妄想ラジオ紀行
エイリアン・オブ・テラー
ミヤギ先生に学ぶ
カラテの極意特集!
基本的に映画の内容をもとに話を進めますが、このコーナー自体がパーソナリティの妄想なので緩くお楽しみください。
一番の目的はその映画のキャラクターの魅力を広めることです。
世界には面白い作品が溢れており、愛すべきキャラクターがたくさんいるのだから。
どうもこんにちは、妄想ライティングラジオ『エイリアン・オブ・テラー』のお時間です。
パーソナリティはNJがお届けいたします。
今夜のゲストは1984年に1作目が公開され、以降4作目までシリーズ化された『ベスト・キッド』に出演されたミヤギさんです。
いや、ミヤギセンセイと呼ぶべきでしょうか。
お話を伺う前に簡単な経歴をご紹介いたします。
1925年6月9日生まれの沖縄出身。
本名はミヤギ・ケイスケ。
漁師である父から空手を教わる。
沖縄在住時は村で一番裕福な渡口さんのもとで働いており、その息子である渡口サトウさんとは親友関係。
村では父親が自分の息子に空手を教えることが伝統であったが、ミヤギさんがお父様に頼んだことでサトウさんも空手を教わることができた。
『ベスト・キッド2』で描かれるように、沖縄にいる時にミヤギさんはユキエさんに恋をしていたが、彼女はサトウさんと結婚することになっていました。
それを知ったサトウさんがミヤギさんに決闘を申込みましたが、親友との闘いを避けるためにアメリカに身を移しました。
また、10代の時にはハワイに移住し、サトウキビ畑で農業を営む。
ロサンゼルスに引っ越した後はカリフォルニア大学サンタバーバラ校に入学。
結婚後は第2次世界大戦に従事するが、マンザナー強制収容所(日系アメリカ人の強制収容所)に抑留される。
戦時中は、ほとんどが日系アメリカ人で構成されたアメリカ陸軍第442連隊戦闘団の一員として従事し、名誉勲章を授与されている。
21の名誉勲章を含み、この部隊はアメリカ合衆国史上最も勲章を受けた部隊として知られている。
ちなみにミヤギさんは陸軍時代、司令官のジャック・ピアース中尉に空手の極意を教えていた。
ミヤギさんの奥様と生まれたばかりの御子息は、誠に残念ながらマンザナー強制収容所にて合併症でお亡くなりになられています。
2015年には『Fictitious Athlete Hall of Fame』を「功労者」部門で受賞。
これは2013年に開設された賞で、対象者は1970年以降に作られた創作物の中でアスリートとして描かれたキャラクターです。
2015年からは、1970年以前のキャラクターも「ベテラン部門」としてノミネート可能となっている。
設立した年の2013年は、『ロッキー』よりロッキー・バルボアが選ばれている。
そして2018年にはダニエルさんが「アスリート部門」で受賞している。
『ベスト・キッド』コンビ強し!
それではさっそくゲストをお呼び致しましょう。
ミヤギ先生です!
こんにちは。
初めまして、ミヤギです。
はい、初めましてですね。
映画の中では何度も拝見しているのですが。
日本では原題の『カラテ・キッド』ではなく、
『ベスト・キッド』というタイトルで公開されてましたが、
それはご存知でしたか?
『ベスト・キッド』いいじゃないのぉ~。
よく意味は分からないけど、
日本人の美徳が感じられるいいタイトルだとミヤギ思うね。
監督は『ロッキー』(1976)の ジョン・G・アヴィルドセンですが、『ベスト・キッド』を生み出したのはロバート・マーク・ケイメンです。
今では多くのアクション映画を手掛けていますね。
リュック・ベッソン監督と共に『トランスポーター』と『96時間』シリーズの原案を務めています。
キャラクター創造にも関わっていますね。
最近だと2019年公開の『エンド・オブ・ステイツ』で共同脚本を務めています。
彼はこのミヤギも創ってくれましたね。
『カラテ・キッド』も彼の半自伝的映画なんです。
1964年、彼が17歳の時、ニューヨーク万博を見に行ったあとにギャングに痛めつけられたそうだ。
それから自分の身を守るためにマーシャルアーツを学び始めた。
しかしケイメンは最初の先生に不満だった。
彼は暴力や復讐のためのツールとしてマーシャルアーツを教えたという。
だから違う先生のもとで沖縄剛柔流空手を学び始めた。
彼は英語が話せなかったが、宮城長順※の生徒であった。
それがミヤギの由来じゃな。
さらに、ケイメンはハリウッドの脚本家になった時にとあるニュースを知ったんだ。
それは隣人のイジメに対して自分を守るために黒帯を獲得したシングルマザーの幼い子供に関する記事でした。
彼はそれから自身のストーリーとそのニュースを合わせて『カラテ・キッド』の脚本を書きました。
※宮城長順(1888年4月25日-1953年10月8日)は沖縄空手と中国拳法を合わせた剛柔流空手の学校を設立した沖縄のマーシャルアーティスト。
興味深いことに『ベスト・キッド3』では、新たな先生からその暴力や復讐に使う空手をダニエルさんが教わりますね。
あれはミヤギ悲しかったね。
あの頃のダニエルさんはまだ若すぎた。
しかし若い頃に失敗から自分自身で立ち直る方法を知るのは大切なこと。
このインタビューに備えて改めてシリーズを見たんじゃが、
3作目のダニエルさん少しぽっちゃりしてますね。
あの子は1983年にブラットパックがこぞって出演した『アウトサイダー』にも出演して、その流れで翌年に『カラテ・キッド』1作目に出てアイドル的人気を博し、80年代は女の子に人気な時期だったからね。
3作目はそんな売れっ子として落ち着いた頃のダニエルさん。
お金にも余裕があったんでしょう。
最近だと、『ストレンジャー・シングス』のシーズン3にも影響を与えていて微笑ましかったけれど、ミヤギには触れてくれなかったね。
ルーカスさんはミヤギのもとで学んだらもっと伸びると思います。
関係ないですが、個人的に3作目はダニエルさんがこれでもかと面白いくらいに連続で嫌がらせを受ける異常な映画だと思っています。
大人も参加してグループがかりで虐めてきますから悪趣味な映画です。
ミヤギがいないところでやられるもんですから助けようがありません。
モヤモヤします。
繰り返し見るならやはり1作目ですね。
『ストレンジャー・シングス』のことまで存じ上げているなんて幅広いですね。
シーズン4でミヤギ先生の出番を期待しております。
私は『ベスト・キッド4』でのミヤギ先生が凄くチャーミングに見えたのですが。
ところで日本だと『ごくせん』というドラマが流行りましたが、あの実は強いヤンクミという先生にもミヤギさんが影響を与えているのでしょうか。
『ごくせん』は私の耳にも届いています。
全部見ました。
先生と生徒の関係性や成長に、
ミヤギとダニエルさんの影響を感じますね。
でも『処刑教室』(1982)の方が近いかもしれません。
イカれた生徒とそれに張り合う先生という意味合いでは。
4作目では、マイケル・アイアンサイド演じる学校の先生の方が生徒よりもイカれていましたね。
彼は『スターシップ・トゥルーパーズ』(1997)でも相当イカれている軍人を演じていました。
あの4作目の学校は見ていられなかった。
「コブラ会」のパチモンも出てくる。
ミヤギ、正直早くアイツらに手を出したかった。
でも空手の極意は相手を傷めつけることではない。
冷静さも必要となる。
まさにジェダイの教えと重なる部分がある。
もともとミヤギ先生役には三船敏郎がオファーされていたといいますが、その点についてはいかがでしょうか?
なぜ私にはオビ=ワン・ケノービ役のオファーが来なかったのだろうか。
2作目の沖縄編では、
沖縄感のない要素がいくつかありますね。
日本人なのに登場人物全員の日本語が片言です。
村の風景はセット感が強いですね。
いかがでしょうか?
2作目は変な映画ですよね。
シリーズ物の2作目がうまくいかない典型的なパターンにハマりました。
最後にみんなでデンデン太鼓を回すシーンはカルト教団のような印象を与えます。
ミヤギあれ怖いです。
セット感といえば、あれは沖縄で一切撮影されていなく、ロサンゼルスのスタジオ撮影の他に、ハワイで撮影しました。
『ジュラシック・パーク』のロケ地として有名になったクアロア・ランチですね。
私も昨年そこに行ってきたのですが、展示室の中に『ベスト・キッド2』のポスターが貼られていましたね。
『ベスト・キッド』には日系アメリカ人とアメリカ人、そして日本人の繋がりを感じます。
ダニエル目線で見ると青春映画でもあるので、
若い人に見てもらいたいですね。
怖いと言えば、個人的には1作目の突然ミヤギ先生が叫びながらダニエルさんを鍛えるシーンの声の大きさにビックリしてしまいます。
あれは気合の入ったシーンでした。
ダニエルさんに空手の極意を教える重要な場面ですからね。
ここでリスナーからのお便りをご紹介いたします。
1通目は、沖縄県にお住いの40代男性『コブラ会のミヤギ』さんからのお便りです。
「1作目でミヤギ先生の家の前に止まっていた、いかにも高そうなクラシックカー4台はどのようにして手に入れたのでしょうか?
独り暮らしで4台も必要ないと思います。」
たしかあれは盆栽を特殊なルートで売り捌いて儲けたお金ですかね。
投資目的で4台買いました。
ミヤギジョーク炸裂ですね!
続いてのお便りです。
また沖縄県からです。ファンが多いんでしょうね。
20代女性、ペンネーム『ミヤギスマイル』さんからのお便りです。
「ミヤギ先生の思う自分が一番可愛いと思ったシーンを教えてください」
スマイルといえば、
1作目の最後のミヤギスマイルも印象的ですが、
ミヤギのお気に入りは、
これまた1作目でダニエルさんを子船から落としてずぶ濡れにしたシーンですね。
あのミヤギはお茶目でした。
もっともっとたくさん話したいのですが、
時間の関係上こちらが最後のお便りとなります。
宮城県に住む50代女性、ペンネーム『ミヤギでミヤギと2泊3日、あの熱い夜』さんからいただきました。
「4作目の先生とヒラリー・スワンクの関係は、『スターウォーズ/最後のジェダイ』(2017)で描かれたルークとレイの関係性にそっくりなのですが、これは長年の時を経て『スターウォーズ』に影響を与えたという捉え方でよろしいのでしょうか?」
ミヤギの記憶では、お寺でヒラリーに修行するシーンですね。
あれは完全に『最後のジェダイ』で引用されていましたね。
あれを見た時、映画館で思わず「わしのじゃ!わしのじゃ!」ってヨーダのように騒ぎそうになりました。
でも空手の極意は冷静でいること。
これはジェダイにも通じます。
というよりまさに『帝国の逆襲』(1980)のヨーダとルークの関係です。
ミヤギは人間版ヨーダです。
つまり“『スターウォーズ』から輸入して、『カラテ・キッド4』を経て、『スターウォーズ』へと輸出した”が正解かもしれない。
『カラテ・キッド4』は失敗作とされていますが、ご存じの通り、ヒラリーはあの後『ボーイズ・ドント・クライ』(1999)で名演技を魅せてアカデミー主演女優賞を獲得しました。
そして2004年には『ミリオンダラー・ベイビー』で2度目のアカデミー主演女優賞を獲得。
イーストウッドは『ベスト・キッド4』を見て引き抜いたという逸話がミヤギの中であります。
ミヤギ、誇らしい。
彼女は当時18歳で約500人が参加するオーディションを勝ち抜いて主演の座を射止めたんですよ。
運動神経も抜群に良かった。
4作目では、ガターからのストライクという笑劇な技を見せてくれた禅ボーリングや、カラテ・ワルツ、禅アーチェリーという新しいスキルが見られて娯楽作として大変楽しめますよね。
エンディング曲も大ヒットしたデズリーの『You Gotta Be』をいち早く取り入れていますよね。
リリースが94年の3月で映画は9月に公開されていますから。
ところで4作目はなぜダニエルさんが主人公ではなくなったんでしょうか?
ダニエルさんは当時33歳でもはやキッドではありませんでしたからね。
ダニエルさんは「Backstreet Boys」とは違います。
ただの一般人です。
当時のダニエルさんが公にこういうことを言っていました。
「『カラテ・キッド』映画のシルベスター・スタローンになる気はないからね」
ミヤギは『ミヤギvsロッキー』に興味があったんだが。
『ベスト・キッド』は今なお愛されていますね。
ここで面白い情報がいくつかありますのでご紹介します。
DCコミックスにはカラテ・キッドというキャラクターがすでに存在したので、1984年に製作する際にはDCに許可を取ったそうです。
2012年にプレイステーションVitaのソフトとして発売された格闘ゲーム『リアリティ・ファイター』では、ミヤギ先生がプレイヤーのトレーナーとして登場し、対戦モードでは隠しキャラとしても登場する。
トレーナー時のアドバイスには、盆栽の育成や、ハエ&チョップスティックエクササイズなどの『ベスト・キッド』に対するオマージュも含まれています。
なお、戦闘する際の武器は釣竿。
漁師である父親イズムが感じられますね。
あっミヤギ先生、まだお時間が少しあるようです。
これが最後のお便りです。
なんと先ほどとある有名人の方から番組ホームページにメールが届いたという知らせがスタッフから入りました。
なんと皆さん驚きますよ!
あのダニエルさんからメールが届いております。
読み上げます。
「こんにちは、NJさん、ミヤギ先生。お久しぶりです。
ミヤギ先生、私がいま『カラテ・キッド』のドラマシリーズに出ていることをご存知ですか?
その名も『コブラ会』です。原題も『Cobra Kai』です。
ダサいでしょ?
でも今は『ストレンジャー・シングス』の大ヒットもあり、80年代リバイバルブームが起きているんです。
だからこそこのダサさが今を生きる若者にとっては逆に新鮮で憧れてしまうのです。
時代の流れは不思議です。
そのドラマなんですが、実のところ僕が主人公ではなく、題名の通り、『コブラ会』のジョニーが主人公です。
1作目で僕が決勝で戦って負かしたアイツです。
あれから34年後が舞台で、落ちぶれたアイツが『コブラ会』を再興する物語となっています。
僕はどうなっているのかというと、カーディーラーの経営者として立派に成功しました。
これも全てミヤギ先生に出会ったおかげです。
アリガトウゴザイマス。
ドラマはYoutube Redで気軽に見れますので、僕とアイツの今をミヤギ先生にも見ていただけたらなと思っています。」
まさかのダニエルさんからお便りが届きましたよミヤギ先生!
写真も添付されています。
大人になりましたね~。
このドラマはご覧になりましたか?
もちろん見ましたよ。
ダニエルさんを久々に拝見できて涙が出ました。
あのやんちゃなダニエルさんが立派に成長しました。
『カラテ・キッド』以降、キャリアの歩み方に悩んでいましたからねぇ。
それが再び『カラテ・キッド』で復活してくれるとは嬉しい限りです。
このドラマかなり評価が高くてシーズン3も制作が決まっている。
沖縄が舞台の一部になるという噂も耳にしているぞ。
その際はハワイではなく、ミヤギの故郷の沖縄で撮影してもらいたい。
残念だがミヤギはハエを箸で捕まえるのに忙しいので出る予定はないぞ。
ミヤギ先生も大絶賛の『コブラ会』はYoutubeにてご自宅で楽しめますのでこの機会に映画と併せてご鑑賞してはいかがでしょうか。
そろそろお時間が来たようなので、ミヤギ先生から何か宣伝などございましたらお願いします。
NECA社から発売しているミヤギの8インチフィギュアがおすすめです。
クォリティも高く、盆栽と箸までついたお得なセットになっております。
ではそろそろお別れの時間です。
改めまして初回のゲストは『ベスト・キッド』より、
ミヤギ先生でした!
どうもありがとうございました。
また次回はどんなゲストが来てくれるのでしょうか、お楽しみに。
それでは、See You! Adiós! サヨウナラ。