『マッド・ダディ』(2017)~新たなるファミリー映画の金字塔~

ホラー
出典:Pixabay
映画を見れば誰かと共有して話したくなる。
しかし話す人がいない。
そんな映画愛好家は世界中に山ほどいることだろう。
私もその一人。
そこで私は独自の感想をネタバレ含んでただただ長々と述べる
自己満駄話映画コーナーを創設した。
お役に立つ情報は一切なし!
しかし最後まで読めばきっとその映画を見たくなることでしょう。
さぁ集まれ映画好きよ!

今宵の映画は…
NJ
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ケイジの暴走を目撃せよ

マッド・ダディ

原題
Mom and Dad
公開
2017年
製作国
アメリカ
イギリス
監督
ブライアン・テイラー
『アドレナリン』(2006)
『アドレナリン:ハイ・ボルテージ』(2009)
『ゴーストライダー2』(2012)
出演
ニコラス・ケイジ
『オレの名前はビンラディン』(2016)
セルマ・ブレア
『ヘル・ボーイ』(2004)
脚本
ブライアン・テイラー
編集
ローズ・コーア
フェルナンド・ビジェナ
『アドレナリン:ハイ・ボルテージ』(2009)
撮影
ダニエル・パール
『悪魔のいけにえ』(1974)
『ザ・ボーイ』(2016)
子を殺そうとする親から子が逃げる話。
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さらっと登場人物紹介

ブレント・ライアン

(演:ニコラス・ケイジ)

お父さん。

いつもより楽しそうなケイジ。

ケンダル・ライアン

(演:アナ・ウィンターズ)

お母さん。

夫とあまりうまくいっていない。

カーリー・ライアン

(演:アナ・ウィンターズ)

娘。

ドラッグやったりはっちゃけ系女子。

ジョシュ・ライアン

(演:ザカリー・アーサー)

息子。

純粋。

デーモン

(演:ロバート・T・カニンガム)

カーリーの恋人。

勇敢。

ライリー

(演:オリヴィア・クロチッチア)

カーリーの友人。

母親に殺される。

ほのぼの感想&解説

子供が暴走する映画は『ザ・チャイルド』(1976)『未知空間の恐怖/光る眼』(1960)、そのリメイク『光る眼』(1995)などいくつかあるが、複数の親が彼らの実の子を殺す映画は頭に浮かばない
それはやはり、映画といえ子供が死ぬのはまだしも、
さすがに実の親に殺される血みどろな残虐シーンなど目を背けたくなるからだ。
そんな作品はもちろん即R指定
R指定の時点で興収などそれほど見込めない。
本作に関してはそんなの気にしていないのだろう。
制作費推定700万$に対して興収わずか17万$
初のお披露目は2017年トロント国際映画祭だが、翌年からの劇場公開の規模はそれほど大きくはないのでいたしかたない。
ケイジクラスになれば興収なんてどうでもいい。
しかし本作『マッド・ダディ』は、ニコラス・ケイジが主演であることが娯楽度を増している。
いつものオーバーアクトが、本作ではスパイスとなり効いていて本人も楽しそうで何よりだ。

そして私はこんなにも日常にケイジを欲していたのかと気づかされた。

一番好きな俳優はケイジ・ニコラスなのかもしれない。
愛しているぜケイジ。

もちろんアーノルドも大好きだ。

邦題は『マッド・ダディ』だが、原題は『Mom and Dad』である。

ケイジ優先の日本の考え方は称賛に値します。

本編の話をしよう。

冒頭から楽しそうなケイジが見受けられる。

家族で朝食をしている中、息子とミニカーで軽く遊び始め車がクラッシュ。

彼の場合ケチャップで血を表現しちゃうんですね。

机とおもちゃに直接ケチャップをぶっかけちゃうんです。

子供よりたちが悪いし、母親が怒るやつです。

これから起こる惨劇のワクワク感を惹きたてます。

ちなみに家事や料理は家政婦がしています。

比較的裕福なんですかね。

その家政婦は自分の娘も手伝わせているという珍しい方です。

その辺は良くわかりませんが、今後起きることは予測できますね。

それではなぜ親が子を殺そうとするのか。

原因は明らかになりません。

劇中では耳鳴りのような音が鳴ると親が暴走するんですよね。

どっかから何者かによって、親の内に秘めた怒りを噴火させる周波数が送られているのでしょう。

時折テレビなどのモニターが砂嵐でザーーーーーとなっているのもその影響なのでしょう。

ケイジの娘カーリーが通う学校には親たちが授業終了時刻よりもかなり早くから迎えに来ていてなんだか様子がおかしい。

どんなふうに待っているかというと、“子供を殺したくて仕方がない表情”をしているんです。

パトカーも来てなんだか学校の雰囲気が異様に。

そして緊急下校のアナウンスが。

子供の名前を呼ぶお母さん。

先生の警護から逃げて母の元へダッシュし、フェンスを越える。

獲物が自ら飛び込んできた母は嬉々として息子を刺殺。

逃げ惑う子供たち。

追う大人。

しかしここであることが判明。

彼らは自分の子供以外は見えていないのだ。

そしてこういう状況が起きる。

『ワールド・ウォーZ』(2013)のあのシーンだ。

病気の子を避けるゾンビ。

つまり『マッド・ダディ』の親御さんはゾンビである。

間違いなくこのシーンのパロディだろう。

しかしこの親が子を殺す状況、ゾンビよりやっかいだ。

ゾンビのように何も考えずに始末できないし、まぁもちろん自分の関係者がゾンビになる状況とは一致するけれど、いやそれでも親がゾンビになったら仕方なく始末しますよね。

どう考えても親が有利な状況だ。

つらいぜ子供たち。

カーリーは家に帰ろうとする途中、恋人デーモンに出会う。

デーモンの父は彼を殺そうとしてスッテンコロリン持っていたナイフが自分の首に刺さり事故死。

それから本編中盤に彼が粋なセリフを言う。

“今となっては離婚してよかったと思う”

母親もいたら敵は二人だ。

気持ち的にもつらい。

そんなシャレたこと言う余裕があるとはとんだ父親だったのだろう。

デーモンが詳細を話し、今は親から離れることが最優先だと促す。

カーリーがデーモンを連れて家に帰ると、そこにはなんだか普段と様子の違う家政婦が。

家政婦はモップで床に散っている血を拭いていたのです。

娘をすでに調理済み。

オーマイガー。

そしてその殺害現場を目の前で見てしまったケイジの息子ジョシュが、

怯えて自分の部屋のベッドの下に隠れているところを姉貴が救出。

早く家から脱出せよ!

しかしタイミングばっちりでダディ・ケイジ参上。

ここからケイジが暴れる。

途中途中に平和な頃の回想を挿入してくるのだが、それを見るとケイジだけはパンデミックのせいではなく、もともと(子を殺そうとする)予兆があったようにも見える。

減俸、そして自由な時間のなさからストレスが溜まり、当たり散らす先もない。

母親はあくまでパンデミックの感染者である。

邦題が『マッド・ダディ』なのもわかりますね。

ケイジの精神事情まで把握しているとは恐れ入った。

母親は家に帰ってくるまでどこにいたかというと、

妹の出産に立ち会うために病院へ。

ほんと嫌な展開を入れてきますね。

その結末にならないよう祈るばかり。

そして無事に出産した妹。

その時、あの周波数の耳鳴りが。

きたよ、今だけは勘弁しておくれ。

妹は抱いているまだへその緒が繋がっている赤ちゃんを力いっぱいにホールドするのであった。

それに気付いた姉貴と医者らが妹から赤ちゃんを取り上げ、彼女をホールド。

なんともゾッとする展開。

赤ちゃんは医者に引き取られるも、生まれたての赤ちゃんたちがいるお部屋の前のガラスケースから殺したそうに眺める親たちという恐怖のカットが。

その後、母は家に着き娘と息子の殺戮を開始。

いろいろあり、

地下室に逃げた子供らを地上に出すべく穴をふさぎガス注入。

全焼させて殺そうとするのだ。恐ろしい。

しかし子供らは、扉にヤスリとマッチを使って罠を仕掛けてうまいこと脱出。

ガスの臭いに耐えられなくなって出てくるだろうと優雅に待つ親。

全く出てくる気配がないので、我慢できなくて扉を開けるケイジ。

スローで再生されるケイジの表情。

バックドラフトばりの爆風に飲み込まれるケイジ。

すると通常再生スピードに戻り、思いっきりブっ飛ぶケイジ。

気絶から目覚めてブチ切れるケイジ。

カラフルなシリアルを顔にくっつけたも見れるなんて何たる過剰接待。

逃げる先もなくなり、両親に追い詰められる子供たち。

その時だった!

ピンポ~ン

誰じゃこんな時に。

イライラする両親。

「あっ今日は俺の親が来る日だった。忘れてたわ。」

おいおい、これは凄く楽しくなる展開だ!

そして実の父に軽く刺される息子ケイジ。

立場逆転だぁ!

3世代による親子バトルロワイアルが幕を上げる。

「俺は戦争に行ったんだぞ!お前なんかに負けるか!」

とジジイ。

しかしジジババは中々の戦闘力を誇るが…戦死。

終盤は大盛り上がりするが、結果はカーリーとジョシュの最年少チームが勝利。

といっても親を殺せないので縛り上げて…

THE END!?

まさかの何も解決せずに突拍子もなく終了。

こっからさらに面白くなるんじゃないの~~~~~?

何ともオチのない終わり方。

でも、現実ならこっから縛り上げた親をお世話するしかないのかな。

それならこれ以上描きようがないですわね。

この後はぜひとも『エクソシスト』(1973)のように悪魔祓いをおすすめいたします。

明日自慢できるトリビア

ニコラス・ケイジは本作を、ここ10年間の自分の出演作品の中で最もお気に入りであると公言している。

まとめ

とにかく生き生きとしたニコラス・ケイジをご賞味していただきたい。

一言教訓

親にストレスを溜めさせることはしない方がいい。
参照サイト: IMDb

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