テンポが良すぎて頭スッキリ
ゾンビランド:ダブルタップ
ジェシー・アイゼンバーグ
エマ・ストーン
アビゲイル・ブレスリン
ポール・ワーニック
デヴィッド・キャラハム
ほのぼの感想&解説
私は、この数時間前に『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のエクステンデッド版を鑑賞していました。
劇場公開版にカットされたシーンをお腹いっぱいなくらい追加しているものなのだが、
なんと最後の最後で“トゥインキー”のCMが放送されたのだ。
こりゃたまげました。
と思っていたら、劇中でチャールズ・マンソンがポランスキー宅にやってくるときに乗っていた車も、トゥインキーのワゴンでした。
そのあと鑑賞した『ゾンビランド:ダブルタップ』には、前作に出てきたタラハシーの大好物であるそれは登場しませんでした。出てこないんかい!
以上、不思議な縁を感じた瞬間でした。
前作では13歳の子供だったアビゲイル・ブレスリンは23歳になり、身体つきも大きくなり勇ましくなった。
エマさんはおでこを出していた方が可愛くて好きです。
そんな2作目は、ジェシー・アイゼンバーグの弾丸トークどころか、
全員次から次へと会話の弾丸が飛び交って忙しい。
そして展開も登場人物の切り替えの早さが異常で、悲しいことも観客が共感する前に、悲しむ暇もなく次へと進む。
こんなにテンポがいい映画も珍しい。
上映時間も99分なので余計それを感じてしまう。
アクションも大いにあり、細かいことも気にさせない演出も見事。
娯楽作として思う存分楽しめる。
11月にクリスマスパーティーをしちゃうタラハシー。
『ゾンビランド』といえば、有名人お宅訪問ですね。
前作では俳優のビル・マーレイん家。
今回はホワイトハウスとエルヴィスん家にお邪魔します。
たしかにこんな世紀末を迎えたら、絶対に私もやりますよ。
ディズニーランド人集まりそうだな。
私は飛行機がまだ運行している時期にアメリカに渡って、
ルーカスフィルムかジョージ・ルーカスの家に行って、
『スターウォーズ』の1977年劇場公開版のフィルムを頂きに行こう。
しかしこれは考える人が多そうだ。
ホワイトハウスは甲子園みたいになってましたね。
なんかコロンバスとタラハシーのそっくりさんも出てくる展開に。
ルーク・ウィルソン(右の俳優)のウディ・ハレルソンのモノマネが見事で感心してしまいました。
しかし二人とも案の定すぐ死にます。
エマ・ストーンに突然の別れを告げられたジェシーは、
ショッピングモールで出会った典型的キューティー・ブロンドと付き合うことにした。
イライラさせられるだろうと思っていたら、意外なことにこのおバカ天然キャラがいい味出してハマってしまった。
こんな状況でもずっとお気楽で能天気な人は得をしますね。
嫌味がないのもよかったですね。
今回73にもルールが増えていることが判明しますが、
せっかくルールに縛られない世界になったのにもかかわらず、
ルールなんて作ってしまうのは、この子を見ているとよりアホらしく感じてしまいますね。
そんなピンクガールを演じているのはゾーイ・ドゥイッチ。
彼女の母は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985)の主人公マーティの母親ロレインを演じたリー・トンプソン。
父は、トンプソンも出演した『恋しくて』(1987)や、『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』(1986)のハワード・ドゥイッチ監督である。
話は変わり、本作のゾンビですが、腐ったゾンビらしからぬ進化を始めたようで走って襲ってきます。
『28日後…』(2002)からお馴染みになったタイプのゾンビですね。
そんな追いかけてくるゾンビをジェシー演じるコロンバスは“T-800”と呼んでいます。
もちろん『ターミネーター』(1984)のことです。
ちなみにコロンバスにそっくりなやつは、続編の『ターミネーター2』(1991)が好きなようです。
私が今回最もお気に入りのシーンがあります。
そっくりさんの二人が感染して、エルヴィス・プレスリーが亡くなった邸宅グレイスランドで暴れ回るわけですが、その一連の戦いからの最後に、エマ・ストーン演じるウィチタのそっくりさん的役割の新キャラ、ネバダが銃でとどめを刺す時に一言格好よく言い放つんです。
「Hasta La Vista, Baby」
こりゃ鳥肌。
だって同時期に公開された『ターミネーター:ニュー・フェイト』ではこの重要なセリフを一度も言わないんですよ。
せっかくリンダ・ハミルトンがサラ・コナーに復帰したのに。
シュワちゃんもカールとかいう関係ない人だし。
まさかのまさかで『ゾンビランド』でそれが聞けるとは!
トゥインキーは出てこないのに、この辺はちゃっかりしてまんな!
何だか今年の総決算のような映画ですね。
もうこの作品を『T2』の正式な続編ってことでいいかしら。
ゾンビが出現する時系列も悪くないでしょ。
どうせ失敗してもやり直すんだから。
ネバダ役を演じたロザリオ・ドーソンは、タランティーノ監督作『デス・プルーフ』(2007)のあの3人組の中の1人だったんですね。
どおりで強いわけだ。
3人組のもう1名で車のボンネットにつかまり凄まじいアクションをこなしている女優さんは、本職がスタントマンでタランティーノの『キル・ビル』(2003,2004)でユマ・サーマンのスタントもしていたゾーイ・ベルって方なんですが、彼女は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でカート・ラッセルの女房役で出演してましたね。
そして『デス・プルーフ』でボコボコされたカート・ラッセルを尻に敷いているという設定も面白かった。
今回、アビアビゲイル・ブレスリン演じるリトルロックは、道中で出会ったヒッピーのインド人のバークレーに惹かれるわけですが、劇中ずっと気になっていたのだが、
この俳優さんゼインかと思いました、元One Directionの。
いつの間に俳優業もやってたんだと思ったら、
ちょくちょく似ている角度があるだけで、
やはり別人、アヴァン・ジョーギアという人。
いや、男前すぎるだろ!!
惚れたぜ!
これからくるでしょうねこの人。
そしてそして4人はヒッピーが集まるコミュニティに辿り着く。
『ウォーキング・デッド』の原作コミックを読んでコロンバスが「実際はこんなんじゃないよ~」って言ってたけれど、この展開は『ウォーキング・デッド』っぽい。
そしてヒッピーといえば、やはり『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』。
ここまで似たような要素を入れてくるなんて狙ってやっているな。
これは2本立てで見た甲斐がありました。
前作でメイクをしてゾンビになりきりドッキリを仕掛けたら、銃弾を浴びてお亡くなりになった俳優ビル・マーレイ。
今回は、そんな事実が都市伝説となって広まり、ゾンビだと思って誤って人間を殺してしまうことを“マーレる”という。
そんな造語までできてしまったくらいの影響力を持つマーレられたマーレイおじさん。
続編にもキャスティングされていたため、ゾンビとして蘇って登場するのかとてっきり思っていた。
本作でショッピングモールを訪れた際、『ガーフィールド3』のポスターが貼られていたではないか。
いつの間に公開したんだ??
『ガーフィールド』とは2004年に1作目、2006年に2作目が公開され、
マーレイが主人公の猫の声優を務めた映画である。
本人も駄作とほのめかしている感じもある作品。
こんな感じでネタにされているので察してくださいということです。
そんな3作目が『ゾンビランド』内では公開されていたのだ。
ビルおじさんは死んだし、声優は変わったのだろうか。
と一瞬思ったが、そんなわけはない。
なぜなら2009年にパンデミックが起こっているのだから。
その時点で公開されていたのだ!
出てこないのかなぁと思っていると、
映画の最後に私の大好きなビル・マーレイが満を持して登場したのだ。
2009年の『ガーフィールド3』のインタビュー時の映像である。
その際にインタビュアーが感染し、スタジオにゾンビが襲ってきてビルおじさんも戦おうとして映画は終了。
と思ったら、エンドロール後に毛玉を口から出そうとするマーレイおじさんが再び登場して、
本当のエンディング。
それにしても前作で4人が出会った時には人間のままだったので、
あの状況を生き抜いたなんてさすがはビル・マーレイ。
しかしながら、私が知っているビルよりもヨボヨボのおじいちゃんになっていたので少し悲しかった。
2014年の『ヴィンセントが教えてくれたこと』以来、私はしっかりビル・マーレイを見ていなかった。
ちなみに主人公の男の子は、
『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(2017)のビル役のジェイデン・マーテル君である。
すっかり大きくなって!
ビル・マーレイは現在69歳。
これからもヤサグレじじいを演じて楽しませてほしい。
明日自慢できるトリビア
魅惑の深海コーナー
マフィアの雇われ殺し屋の父と、弁護士秘書の母の間に生まれる。
父チャールズは1968年と1978年に殺人を犯し(1978年の事件は連邦判事を銃殺)、終身刑となり、服役中に死去。
父はまた、ジョン・F・ケネディ暗殺の実行者の一人と名乗っていたこともある。
演技の実力はあるものの、数々の問題行動を起こすことでも有名。
1983年、道路で踊り狂い交通渋滞を引き起こした上に警官を殴って逮捕されたのを皮切りに、1996年にマリファナを栽培して逮捕、同じ年には環境保護を訴えてゴールデンゲートブリッジに登り逮捕、
2002年にはロンドンでタクシーの後部座席を破壊して逮捕されている。
2009年には空港でパパラッチを殴るという事件を起こしたが、パパラッチがゾンビに見えたと釈明した。
また、環境保護運動家、反戦活動家、ヨガのインストラクターと様々な顔を持っているが、とりわけ大麻合法化活動家として有名である。
私生活では、1985年にニール・サイモンの娘で歌手のナンシー・サイモンと結婚したが入籍翌日に離婚を申請。10ヶ月後に正式に離婚した。1987年テレビ番組の撮影現場で出会った元アシスタントのローラ・ルイと交際、デニ、ゾーイ、マカーニの3人の娘がいる。一家揃ってコスタリカで原始的な暮らしをしている。