『運び屋』(2018)~人生に老いる暇はない~

映画を見れば誰かと共有して話したくなる。
しかし話す人がいない。
そんな映画愛好家は世界中に山ほどいることだろう。
私もその一人。
そこで私は独自の感想をネタバレ含んでただただ長々と述べる自己満駄話映画コーナーを創設した。
お役に立つ情報は一切なし!
しかし最後まで読めばきっとその映画を見たくなることでしょう。
さぁ集まれ映画好きよ!

今宵の映画は…
NJ
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人生を楽しんでいる人は自然な魅力をもっていますね。

運び屋

原題
The Mule
公開
2018年
製作国
アメリカ合衆国
製作
インペラティブ・エンターテイメント
BRONクリエイティブ
マルパソ
監督
クリント・イーストウッド
出演
クリント・イーストウッド
ブラッドリー・クーパー
ローレンス・フィッシュバーン
マイケル・ペーニャ
ダイアン・ウィースト
アンディ・ガルシア
アリソン・イーストウッド
脚本
ニック・シェンク
『グラン・トリノ』(2008) 脚本・原案
『ジャッジ 裁かれる判事』(2014)
編集
ジョエル・コックス
『ダーティハリー3』(1976)
『バード Bird』(1988)
『許されざる者』(1992)
『マディソン郡の橋』(1995)
『ミリオンダラー・ベイビー』(2004)
『硫黄島からの手紙』(2006)
『チェンジリング』(2008)
『グラン・トリノ』(2008)
『J・エドガー』(2011)
『アメリカン・スナイパー』(2014)
『リチャード・ジュエル』(2019)
音楽
アルトゥロ・サンドバル
撮影
イヴ・ベランジェ
『ダラス・バイヤーズクラブ』(2013)
『ブルックリン』(2015)
『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』(2019)
『リチャード・ジュエル』(2019)

一言粗筋

90歳の気の良いお爺ちゃんが家族を放置して麻薬の運び屋として優雅に生活する話。

ほのぼの感想&解説

原題の“Mule”とは“密輸する人”つまり“運び屋”の俗語であるが、一般的な意味は動物の“ラバ”である。
そして他には“頑固者”という意味がある。
妻と娘を放置し、たまに帰ることはあっても娘には相手もされず、12年半も口をきいてもらえていない。
素直でないため、自分中心な言動をしてしまうお爺ちゃんを当時88歳クリント・イーストウッドが演じる。
この娘役を演じるのはクリントの実の娘であるアリソン・イーストウッド
彼女は3歳の時に両親が離婚しているものの、7歳の時に父クリントの主演作『ブロンコ・ビリー』(1980)で映画女優デビュー。
1984年の同じく父親の主演作『タイトロープ』では娘役で出演し、1997年『目撃』にも出演している。
現在は女優業を離れ、プロデュースや監督業に専念していたところ、父ウッド(父ブッシュ風に言ってみました)に声を掛けられ本作の出演に至ったという。
また、本作で麻薬カルテル組織の一員であるグスタヴォ役を演じているクリフトン・コリンズ・Jrは、クリントの義理の息子である。
彼は娘のクランチェスカ・イーストウッド2017年1月1日に結婚している。
ちなみに彼女も父ブッシュの監督&主演作『トゥルー・クライム』(1999)に出演している。
このように自分の身内を出すほどに、自身を主人公に投影させた気合の入った1本が『運び屋』である。
イーストウッド自身が自分の手で映画化したかった理由は彼を知れば分かる。
本作はニューヨーク・タイムズに掲載されたサム・ドルニックの記事『The Sinaloa Cartel’s 90-Year-Old Drug Mule』を基にしている。
第二次世界大戦の退役軍人であるレオ・シャープが、シナロア・カルテルの麻薬の運び屋として従事し、世界最高齢の利益を生み出す運び屋になった物語である。
映画では朝鮮戦争に変わっている。
この映画、麻薬カルテルとDEAが絡んでくるからシリアスな展開になるかと思いきや、陽気で呑気な主人公のおかげでマイペースに事が進んでいく。
どこかカルテル側も爺だから仕方ないといった諦めも垣間見えて笑える。
なぜそんな自分勝手な爺に危険な仕事を依頼するのか。
これがなんだかんだでしっかり仕事を全うするのだ。
レオ・シャープ1990年代中盤までデイリリーと呼ばれる花を栽培し、コンテストでも優勝するほどの園芸家として名を馳せていた。
劇中でも冒頭で描かれる通り、インターネットが普及し、ネットで種子を買うことができるようになったため彼の事業は消滅した。
そんな彼は今まで家族を放置してまでも園芸家として真面目に仕事に専念し、結果も出してきたことに対して自分に誇りを持っていたのだろう。
ブツを届けるまでの道中、自分の判断で動きはするが、依頼された仕事は中途半端にせずにやり遂げる。
その道中で女を捕まえて一夜をともに過ごす。
しかも二人同時に。そして自分の心臓を配慮しつつ。
なんたる余裕のある贅沢な人生。
年齢は関係ない。
積極性を欠かせなければいつまでも人生を楽しめるのだ。
年齢だけで否定する人物は本作を見なければならない。
まさにクリント・イーストウッドに学ぶ人生の教科書”
イーストウッド自身はというと、彼は今まで二度結婚している。
1953年から1984年までマギー・ジョンソンと、1996年から2014年までディナ・ルイスとである。
また、1975年から1989年までソンドラ・ロックと、1990年から1995年までフランシス・フィッシャー(タイタニックのローズのお母さん役として有名)と交際していた。
長女のローリー1954年に産まれたが、母親は公表されていない。
マギーとの間に1男1女をもうけた。
兄のカイル・イーストウッドは、ジャズ好きの父親の影響もあり、ジャズミュージシャンとして活躍している。
父ウッドの作品『グラン・トリノ』(2008)『インビクタス/負けざる者たち』(2009)などで音楽も務めている。
アリソン・イーストウッドマギーとの間に生まれた子供である。
そしてフランシスとの間に娘フランチェスカ
2度目の結婚相手ディナとの間に娘モーガン
交際相手ロクサンヌ・トゥニスとの間に娘キンバージャスリン・リーヴスとの間に1男1女。
その息子が最近出演作の多いスコット・イーストウッドである。娘はキャサリン
以上、父ウッドには6人の女性との間に8人の子供たちがいることになる。
そんな子供たちは2018年12月に行われた『運び屋』のロサンゼルスプレミアで大集結している。
ちなみに父ウッドにとって最初に誕生した子供であるローリーは、今まで隠し子として存在が露わになっていなかったが、2018年をもってついに正体が明らかになったのだ。
複雑な血縁関係のイーストウッド家だが、こんなに笑顔でいられるのはそれぞれが父親を尊敬しているからなのだろう。
『運び屋』は、主人公の頑固爺のように偏屈なまま生きないように気をつけねばと、クリントが自分自身に言い聞かせ、家族への愛と感謝を込めているかのような作品である。
そして人生に悩める若者、いやまだまだ小僧たちには自信を与える一本である。
偏屈とは、いい意味で芯が通った人物として受け取れるが、時代の流れについていけず、それに逆らい、それを認めずに取り残された惨めさも並行している。
西部劇の悪役のように扱いづらい人物にならない程度に、西部劇のアウトローのように近づきがたくも近づきやすい偏屈でありたい。
サー・クリント・イーストウッド、これからも生きる伝説として心に染みる映画をお待ちしております。
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明日自慢できるトリビア

モデルになった人物レオ・シャープ2011年10月87歳で捕まった。
逮捕当時104キロものコカインをアリゾナからミシガンまで運ぼうとしていた。
裁判により3年間の懲役刑を科せられた。
1年間は獄中で生活したが、健康が悪化したため2015年に刑務所から出ることになった。
そして2016年12月12日92歳で亡くなった。
イーストウッド監督は、2018年に本作と『15時17分、パリ行き』と併せて2本新作を公開している。
1年に2本公開は1973年1982年1990年1997年2006年2008年、そして2014年に続いて8度目である。
参照サイト: IMDb

一言教訓

お金を稼ぐ時間よりも、家族、友人、そして出会う人々との時間を重視せよ。

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