セクシー女優シャロン・ストーンに3度金的されても立ち上がる筋肉の塊の変顔に注目です
火星に行ったという記憶にない記憶が記憶に残っていたので、その記憶をたどる記憶に残る映画。
①私にとってのアーノルド・シュワルツェネッガーの存在
僕はジョン・コナー。
彼が少年期の私に映画の魅力を存分に教えてくれた。
この頃に見ていた地上波の映画番組、「木曜洋画劇場」や「日曜洋画劇場」、
そして「金曜ロードショー」で放送されていた80年代、90年代の洋画が今の私のルーツである。
何度も放送している映画は、22時54分までに終わるようにカットされて放送されていたが、
地上波初放送や尺の長い戦争映画は23時を過ぎることが多かった。
そのため次の日が学校の日の木曜、日曜日は母親に早く寝ろと急かされるので、
明かりを消し音量も下げてバレないように見ていた頃が懐かしいものだ。
『トレマーズ』(1990)
『パラサイト』(1998)
『スターシップ・トゥルーパーズ』(1997)
『インビジブル』(2000)
『コマンドー』(1985)
『ターミネーター』(1984)
『スピーシーズ』(1995)
などを見返すと未だにその当時を思い出す。
画面で暴れまわる筋肉モリモリの男が、
現実世界では味わえない感覚を伴う異界へと連れて行ってくれた。
シュワちゃんといえば、人を殺した後に必ず気の利いた捨て台詞を吐くのがお決まりである。
『コマンドー』の玄田哲章さんの吹き替え版ではそれがわんさか炸裂する。
たとえば飛行機内にもかかわらず、
隣に座っている悪の組織の一味をド派手にふっとばし首を折って殺し毛布と帽子をかぶせ、
キャビンアテンダントがきた際にフライト時間を聞き、
「連れを起こさないでくれ、死ぬほど疲れているんだ。」
とめちゃくちゃなことを言うのである。
本作『トータル・リコール』も捨て台詞が多く決まる作品の一つだ。
2012年公開のリメイク版は触れると長くなるので省きます。
シュワちゃんに関しては先日発売された、てらさわホークさんの著書『シュワルツェネッガー主義』を読んでいただくと、とても有意義な時間になるでしょう。
②『トータル・リコール』が面白い理由
この映画の二大面白要素は主演のシュワちゃんの顔芸と視覚効果に尽きる。
この二つが合わさると、元々面白いシュワの顔がさらに面白い顔になるのだ。
内容も面白いが、前述が先行してあまり頭に入ってこないほどである。
まずはシュワの変顔の数々を振り返ろう。
冒頭からそれは訪れる。
ダグラス(シュワ)が火星にいる夢から始まるのだが、突如転げ落ち、
宇宙ヘルメットが外れ顔がむき出しになり、
大気が薄いため体内の水分が蒸発して真空パック状態になってしまう。
瞬く間に目が飛び出すダグラス。苦しむダグラス。面白い顔のシュワ。
次に地上波で放送される際の予告映像で必ずといっていいほど使用される、鼻からキャンディ(GPS)を取り出すシーン。
これは本作の代名詞といっても過言ではない。
このシーンでシュワの顔が特殊効果で別人のようになるところも見所である。
変顔どころか真顔でも面白いのがシュワちゃん。
ターバン巻いて鼻に金属突っ込んでる姿はただの変態ですよ。
とてもボディビルチャンピオンとは思えない。
③視覚効果
キャラクターの特殊メイクおよび視覚効果を担当したのはロブ・ボッティン。
彼の手掛けた代表作といえば『遊星からの物体X』(1982)や、
本作のヴァーホーベン監督の代表作でもある『ロボコップ』(1987)。
彼の経歴上忘れてはならないのが当時21歳にして担当した『ハウリング』(1981)である。
人間から狼男に変身する様を、人間の特殊メイクとダミー人形をうまく合わせ、
よりリアルで圧巻する描写を生み出した。今見ても鳥肌が立つ凄まじいシーンである。
私はCGが多様される現代よりも、この時代の手作り感溢れる特殊メイクが大好物だ。
同年の1981年公開の『狼男アメリカン』では、
彼の師匠であるリック・ベイカーが本作の制作に専念するため、
弟子のボッティンに『ハウリング』の視覚効果を任せたところ、
そのあまりの出来栄えに感銘したベイカーと監督のジョン・ランディスが
『狼男アメリカン』を撮り直したほどである。
この作品でベイカーは1982年に新設されたアカデミーメイクアップ賞を受賞。
ちなみにこのベイカーとランディスのコンビは、マイケル・ジャクソンが1983年にリリースした歴史に残る名曲『スリラー』の13分34秒にも及ぶミュージックビデオを制作している。
変顔のおばちゃんから出てきた彼の顔も変顔だったシーンも印象的だ。
中のアーノルドの顔も本人ではなく特殊メイクで作られたものなんですって!
驚きの技術。
④キャラクターの魅力
【1】ローリー(シャロン・ストーン)
8年間ダグラスに付き添うセクシーな妻だが、突如暴れまわり旦那に二度金的をくらわす。
その後三度目をするという金的法第17条で罰せられるべき常習犯。
実は彼女は悪の手下で、8年間もダグラスを監視していたというから恐ろしい。
見てない方のために、あえてダグラスがどういう状況下に置かれてるのかは省いておきます。
シャロン・ストーンといえば、『氷の微笑』(1992)。
名誉か不名誉かは置いておいて、最も一時停止された回数の多い映画である。
その有名なシーンというのが足を組み替えるシーンで、
ハッキリとあの部分が見えてしまっているわけで…
【2】クアトー(声‐マーシャル・ベル)
火星反乱組織のリーダーのジョージのお腹で暮らしているミュータント。
記憶を復元できる超記憶をもっている。
【3】トニー(ディーン・ノリス)
「最後の楽園」というパブにいるミュータント。
厳ついが、後々協力してくれる。
演じるのはあの大傑作海外ドラマ『ブレイキング・バッド』のハンク役であるディーン・ノリス。
翌年の『ターミネーター2』ではS.W.A.Tの一員として、
起爆スイッチをもつダイソンさんを最初に発見した人物を演じていました。
シュワちゃん映画とは地味にタッグを2回組んでいるわけですね。
【4】タクシードライバー(声-ロバート・ピカード)
タクシードライバーロボット。
シュワとうまく馴染めずに最後は暴走して自爆するのだが、
その際のドロドロに溶けていく様が惨たらしい。
⑤どこまでが夢なのか。
最後に青空が広がり、キスしてハッピーエンド。
どう考えてもハッピーすぎる。
『コマンドー』(1985)以外にハッピーエンドはありえない。
確実に終盤の火星に無防備で放り出された時点で死んでいるはずだ。
一度気圧で目が飛び出して、その後地球並みの大気になったからといって
すぐに目ん玉が元に戻るかね。
いやそこを真面目に言及しても仕方がない。
最初から夢なのであろう。
シュワルツェネッガーの存在自体が夢ということでいいでしょうか。
無理やりまとめました。
それくらいあれこれ考えられる楽しさがともかくこの映画にはあるのです。