忘れてた記憶が蘇る
わんぱくデニス
リチャード・ベイン
クリストファー・ロイド
ジョーン・プロウライト
一行粗筋
ほのぼの感想あるいは解説
本作は映画になる前に、もともとはテレビドラマとして1959年から1963年まで放送されていました。
その後、1981年に短編アニメ、1986年から1988年までアニメシリーズが放送され、1987年に長編映画、そして本作を挟み、1998年に続編も公開されるなど、キャストを変えて何度も映像化されている人気な題材です。
1993年に公開された本作は『ブレックファスト・クラブ』(1985)や『フェリスはある朝、突然に』(1986)などの、アメリカ青春映画のテンプレートを築きあげたジョン・ヒューズ監督が脚本を務めています。
彼が本作のように監督ではなく脚本を務めた作品だと『ホームアローン』(1990)が有名です。
まさに本作はあの映画と似たような展開で進んでいきます。
つまり、わんぱく小僧が大人と対峙して翻弄していく。
ザ・娯楽作。
本作の監督のニック・キャッスルは俳優としても活動しており、ジョン・カーペンター監督の『ハロウィン』(1978)と正統続編『ハロウィン』(2018)でマイケル・マイヤーズを演じていた人物。
また、同監督の『ニューヨーク1997』(1981)では共同脚本を務めています。
多才ですね。
本作のメインとなるデニスとウォルター・マッソー演じる偏屈な隣人のおじさんとの関係は、
近年ですと『ヴィンセントが教えてくれたこと』(2014)の少年とビル・マーレイおじさんとの関係に受け継がれているのではないかと思います。
本作は終始キューピーちゃんのような見た目のデニスに癒され、やんちゃないたずらに笑わされる。
キューピーちゃんで思い出しましたが、小学生か中学生の頃に誰だったか女の子に、確か初対面で「キューピーちゃんに似てるね」って言われてめっちゃ嫌だったのを思い出しました。
自分がデニスを観てキューピーちゃんに似てるなって思っているのもなんだか気持ち悪くなってきたのですが、この映画を観るまで思い出すことのなかった、その記憶が眠っていた年月の長さにも驚いております。
たぶん同じクラスの女子だった気がするのですが、その後も、その子が僕が他の人達と話しているところに介入してきた時に、なんか言いたそうにしながら僕の顔を見ているわけです。
そして会話が終わった隙を見て、周りの子に「キューピーちゃんに似てるよね」って言うんです。
正直こっちは「この人絶対キューピーちゃんに似てること伝えに来ただけじゃん」ってうっすら予感はしているわけですが。
どんだけキューピーちゃん推しなんだこの人って思って、確か会う度にそれを言っていじられてたから避けてた気がします。言われても苦笑いするしかないのだから。
あの子の名前も顔も思い出せない。この機会に記憶を探ってみて、たぶんあの人かなぁって気はしますが。
日本では観光地のギフトショップにご当地キューピーちゃんが売られていますが、それも見るのを避けてました。
それくらいキューピーちゃんを敵対視していましたが、本作の鑑賞を機に旧友くらいのほどに身近には感じられるようになりました。
そんなキューピーちゃんのようなデニス役には2000人以上の子供たちがオーディションを受け、そこから10人に絞られてから隣人のおじさん役のウォルター・マッソーとともに演じる最終審査を受けました。
同役を射止めたメイソン・ギャンブルはオーディションの際に、ポケットから生きているミミズを取り出して見せてきたことが決定打となり、キャスティングディレクターによって抜擢されたといいいます。
ちなみにメイソン・ギャンブルは現在35歳。
本作は他のキャストも魅力的で、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985)でお馴染みのドク役クリストファー・ロイドが悪役で出演しているほか、
同作で主人公マーティーの母親ロレイン役を務めたリー・トンプソンが本作でもデニスの母親役を務めています。
以上!
一言教訓
明日自慢できるトリビア
デニス役のメイソン・ギャンブルは第15回ゴールデンラズベリー最低新人賞にノミネートされてしまったが、同年のヤング・アーティスト賞は受賞している。