将来ある童貞に対してタチが悪すぎる犯罪劇
プライベート・レッスン
一言粗筋
ほのぼの感想あるいは解説
夏映画特集を書き終えたのでそこから1本シングルカット。
特集するにあたっていくつか未見の夏映画を観ていたら、なんとまぁ衝撃な作品に出会ってしまいました。
『エマニエル夫人』(1974)のシルヴィア・クリステルが出演していることもあって、もちろんエロティック目当てで観ていたら、まさかの急展開。
なんと予想外のホラー映画へ変貌を遂げた。
ちなみに撮影はキアヌ・リーヴス主演『スピード』(1994)で監督を務め、
本作と同年の1981年に『ロアー』でライオン150頭と命を削りながら撮影したヤン・デ・ボン。
それでは『プライベート・レッスン』の話をしましょう。
裕福なシングルファザー家庭で育つ少年が主人公。
父親が出張中に家政婦がお世話をしてくれることに。
思春期真っ盛りの少年は彼女の部屋を覗き着替えを視聴。
家政婦への興奮っぷりを近所の親友に逐一報告しに行く。
自慢というより共有に近いところが彼の懐の大きさと優しさを開示している。
親友の姉ちゃんが綺麗なところもエロティックポイントを押さえている。
なんと、家政婦はあえて覗かせていたのだ。
「そんなに見たいなら見せてあ・げ・る♡」
少年、初めて生で見るおっぱいに放心状態から部屋を出る。
何者なんだこの家政婦!見せて楽しんでるではないか!何が目的だ!
展開は早く、少年と混浴。
少年には夢のような展開が進む。
しかし家政婦、未成年相手に犯罪手前ですよ。
映画館でおっぱいを触らせる。
本当に何なんだ!何が目的なんだ!!
ついに初体験。家政婦、犯罪に手を染める。
そしてイッたと同時に逝ってしまった。
えっ?????
「I’m coming!!」
からの
「I’m gone」
である。
どういう映画!?
慌てた少年が専属の運転手に助けを求める。
部屋に戻ると、血を吐いている家政婦。
たしかに心臓が弱いとは事前に言っていたが、絶頂で死ぬなんて…。
少年にとってはトラウマ必至の初体験。
実は…運転手と家政婦がグルで、父親が留守の間に息子を利用して金庫から金を盗み出そうとする計画の一部であった。
なんてこった。
思春期の少年をエロで誘って身体の関係を結ばせて、信頼感を得てから騙すという史上最低の犯罪劇。
計画は徹底しており、運転手はパニくった少年に死んだふりの家政婦を庭に埋めさせるのだ。
警察に電話すればお前は犯罪者扱いだと言いくるめて。
怖い怖い。
精神にトラウマを抱えそうだ。
まさに『ホームアローン』(1990)と『パラサイト』(2019)を足したような作品。
身近な捕食者には気を付けよう。
と思いきや、
家政婦は本当に少年が好きになり始めてしまって、再び彼の前に現れて懺悔する。
少年と家政婦は愛し合う関係になり、運転手を告発してハッピーエンド。
という少し異常なラブストーリー。
なんだか『ハロルドとモード』(1971)の少年とお婆さんの関係を彷彿とさせて魅了されてしまいました。
一言教訓
明日自慢できるトリビア
①主役の少年には元々別の俳優がキャスティングされていたが、撮影から18日後に解雇され、別の役でオーディションを受けていたエリック・ブラウンが代役を務めた。いったい何があったのかは不明。
②大部分の撮影はアリゾナ州フェニックスで行われたが、ラブシーンはニューメキシコ州で行われた。これは州法でアリゾナでは18歳からラブシーンを撮影できるが、ニューメキシコでは16歳から撮影できるという理由による。
③エグゼクティブ・プロデューサーのジャック・バリーは、本作の内容に不快感を得た多くの人々からクレームを受け、以降映画を製作することは二度となかった。
④1993年に日本でリメイク版が公開されている。SMAPの稲垣吾郎主演。友人役に中居正広が出演している。
このホラー映画を生き残る方法
主人公の少年は事件に巻き込まれても、家政婦への愛が消えず、むしろ愛の力で間違った道を改めさせ全てを手に入れた。
主がいないときに大柄な態度に変わる側近の者(本作の場合、運転手)がいれば怪しむようにしたい。
また性欲に身を任せず、しっかりと家政婦がどういう人物なのか過去をいくつか喋らせて、後日再びその話を掘り返して違う話をしていないか試してはいかがだろうか。
そこで話が食い違えば嘘をついている。
身分証を偽造している可能性もある。
そのため世代別の話をすれば本来の年齢もそこから推測できる。
未成年には要注意だ。
身体の関係を結ぶ前にしっかりとその人を知り、信頼できるまで時間をかけることが大切である。