映画紀行
映画を見れば誰かと共有して話したくなる。
しかし話す人がいない。
そんな映画愛好家は世界中に山ほどいることだろう。
私もその一人。
そこで私は独自の感想をネタバレ含んでただただ長々と述べる自己満駄話映画コーナーを創設した。
お役に立つ情報は一切なし!
しかし最後まで読めばきっとその映画を見たくなることでしょう。
さぁ集まれ映画好きよ!
世界中が映画を好きになぁれ~♪
今宵の映画は…
NJ
出典:IMDb『Wonder』(2017)
ワンダー 君は太陽
原題
Wonder
公開
2017年
製作国
アメリカ
監督
スティーブン・チョボスキー
『ウォールフラワー(2012)』
出演
ジェイコブ・トレンブレイ
『ルーム(2015)』
ジュリア・ロバーツ
『プリティ・ウーマン(1990)』
オーウェン・ウィルソン
『エネミーライン(2001)』
脚本
ジャック・ソーン
スティーブン・コンラッド
『LIFE!(2013)』
スティーブン・チョボスキー
原作
R・J・パラシオ
音楽
マーセロ・サーヴォス
撮影
ドン・バージェス
『フォレスト・ガンプ(1994)』『コンタクト(1997)』『キャスト・アウェイ(2000)』
生まれつき顔に障害を抱えたスターウォーズ好きの少年が、
自身と周りの人を成長させていくお話。
ほのぼの感想&解説
映画で病ものを扱う時、その病をもつ主人公のみに焦点をあてる。
それは他の人々を描くと時間もかかるし、主題がボヤけて話がまとまりにくくなるからであろう。
しかし、本作はオギーのことを描きつつ、次に姉に焦点を当て姉側の視点から見た家族、友人が描かれ、彼女が悩んでいる姿をみることになる。
ここで思春期の学生特有のあるあるが表現され、青春映画の要素が加わる。
そしてこれを機に次々とドキュメンタリーのように登場人物の心情が描かれるため共感を生む。
この映画の虜になる。
見終わってから知ったこと。
それは、監督が
スティーブン・チョボスキー。
あの大傑作青春映画
『ウォールフラワー』(2012)
の監督であり、原作者。
私も公開以来毎年鑑賞している作品。
事前情報をいれないでなんとなく見に行った私がバカであった。
この監督と知っていれば初日にいっただろう。
登場人物紹介
【オギー】
“自分は普通の子どもではない”と思っている10歳の少年。
スターウォーズと科学が大好き。
姉の親友から誕生日プレゼントにもらった宇宙ヘルメットがお気に入り。
母親のもとで自宅教育を受けるが、学校へ通うことを決意。
特別支援ではなく、自分以外“普通の子”が通う学校に。
【ヴィア】
オギーの姉。
高校生。
両親がオギーに過保護なため、
悩みを打ち明ける時間もなく相手もいなく孤独を感じている。
純粋。
キャリーマリガン系顔。
スーパーガール。
【イザベル】
オギーの母。
オギーをいつも最優先にして行動する。
美術研究の論文も中断している。
【ネイト】
オギーの父。
いつもの優しいオーウェン・ウィルソン。
【ジャック・ウィル】
オギーの親友。
奨学金で学校に通う母子家庭。
奨学生でもあるため母親に言われ仕方なくオギーの校内案内を務める。
“自分があの顔だったら自殺してるね”
とクラスメイトに話しているところをオギーに聞かれ、
それから無視されてしまう。
ジャックウィル自身グループから省かれたくないから言ってしまった一言。
親友との喧嘩という転機により、オギーとの友情の重要性に気付き自分を見つめ直す。
その後今時な方法で仲直り。
【ジュリアン】
御坊ちゃま。
嫌な奴。
ジャスティン・ビーバー。
スターウォーズ好きなオギーに「一番好きなキャラはパルパティーンだろ?」と嫌味。
そして皇帝がまさかの登場(笑)
最後の終業式で最優秀生徒賞(的な賞)を受賞したオギーに対して笑顔で拍手していたのが印象的。
認めた証。
そしてこの子役、『僕のワンダフルライフ』の子!
素直でいい子だったのに!!
【シャーロット】
バービー人形。
自分を目立たせ輝かせることだけに必死な女の子。
そのためオギーに対して偏見も特にない。
つまり周りに興味はない。
【ブラウン先生】
ボブ・マーリー。
良い先生。うん。
【サマー】
オギーのクラスメイト。
強気。
オギーとジャックウィルが喧嘩中に独りぼっちでランチをしていたオギーのもとへ、
ガールズグループから離脱して自ら近づき仲良くなる。
【ミランダ】
ヴィアの親友。
夏休みが明け高校デビューを果たす。
今まで仲良かったヴィアとは絶縁してツンツン状態。
しかし、そのツンの裏には家庭での問題が。
孤独を感じ、幸せそうなヴィア・ファミリーを羨ましく思っていた。
オギーを実の弟のように可愛がり、彼の両親に対しても肉親のように愛情を感じていた。
ヴィアとはその後仲直り。
【ジャスティン】
ヴィアのボーイフレンド。
優男。
積極的。
一人っ子推し。
御坊ちゃま。
ビーバーじゃないよ。
【チューバッカ】
事前情報を入れていなかったため驚いた。
登場のタイミングがまたいいこと!
スターウォーズ愛を感じる映画。
泣いていない時間の方が短い。
冒頭のナレーション
はやっ!(笑)
しかし、「僕は“普通”じゃないんだ。」と自覚するオギーに涙。
大丈夫だオギー。
誰しも“普通”じゃない。
“普通”とは個性が無い事。
つまらない。
少なくとも「俺は“普通”だ」なんて言ってる奴は本当に“普通”じゃない方の“普通”じゃない。
“普通”じゃないと自覚している人はそのままでいいのだ。
みなそれぞれの容姿があり、生き方がある。
“普通”という単語は実に都合のいいものである。
辞書で引くと、
“いつ、どこにでもあるような、ありふれたものであること。
他と特に異なる性質を持ってはいないさま。”
と記載されている。
そんなやつ人間界にいるわけない。
つまり“普通”な人などいない。
自分をさらけ出さず感情を表に出さないのが普通なのだとしたら、
そんな世界などガン=カタで成敗してやる!
『THX:1138』(1971)のような世界を望むかい?
みんな普通じゃないから誰かに恋に落ちる。
いいことを言ったので今日もガン=カタの練習に励もう。
パダワンブレード断髪
スターウォーズが大好きなオギーは、
パダワンのジェダイがしているちょい三つ編みヘアー“パダワンブレード”を真似していた。
しかしジャスティン・ビーバーことジュリアンに馬鹿にされたことにより、
帰宅後ハサミでばっさりと切ってしまう。
スターウォーズファンとしては泣けるシーン。
そしてジュリアンが憎くなるシーン。
ダークサイドには堕ちない強き心を持つオギー。
家族トラブルから、かつての親友ヴィアの家族との日々が恋しくなったミランダ。
ヴィアを傷つけてしまったため直接謝ることができないミランダ。
そこで電話した先はオギーの携帯。
オギーも大好きなヴィアからの久々の連絡に喜ぶ。
泣きながら私から電話があったことをヴィアに伝えてと言うミランダ。
ミランダも辛かったんだよ。とわたくし再び涙。
マインクラフトで仲直り
オギーとジャックウィルが仲違い後に、
オギーがマインクラフトをしているとオンライン通信でジャックが現れる。
そしてゲーム内のメッセージでやりとりをする。
ジャック:何で無視するの?ぼくなんかしたかい?
オギー:僕の顔だったら自殺するんだろ?
ジャック:(全てに気付き)あっごめん。本当にごめん。
オギー:いいよ。
ジャック:ジュリアンみたいになっちゃったら自殺する。
オギー:(笑)
ジャック:もう1回友達になってくれる?
オギー:オーケイ。
※正確には覚えてません。思い出すだけで泣けてくるシーン。
現代的仲直りに微笑ましい。
弱るデイジー。
病院へ連れて行くも帰らぬ犬に。
そこでも涙が出るのだが、その日と思われる夜に、
オーウェン・ウィルソン演じる父親が、
一人でリビングで泣いているところに、
オギーがやってきて抱きしめるシーンがもうダメ。
飼っていたペットが亡くなる家族なんです。
主題はオギーではなく彼も含めた家族なんです。
1つの家族を描いたヒューマンドラマ。
だから見た目がどうのこうので差別や侮辱するのはもう論外ですね。
この世に生まれたことに感謝。
オギママウォーキングスルー
いつものように学校に送り迎えに来る心配性のオギーの母。
「今日も迎えに来たわよ。」
ん?
オギー:「彼はジャック。一緒に帰るからバイバーイ。」
楽しそうに二人で歩く後ろ姿をなんとも言えない表情でみるジュリアロバーツに涙。
友達出来たのね。よかったよかった本当に。
と心の声が聴こえる。
ジュリアングループの体格のいいエイモス。
最後の最後でピンチのオギーを助けいい奴に転換。
『スタンド・バイ・ミー』や『IT』のような青春展開。
海を眺める彼らの後ろ姿に涙。
トリビア
(1)原作者のR・J・パラシオがカメオ出演している。
最後の卒業式シーンにて観衆の中に混じっている。
ジャックウィルの母の隣に座っている。
(2)意外とジュリア・ロバーツとオーウェン・ウィルソンは初共演。
ちなみに両者とも左利きである。左利きなのに初共演。左利きなのに。
(3)原作者のパラシオはとある実体験からインスピレーションを受けこの話を書いた。
それは彼女が息子をアイスクリーム屋さんに連れて行った時のことだった。
そこにはオギーと同じトリーチャーコリンズ症候群の男の子がいた。
彼の外見を見て息子はわめいてしまったそうだ。
この話は劇中でも使われている。
ジャックウィルの母が、なぜオギーを快く迎え入れることが重要なことなのかを息子に思い起こさせるシーンで。
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