『霊幻道士』(1985)~キョンシーの倒し方講座~

コメディ
映画を見れば誰かと共有して話したくなる。
しかし話す人がいない。
そんな映画愛好家は世界中に山ほどいることだろう。
私もその一人。
そこで私は独自の感想をネタバレ含んでただただ長々と述べる自己満駄話映画コーナーを創設した。
お役に立つ情報は一切なし!
しかし最後まで読めばきっとその映画を見たくなることでしょう。
さぁ集まれ映画好きよ!

今宵の映画は…
NJ
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キョンシーの存在を広めた映画です

霊幻道士

原題
殭屍先生
(英題:Mr.Vampire)
公開
1985年
製作国
イギリス領香港
監督
リッキー・ラウ
『霊幻道士2 キョンシーの息子たち!』(1986)
『霊幻道士3 キョンシーの七不思議』(1987)
『霊幻道士完結篇 最後の霊戦』(1988)
『霊幻道士7 ラストアクションキョンシー』(1992)
出演
ラム・チェンイン
『霊幻道士2 キョンシーの息子たち!』(1986)
『霊幻道士3 キョンシーの七不思議』(1987)
『霊幻道士5 ベビーキョンシー対空飛ぶドラキュラ!』(1989) 主演/監督
『新霊幻道士 風水捜査篇』(1990) 製作
『霊幻道士6 史上最強のキョンシー登場!!』(1992)
『霊幻道士7 ラストアクションキョンシー』(1992)
リッキー・ホイ
『霊幻道士7 ラストアクションキョンシー』(1992)
チン・シュウホウ
『霊幻道士5 ベビーキョンシー対空飛ぶドラキュラ!』(1989)
『霊幻道士7 ラストアクションキョンシー』(1992)
『キョンシー』(2013)
『霊幻道士 こちらキョンシー退治局』(2017)
『霊幻道士Q 大蛇道士の出現!』(2018)
脚本
シートゥ・チャホン
音楽
アンダース・ネルソン
メロディ・バンク
いわゆるキョンシーをカンフーと魔術で倒しにかかる話。

ほのぼの感想&解説

サモハンキンポーが1980年に監督、主演を務めた『妖術秘伝・鬼打鬼』という作品をもとに、キョンシーをミックスして本作を製作したらアジア圏でヒットしちゃいました。

キョンシーといえば映画を見ていなくてもピョンピョン飛び跳ねて襲ってくるイメージがあることでしょう。
それもこの映画が発祥。それくらい日本でもヒットしたという証。
キョンシーの誕生は中国の古くからの言い伝えで、人が死んで埋葬する前に室内に安置しておくと、夜になって突然動きだし人を驚かすことがあると言われていた。
映画は特殊効果も使っているので、どこか『忍者戦隊カクレンジャー』(1994-1995)を彷彿とさせる妖怪とのコミカルな戦いが見られる。
『ゲゲゲの鬼太郎』『地獄先生ぬ~べ~』『幽☆遊☆白書』『妖怪人間ベム』『犬夜叉』など日本人にも受けいられやすい妖怪というジャンル。
そして本作の魅力は香港映画でお馴染みの登場人物のコミカルな掛け合いによる笑い要素。
緩そうに見せてアクションは本気。
といってものろのろ動くキョンシーに対して、木やら机やら小道具で道士たちがボコボコに叩く様子には思わず笑ってしまう。
グロい要素、ホラー演出は一切ない、楽しい映画です。
あ~これが大流行を生んだキョンシー映画の火付け役なんだとしみじみ。
本作を見ていると、アメリカ映画『フライトナイト』を思い出す。
隣に越してきた人がヴァンパイアだったんで、テレビに出ていたヴァンパイアハンター役のおじさんに協力を求めるんだけれど、いわゆる伝承でのヴァンパイアの弱点を試すも実際には効果がなくことごとく失敗するっていうコメディタッチのヴァンパイア映画。
と思っていたらこちらも1985年公開。
1985年にこの2作が公開されているなんて変な偶然。
2つセットで鑑賞を推奨いたします。
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魅惑の深海コーナー

ここではこの映画だけを基にキョンシーの生態を探る。
(参照:Wikipedia)
【キョンシー化の要因】
風水的に正しく埋葬されていない者が、人間にある三魂七魄のうち魂がなくなり魄(はく)のみもつキョンシーになる。
{三魂は天魂(死後、天に向かう)、地魂(死後、地に向かう)、人魂(死後、墓場に残る)であり、七魄は喜び、怒り、哀しみ、懼れ、愛、惡しみ、欲望からなる}
恨みや嫉みによってこの世を去った者が、死後も魄・怨念をもつことによりキョンシーになる。
キョンシーにより傷つけられた生身の人間やキョンシーにより殺された人間もキョンシーになる。
英語で“Chinese Vampire”と称されるのもこれが由来。
【身体の特徴】
死体であるため腐敗臭がし、身体は硬く、ほとんどの関節は曲がらない。
腕を前に伸ばしバランスをとりながら、足首のみを利用して跳ねるように移動する。
劇中のラスボスは素早く動き回るので例外。
魄が宿っているため、死体の爪が伸びている。
視覚を失っている。嗅覚で人を襲う。
息を止めれば無問題。またはキョンシーの鼻をふさぐべし。
劇中のラスボスは見えているので例外。
【攻撃】
毒素の入った爪で握ったり、刺して攻撃をする
【対処】
鶏血(けいけつ)
雄鶏の生き血。鶏血自体にキョンシーを退ける力があり、お札や墨壷に用いる液体を作る上で重要な材料。
お札
黄色の紙に鶏血で呪文を記した呪符を張り付ける。
墨壺
壺糸を強くし、壺の中身を鶏血や墨汁などを混ぜた液体に置き換えたもので、キョンシーを安置した棺を封印する際の線引きに用いる他、結界や武器としての利用も可能。
八卦鏡(はっけきょう)
3種類の鏡を使い分けて吉凶の作用を操作する。
劇中では、闇の力を増幅する月光を転換、集約して法具に霊力を込める、またはキョンシーや悪霊を映し出して邪気を反射する目的などで用いられる。
桃剣
悪鬼を祓う力を持つとされる桃の木を削り出して作られた木剣。
銭剣と共に儀式で用いられる法具であり、同時にキョンシーを切り裂き貫く力を持つ武器(深く突き刺すことでキョンシーを完全に倒すことができる)でもあるが、木製であるために非常に折れやすい。
金銭剣
清めた銭を赤い紐で結び繋いで作られた短剣。
桃剣に比べて法具としての側面が強いが、霊力を込める事で強力な武器となる。
また、剣の形を分解して銭を繋ぎ止めた1本の縄とし、相手を縛り上げる使い方もある。
ライチ
邪気を浄化する力をもっている植物。
木や枝はキョンシーとなった遺体を火葬するために最適とされており、葉は法力を込めて目に当てる事で悪鬼の正体を見抜く天眼通の力を発揮する。
もち米
魔除けの力を持つと同時に、キョンシーの毒を吸収して浄化する作用がある。
微弱ながらキョンシーを退ける力を持つが、加熱の際に煙に当たると効力が失せる特徴がある。
劇中では馬鹿な弟子がもち米を炊いて美味しくしてしまう一幕がある。
もち米は100%でなければ効かない。劇中ではもち粟がブレンドされていたので効かなかった。
毒が回り、半キョンシー化してしまった場合はもち米の汁に浸かることで浄化される。
吸血鬼のように尖った歯は物理的に削って元に戻す。
額に符が貼られたキョンシーを扱い、キョンシー同士で戦わせる。
劇中終盤で道長がラスボス相手にキョンシー軍団を突撃させるが一瞬で壊滅。

一言教訓

妖怪にも力技は通用する。
参照サイト: IMDb

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