した。
ふと思ったが、彼らは夫婦ではないんじゃないか?
親子にも見える。
男性側が明らかにおじさんだ。
イタリア代表でユベントスに所属するDFジョルジョ・キエッリーニのような風格である。
いかにも高いニコンの一眼を手に撮影している。
時おり望遠レンズに切り替えては、車内からも撮影を試みる。
趣味の範囲を超えているではないか。
しかし父と娘で旅行しそうな仲睦まじさは今のところ垣間見れていない。
最初にタクシーに乗った時にはキエッリーニが助手席に、スイカちゃんは後部座席に座っていた。
夫婦なら後ろに二人で座っていそうだが。
二人で会話していても、一切笑顔は出ることなくいたって真面目。
ミャンマーに派遣されて来たロシアのスパイなのかもしれない。
ここから舗装されたての道路を走る。
走り続ければいいものを、何度か車を止めてはドアを開け、赤い唾を吐くドライバー。
私は事前の下調べで知っていたが、これが噂の“キンマ”か。
マンダレーでもあちこちでコンクリートが赤く染まっていた。
実際に吐く光景を見るのはこれが初めてである。
私も勧められたが、喫煙もしなければ、アルコールも宴以外の場では一切摂取しない真面目なガキなので丁重に断った。
きっとノリが悪いと認定されただろう。
しかし無理して身体を壊したら洒落にならん。
嫌なものは嫌なんだ。
私とは逆にやはりキエッリーニはたくましかった。
自らすすんでキンマリーニ
ムニャムニャ・キンマリーニ。
こうして飲み会に誘われなくなる私と、毎度誘われるキンマリーニに枝分かれしていくのだな。
人生において選択肢を求められる機会は多い。
思い返すと私はその大半を断ってきた気がする。
これからも“孤高の旅人”として生きて行こう。
キンマとは
東南アジアやインドを主要生産地としている嗜好品。
ヤシ科の植物ビンロウの種子を薄く切ったものをコショウ科の植物キンマの葉にくるみ、少量の石灰と一緒に噛む。
噛んでいる間は渋みが広がり、アルカロイドを含む種子の成分と石灰、唾液の混ざった鮮やかな赤い汁が溜まる。
この赤い唾液は飲み込むと胃を痛める原因になるので吐き出さなくてはならない。
軽い興奮と酩酊効果が得られるが、タバコと同じように慣れてしまうと感覚は鈍る。
最後に噛み残った繊維質も吐き出す。
依存性があり、使用を繰り返すと歯が褐色に変色する。
キンマを取り扱うお店はミャンマーのそこら中に存在する。
台湾でもこの嗜好品が根付いている。
一昔前の台湾では、セクシーな格好をした若い女性がビンロウを売る光景が名物だったのだが、
法規制が入ったため今では見られない、しかしきっといるだろう。
一定間隔で「ふぅぅぅぅぅ~~~~」という叫び声が聴こえた。
かなりの人数が続く。
その道路を猛スピードで駆け抜けるため、少し開いた窓から叫び声がリズミカルに途絶えることなく聴こえる。
スピードに目が追い付かなかったため、最初は何が起きているのか理解ができなかった。
非日常的光景に思わず笑ってしまった。
よく見ると、子供もお年寄りも手を突き出している。
物乞いではないか。笑いごとではなくなった。
基本は通り過ぎるのだが、ドライバーキエッリーニキンマーを吐き出す時だけ停止した。
ドアを開け、吐き出す。そして閉める。
その時だった。
一人のお婆さんが近寄ってきた。
ドライバーは窓をおろし、お金を手渡した。
ふと、『モーター・サイクル・ダイアリーズ』(2004)の若きエルネスト・ゲバラを思い出した。
生まれる環境の違いが生み出す現実は残酷である。
それでも生きていくしかない。
人は過酷な現実を自分の目で見てこそ意識が変わる。
行動するかどうかは自分次第。
チェ・ゲバラはこう言った。
明日死ぬとしたら、生き方が変わるのか?
あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なのか。
未来のために今を耐えるのではなく、未来のために今を楽しく生きるのだ。
道路を舗装する労働者たち。
物乞いの人たちはここに住んでいるのか。
十分な食事はあるのだろうか。
突然寺院が現れた。
その先の曲がりくねった坂道を思い切り上る。
左は崖である。
片道1車線でそんなにスピード出して大丈夫?
と思った瞬間にカーブの死角から対向車のバスが現れた時は焦りました。見えた。あれがポッパ山
ミャンマーで1番訪れたかった秘境。
ポッパ山とは
25万年前に活動を停止した標高1,518mの死火山。
この山の麓にあるタウン・カラッと呼ばれる標高737mの岩峰はその特異な外観のため、古くパガン王朝の時代よりミャンマーの土着宗教であるナッ神信仰の聖地とされてきた。
「ポッパ」とはサンスクリット語で、“花のあふれた”という意味がある。
ポッパ山周辺は緑豊かな木々に覆われ、種々多様な動植物の宝庫となっている。
天然の泉は100以上あり、その豊かな水源から麓のチャウッパダウンまで、日本の援助によるパイプラインで送水されている。
(参照:地球の歩き方)
車はここで止まり、ここから歩いてあの山の上にある寺院に向かう。
自分があそこからこちらを見渡す画が浮かばない。
最大限のズーム。
ドライバーに1時間45分時間をもらい、ここからは自由行動。
ここからがキツイ。ブティックやお土産屋さんがあるが、これといって欲しいものがない。
ポッパ山の置物があれば欲しいが、全くない。
観光客向けではない。
何より、店員さんが積極的ではない。
子供たちは少し怪しむようにこちらを見る。
遠い。
お寺。ミンガラバー。暑すぎる。こりゃ帰りがキツイ。
ポッパ山から帰ってきた人(写真、階段を登る女性)が、物凄くしんどそうにゼーゼー言いながら下を向いて登っている。
挨拶を交わす。
NJ
NJ

大丈夫ですか?凄い疲れてるように見えるけど。

行きは楽だけど、帰りのこの階段が一番シンドイよ。

こりゃ身が引き締まりますね。

少し近づいた。

ようやく麓付近に。
地元の方も多いのですね。
観光地化はされておらず雰囲気がいい。
麓から頂上の寺院までは20分くらいで着けるらしい。
登りましょう!
次回予告:猿!糞!足!ウェットティッシュ!

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