ほのぼの感想あるいはさくさく解説

90年代のブラッド・ピットといえばとにかくヒッピー役が多い。

『トゥルー・ブルース』(1990)

 『テルマ&ルイーズ』(1991)

『カリフォルニア』(1993)

 『トゥルー・ロマンス』(1993)

 『12モンキーズ』(1995)

 『ファイト・クラブ』(1999)

酒飲んで薬やって横になっている。

鬚生やして虚ろな目でやさグレている。

そのため『ジョニー・スエード』も同じような役柄かと思っていました。

たしかにだらしない感じの口調はヒッピーのようである。

しかし服装だけは一丁前。

自ら付けた芸名の由来であると思われる、突然空から降ってきた黒いスエードを履き、ジャケットにワイシャツでびしっと決めるスタイルを基本に生活。

作詞作曲をして日々スターを夢見る男、そう、そいつがジョニー・スエード。

彼のミュージシャンとしてのサクセスストーリーを見れるのかと思いきや、メインのお話は数人の女性との恋物語。

その前に触れなければならないことがありました！

ポスターからもわかる通り、髪型！キノコの山のように盛り上がった高さのあるリーゼント。

とんでもない毛量。

セット時間はどれくらい？

整髪料の量はどれくらい？

部屋にエルヴィスのポスターを飾っていることから憧れているのが分かりますが、にしても倍はある。

そして何より面白いのが四六時中この髪型。

寝る時も！

驚くことに起きても髪型が崩れていない。

これはもはや自然にこのように生えそろっているのかもしれません。

夢見る男の毛根は強し。

実に最高なクールガイである。

ちなみに日頃は生活費を稼ぐために塗装業を行っている。

もちろんこの髪型で。

しかしその髪型が崩れる時がやがてくる。

彼のだらしのない女性関係が原因である。

ある時は恋人のいる女性と関係を持ってしまったり、またある時は自分に恋人がいるのに地下鉄で目の前に座っている女性に色目を使いベッドイン。

それがバレて恋人と口論をしたあげくに髪をもみくしゃにされて、まさかの女性のお腹を殴る始末。

実に最低なバッドガイである。

最後は崩れた髪型のまま恋人に会いに行き、和解をする。

ジョニー・スエードは誘惑には弱い。しかしそれは逆に言えば馬鹿なくらいに正直であるということ。この人間らしさが愛らしい。

ブラッド・ピットのつぶらな瞳がまたそれを助長させる。

「彼なら仕方ない」

そう思う。

マンハッタンとブルックリンをつなぐウィリアムズバーグ橋

最近の映画ですと、『ジョン・ウィック』(2014)もここで撮影されています。