~我、秘境に来たりし旅~
マンダレーのキャリー
未だ開発途上の地域の多いミャンマー。
この国には“秘境”とされる地が多い。
そんな未知なる大地に足跡を残そうではないか。
タイ・ドンムアン国際空港からミャンマー・マンダレー国際空港までは飛行機で1時間ほど。
今回の旅はマンダレーから、世界遺産バガン、都市ヤンゴンと南下していく予定。
そして終盤はビーチで締める。
これぞ敬虔な仏教国。
マンダレーはヤンゴンに次ぐミャンマー第2の大都市。イギリスに占領される前までこの国最後の王朝がおかれていた。1752年にアラウンパヤー王が開いたコンバウン朝(アラウンパヤー朝)の後を継いで、1858年に即位したミンドン王は、首都を当時のアマラプラからマンダレーへ移すことを決定し、1857年から建設が開始された。当時インドを拠点にして東方への進出を狙っていたイギリスがミャンマーへの侵略を始め、ヤンゴンを占領、さらにモウラミャイン、マルタバン(モッタマ)、パテイン、ピイ(プローム)も次々に占領されていった。1878年にミンドン王はこの世を去り、ティーボー王が即位。王は外交そっちのけで瞑想に耽っていた。このような状況下にイギリスはビルマの侵略を続け、1885年にはとうとうマンダレーを占領、ティーボー王を捕らえてインドへと追放する(現在でもインドのラトナギリに王の子孫が暮らしている)。この町はわずか26年で王都としての幕を閉じた。ミンドン王が君臨した期間は短かったが、彼は仏塔や寺院を精力的に建て、次々と目を見張るような壮大な建物を建てた。現在マンダレーに残っているようなおもな仏塔や寺院は、ほとんどがミンドン王時代にものである。(参照:地球の歩き方)
1,000チャット≒80円
ホテルまで1時間ほど。
この距離をわずか300円で移動できるのは、余分な労力も使わずに安心して行けるので気楽。
出だしは順調。
バスもすぐに乗ることができた。
私には彼女に上から豚の血を浴びせた覚えはないんだけどなぁ。
ここから私と“マンダレーのキャリー”との戦闘が火花を散らす。
そしてサイコキネシスの使い手と1時間に及ぶ長期戦へ。
鼻血を出していないので、どうやら『ストレンジャー・シングス』のイレブンではないようだ。
この子の隣にお母さんとお父さんがいるのだが、様子を見る限りまだ喋れなさそう。
そのため、とにかく見つめてくるのが彼女の戦闘方法。
それならこっちは『スキャナーズ』(1981)で対抗だ。
しかし30分ほど経っただろうか。
ホームアローンをするまでに打ち解けた。
こちらが眉をしかめると、彼女も同じ仕草をする。
目を見開くと、彼女も目を見開く。
完全なるシンクロ。
二人でブロードウェイを目指そうか?
ついにプロムでクイーンになった時点のキャリーに戻ってくれて安心です。
逆再生で流したキャリーですね。
言い換えれば『メメント』(2000)ですね。
ちなみにあの映画のDVDには、特典として通常時系列に組み直したバージョンが入っているけれど、ただの犯行で終わってしまうので、映画としての面白さは皆無になります。
忘れた頃の逆再生映画は魅力的。
その後も攻防は続き、舌をペロペロと出して挑発してくるではないか。
こっちもベーっとやり返す。
しかし突如私の腕を引っ張り、口元に持っていってはペロッと舐め始めた!
突然すぎてさすがに引いてしまった。
なんて積極的な求愛行動。
小学生、中学生の頃だったら、こんな積極的な女の子は何人もいたのであの頃が懐かしい。
さすがに舐められはしてないが。
しかし私は君より、君が思ってるより遥かにおっさんだ。
君にお似合いの王子様が現れることを願っている。
その際はペロペロは控えめに。
その後、自分用のピンクの小さなポーチについていたユニコーンの人形キーホルダーを見せてくれた。
くれるのかと思ったらそうではないらしい(笑)
そのくせ、わたしのリュックやペットボトルホルダーを奪おうと試みる。
そして私の足を思い切り掴みながら痛めつけてくる。
ハイタッチを求められた(しないといつまでも手を開いている)ので、手を広げると永遠にバシバシ叩いてくる。
この歳で男の扱い方も知っているツンデレキャリー。
こやつは将来大物になるな。
君の成功を祈っています。
私のホテルの方が先に着いたため、キャリーちゃんとはここでお別れ。
ご家族に軽く会釈をして下車。
別れはいつも突然だ。
お元気で、キャリー。
ヒッチコックの世界を体験できる螺旋階段。
めまいを起こしたくなーる。
1つ降りると、まさかの赤い部屋発見!
ツイン・ピークスの世界へようこそ。
軽い気持ちでサイクリングに出たはいいが、バイクと車がギリギリの距離で走り去っていくため慣れるまで怖い。
結構な頻度でクラクションが鳴りまくるが、ミャンマーではこれが他者への気配りの合図だということが次第にわかった。
追い越す時には必ず鳴らしている。
そのため私もベルを鳴らしまくり、自分の存在をアピールして安全第一で運転する。
意外と交通面はしっかりしているのかもしれない。
それにしても道路がボコボコなので注意して走らなければならない。
大きめな穴も多い。
そして砂埃がかなり舞うので、タオルやバンダナで口を覆うのがおすすめ。
結構な距離だが、ひたすらまっすぐ進めば旧王宮に辿り着く。
この信号を渡ると旧王宮の入り口だったのだが、そこは残念ながら現地民専用の入口。
軍人に引き返すよう言われる。
ガイドブックにも外国人は東口からしか入れないと書いてあったが、ここは東ではなかったようだ。
そして東口に向かって漕いで漕いで漕ぎまくる。
この正方形のスペースが王宮なのですが、実際に見ると想定外の広さに圧倒され、次の入口に着く気配すらしない。
早いとこ諦めてホテルに戻る。
ホテルのボーイには、王宮ならあっちに行けば着くよと軽く言われたが、
それはあの現地民入口の事だったのだろう。
まぁ外から見れたしいっか!
前向きに退却。
ホテルに帰った後、テレビをつけると画質が凄い。
演出の一部だろうか。
ミャンマー版のど自慢。
ミャンマーのデジモン。
チャンネルを変え続けると、まさかの『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)が放映されていた。
映りは悪いし、上映中に画面に宣伝テロップが入りまくるが、見入ってしまうのがマーベルの魅力。
クイルがサノスに中指を立てるシーンで指にモザイクが入っていた。
国によってはこういうところを修正するのかと興味深い。
マーベルはミャンマーでも人気があるのでしょうか、毎週土曜日は“マーベルタイム”というCMが放送されていた。
しかし今日は水曜日。
インフィニテ・ウォーをしばらく見てから、タクシーでマンダレーヒルに向かうことに。
マンダレーは観光地化されていないので、都会が苦手な私には過ごしやすい。
キャッチも特にない。
ミャンマーが“アジア最後のフロンティア”との呼び声は今のところ正しそう。