『ねらわれた学園』(1981)~アイドル薬師丸ひろ子の戦隊もの~

邦画紀行
日本の映画もいいもんだ。
心に残る邦画をネタバレ込みで簡潔にさらっと紹介するコーナー。
さぁ日本の映画界を盛り上げようではないか!
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たまらない子犬感

ねらわれた学園

英題
The Aimed School
公開
1981年
製作国
日本
製作
逸見稔
稲葉清治
原作
眉村卓
監督
大林宣彦
脚本
葉村彰子
出演
薬師丸ひろ子
高柳良一
編集
PSCエディティングルーム
音楽
松任谷正隆
撮影
阪本善尚
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一言粗筋

超能力を使える女子高生が学園を狙う悪と戦う物語。

ほのぼの感想あるいは解説

You don’t have to worry worry 守ぉってーあげーたいー♪

ユーミンの名曲とともに始まる薬師丸ひろ子主演の角川アイドル映画である。

薬師丸ひろ子演じる女子高生は時間を止めたり戻すことができる能力を持っている。

もちろん彼女が主演で『超能力学園Z』(1982)のようにエロに能力を使うわけもないのですが、冒頭の女子高生のスカートの中を堂々と覗く小学生たちの描写が期待を煽る。うん、その期待はそのまま持ち越されました。

その能力を身につけるきっかけも描かれなければ、能力の使い方が周りの人を救うためだけに使われたりと、とにかく主演のひろ子が汚れないよう話が進んでいく。

後半は学園を狙いに来た転校生の女子がやってきまして、見た目は人間なんですが、宇宙人かなんかが乗っ取った?のか、その方も能力を持っていまして、詳細は分からないのですが描写的に相手を苦しめる能力のようだ。

その能力を使うシーンの特撮が戦隊もののようで、コミカルで緩いんですね。

アイドル映画っていちいち批判するよりも、身を託してその雰囲気を楽しむ方が楽しみ方としては合ってますね。

そのため、この映画の魅力は何といっても薬師丸ひろ子さん!

大林宣彦監督はこう語っている。

「日本映画は当時とても寂しかったんです。黒澤明さんもお金がかかりすぎて映画を作れない。一方で、黒木和雄さんのようなアート映画も商売にならないと映画を作れなかった。そこで春樹さんはハリウッド映画が大好きな世代なのもあって、観れば楽しいけどすぐ忘れてしまうようなプログラムピクチュアをやってはどうか、アイドルがいればプログラムピクチュアはできると。当時、薬師丸ひろ子ちゃんは角川映画の大作の『女優』だったんです。すぐれた少女女優でしたが、今一つブレイクし切れなかったところに春樹さんから『大林さん、ひろ子をアイドルにできませんか?』と言われたんです。そうして撮ることになったわけですが、これはひたすらワッペンのようにひろ子ちゃんのかわいい顔が出てきて、あとは訳の分からない映像でめくるめくアイドル映画というつもりで作りました」
引用:シネマトゥデイ

わたくし個人的にショートカットの女子が大好きでして、『セーラー服と機関銃』の薬師丸ひろ子さんも好きなのですが、本作の聖子ちゃんカットもめちゃくちゃ可愛い!!

『セーラー服と機関銃』1981年の12月19日に公開されて、本作は少し早い7月11日に公開されたんですね。

わたくし男ですが、聖子ちゃんカットを目指したこともあり、しかし襟足が鬱陶しくなり伸びきる前に断髪してしまいました。

今年こそ目指したいと思います。

さらに、ひろ子の魅力はあの子犬顔ですね。

あんな寂しげな目で見つめられたらたまりません。

小動物系が大好きです。そんな顔して性格が捻くれていたらそのギャップがさらにたまりません。

そして右目の下のほくろがチャーミング。

やっぱり80年代っていいなぁ。

昭和のアイドルは何であんなにも魅力的で可愛いのだろうか。

見る者を圧倒する華を持っている人が多い。まさに選ばれし者。

正直、映画の内容よりも薬師丸ひろ子に釘付けで、彼女のミュージックビデオ的作品。

あの頃のひろ子に会いたくなったら、この作品をまた観に来ます。

内容はイマイチでも何度も観たくなってしまうのが、アイドル映画。

リラクゼーション効果があるんでしょうね。

アイドルってそういうものです。

大林監督もこう語っている。

「女優は化けるもの。高峰秀子さんも原節子さんも、100本以上の出演作がありますが、同じメイクで出た映画は一本もありません。映画に出るたびに、その役に合わせてメイクをするし、時には歯も抜くし、体重を10キロ減らしたり増やしたり、つまり自分ではない人の人生を生きるのが女優です。一方、アイドルは、本人のままで出るもの。だからいい悪いでなく、まったく役割が違うんです」
引用:シネマトゥデイ

アイドルは年齢が重要ですね。

その時しか撮れない顔がある。

だからこそ、時をかけてでもその顔目当てで観たくなる。それがアイドル映画。

もちろん『あまちゃん』の薬師丸ひろ子さんも大好きです。

女優へと脱却するアイドルも魅力的ですし、アイドル女優も魅力的、それぞれに良さがあるのです。

一言教訓

平和な超能力の使い方もある

明日自慢できるトリビア

本作は約12億6,700万円の大ヒットを記録したものの、当時、評論家からは全く評価されなかった一方で、若い世代には支持され、全国のキャンペーンを通じて瞬く間に人気が出て来た。

大林監督はこう語る。

「当時は唾をはきかけられるような映画でした。だけど、なぜか若い子はついてきてくれたんですよね。と同時に、六大都市をキャンペーンでまわりましたから、行く先々で日ごとに人が増えて、駅のホームまで人であふれかえるようになって、ひろ子ちゃん目当てのお客さんが増えていったんです」

参照サイト: シネマトゥデイ 

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