※閲覧注意『マンソンファミリーとスナッフフィルムが映画に与えた影響』

都市伝説紀行
出典:IMDb『8mm』(1999)

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世界の可笑しくも奇妙なニュースをお届けいたします。

マンソンファミリーとスナッフフィルムが映画に与えた影響

出典:IMDb『8mm』(1999)

ニコラス・ケイジ主演の映画『8mm』(1999)では、実際の暴力と殺人が収録された、いわゆるスナッフ・フィルムと呼ばれる8mmフィルムに映っている少女の行方を捜してほしい、という依頼を受けた私立探偵ケイジが捜査をしていく。
それではケイジの意志を継ぎ、スナッフ・フィルムの歴史を振り返ろう。
といっても実際の殺人には興味はないので、スナッフ・フィルムが映画に与えた影響についてここでは調査していく。
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スナッフ・フィルムの歴史

スナッフ・フィルムという言葉が初めて使われたのは、1971年に出版されたエド・サンダース(現在80歳)『The Family:The Story of Charles Manson’s Dune Buggy Attack Battalion』
彼はマンソン・ファミリーがカリフォルニアで殺人を記録したフィルム撮影に関わっていたと主張している。
名詞でスナッフというと、「燃えたロウソクの芯の部分」という意味があり、
動詞では「ロウソクの芯を切り取る」や、「ロウソクを消す」、そして「殺す」という意味も持っている。
スナッフ・フィルムの定義としては、利益を追求する商業目的ではなく、あくまでも、ただ娯楽として楽しむために撮られたものを指す。

ナチスの収容所では平然とユダヤ人の虐殺が行われて、ナチスは娯楽目的でそれらを撮影していたというが、

その大勢の被害者の生活風景と死体の姿を生々しく修正なく実際の映像を用いて描いた32分の衝撃作で、初めてホロコーストをドキュメンタリー化した一つと言われるアラン・レネ監督の夜と霧』(1955)が娯楽目的に作られたわけはない。

あまりにもムゴすぎて直視できず目を薄めながら見たが、そのわずかな隙間からユダヤ人の顔の皮を剥ぎ取り紙として使用、脂肪は石鹸に、ブルドーザーで大量の死体を土に埋める作業、おびただしい数の頭蓋骨、終戦後に家族の死体を背中に抱え持ち帰る遺族などを目視した。

実際の出来事を映像として見ることは戦争を体験していない私には貴重なこと。

『はだしのゲン』を中学の授業で見て衝撃を受けた。

高校の授業で見た被爆者のドキュメンタリーで、骨がむき出しになった実際の傷を見てトラウマになった。

それらをみて若いうちにギョッとする経験は必要。

目視できなくとも、それが上映されているどんよりとした空気感を味わうだけでも有意義。

いまだに私にでさえ、記憶にそれが明確に残っているのだから。

しかしここで言いたいことは、ノンフィクションの中の実際の暴力描写と、実際の暴力描写を娯楽目的で撮影したもの、そしてフィクションである映画の中の暴力描写とはそれぞれ別々のものとして考えてほしい。

そこの境界線を引けない勘違いさんたちが、自由な表現が描かれるべき映画に対して文句をつける。

映画の暴力描写を見て実際に行動に移した者たちがいるのなら、彼らには他に問題が必ずあるはず。

結び付けやすく叩きやすい映画だけのせいにするのは極めて無礼。

よく殺人鬼の家にあった書物や映画ソフトが注目を浴びるが、それのせいにするのはやめていただきたい。

『ライ麦畑でつかまえて』なんて私にはただの思春期に共感できる青春話。

それをポケットに入れて殺人なんてしません。

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スナッフフィルムの起源

かの悪名高きマンソン・ファミリーは、シャロン・テート、ラビアンカ夫妻を含む7人を惨殺した事件以外に、他にも殺人を行っていたに違いないという噂が広まった。

そして警察がマンソン・ファミリーが居住していたスパーン牧場に踏み込み捜査をしたところ、殺人が収められた8mmカメラを入手したという都市伝説が広まった。

そして1971、そんなマンソンファミリーに影響を受けて撮影された映画が公開。

マイケル・フィンドレイとその妻ロベルタが3万ドルの低予算でアルゼンチンで撮影し制作したThe Slaughter

本作はマンソンファミリーのようなカルト組織の行動を描いている。

役者陣が英語をほとんど話せなかったため、劇中ではセリフはあまりない。

この低予算映画は完成度も低く大いにコケたが、配給会社のプロデューサーのアラン・シャクルトンがこれをチャンスに思い目をつけ、配給権を買い取った。

1975年に本物のスナッフフィルムが南米で販売されているという噂を新聞で読んだ彼は、The Slaughterのエンディングに、メイキング映像として約10分のショッキングなフェイク映像を加え、タイトルを『Snuff』と変えて1976に公開した。

それは本編終了後「カット!」という声が掛かった後に、監督が女性スタッフをベッドに押し倒し、周りのスタッフ達も彼女を押さえつけて、ノコギリでズタズタに惨殺してしまう。

そして監督が彼女の腸を取り出し微笑んだところで映画は突然終了。

シャクルトンは“この映画は南米だからこそ生まれた作品なのだろう、命が安い場所なのだから!”と宣伝した。

なお、映画のミステリアスな雰囲気を高めるため、彼は劇中から全てのクレジットを取り除いた。

映画の最後で腸を掴んでいる監督は、実際に本作の監督を務めたマイケル・フィンドレイ

しかし彼は1977年5月16日にヘリコプター事故に巻き込まれ39歳で亡くなった。

さて公開された『Snuff』はどのような反響を生んだのだろうか。

ニューヨーク、フィラデルフィア、ロサンゼルス、ボストンといった主要都市で人気を博した。

しかしニューヨーク州のロチェスターにある映画館Holiday Cinéでは、20人の女性が上映に反対する抗議活動を行った。

そのうち4人は映画館のポスターやフレームを損傷させたとして逮捕される事態にまで至った。

しかしながらこの一連の出来事には詳しい出典がなく、英語版Wikipediaに記載されているだけであるため、これまたシャクルトンが仕組んだ宣伝なのではないかと言われている。

結局、どれだけの売り上げを上げたのかも謎のままである。

『食人族(1980)

1980年に公開した世界中にショックを与えたルッジェロ・デオダート監督作『食人族』

あらすじは、1979にアメリカ人映画撮影クルーが、グリーン・インフェルノと呼ばれるアマゾンの熱帯雨林で行方不明になったため、

ニューヨーク大学の教授が彼らを探しに行くと、そこで発見したのは彼らの死体と思われる白骨とフィルム。

そのフィルムを持ち帰って観ると、そこには原住民とクルーの交流が映っていた。

しかし彼らは原住民をレイプしたり、家に火を放ち、その中に閉じ込めて焼き殺すなど残虐行為をしていた。

そして原住民の怒りを買い、殺されて食べられてしまったのであった。

「食人族と文明人、本当に野蛮なのはどちらなのだろうか」という疑問を投げかけて社会批判をして終わる。

本作はミランでのプレミアから10日後、イタリア司法により映画の上映が禁止された。

さらにルッジェロ・デオダート監督は逮捕され、猥褻罪で訴えられた。

その後、俳優たちが殺害されているのを撮影したという別の罪でも訴えられた。

実はクルーを演じた4人の俳優らは、撮影後1年間姿を消すことに同意する契約書にサインしていた。

これは彼らが実際に死んだことにして、映画を本物のスナッフフィルムに見せようとするイリュージョンであった。

最終的に俳優らが裁判所に出廷したため、監督の罪は晴らされた。

しかしスナッフフィルムではないと証明されたにも関わらず、イタリアでは依然として上映が禁止された。

そのため監督は不服を申し立て、3に及ぶ裁判で闘い、何とか上映する権利を得た。

他にも50カ国で上映が禁止された。

ノルウェーでは2003まで禁止されていた。

日本では元々DVDが販売されていて、その後リマスター版DVDBlu-rayが新たに発売が決まっていたのだが直前に中止となった。

そればかりか現在の“Amazon”では元々あったDVD情報さえ消えてしまった。

探しに行かなければならないのか。

食人族の餌食にだけはなりたくない。

食人族と現代社会、本当に野蛮なのはどちらなのだろうか

クルー役で出演したカール・ガブリエル・ヨークは、撮影地のアマゾンに到着した時でさえ、台本は渡されず、どのような映画なのかさえ分からなかったという。

彼の最初の撮影シーンは、仲間の脚を切断するというものであったため、この映画がハリウッドプロダクションのものなのか、スナッフフィルムなのかさえ分からなかったと後のインタビューで答えている。

劇中ではハナグマ、カメ、ヘビ、タランチュラ、子豚、リスザルの動物が殺されるシーンが登場するが、あれは実際に行っている。

リスザルのシーンは撮り直されたので2匹殺している。

その後、しっかり食べたという。

撮影は主にコロンビアとベネズエラで行われ、劇中の食人族は実際に南米に住んでいる原住民たちに協力してもらった。

もちろん人は食わない。

しかしサルの頭と脳は彼らの御馳走であったため美味しく食べたという。

デオダート監督は後に動物殺しに関して後悔していると語っており、映画すら作らなければよかったとでさえ言っている。

デオダート監督グァルティエロ・ヤコペッティ監督『世界残酷物語』(1962)に影響を受けて本作を製作した。

『世界残酷物語』は、世界中の民族の生活と文明人の生活を様々な面から皮肉交じりに比較している。

以下の描写が映画内で描かれる。

保健所で殺される犬たち、ニューギニアで豚に授乳する人間、台北の犬肉レストラン、日本のビールを飲ませられる牛、いかがわしいサービス・宇宙飛行士ばりのトレーニングマシンを提供する日本の東京温泉、ニューヨークのゲテモノレストラン、ネパールの牛の首を切る祭り、未開人の飛行機崇拝、原爆実験で方向感覚を失って海に戻れなくなった海亀。

私が印象に残っている場面は、太平洋のどこかの島でサメに襲われる被害が出たので、報復としてサメを捕らえ、毒のあるウニを無理矢理口の中に突っ込むところ。

サメが苦しんでいる姿も含め、中々日常では見ることのできない映像となっているので衝撃を受けることだろう。

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ドキュメンタリーとして公開されたが、実際はヤラセや演出が含まれたモキュメンタリーであった。この映画の世界的大ヒットもあり、これ以降、本作に似たようなドキュメンタリーは原題の“Mondo Cane(犬の世界)”からとって“モンド映画”と呼ばれている。

『食人族』は現在ではカルト映画となり、撮影者が行方不明になったため埋もれていた映像を後に誰かが発見し、公開されるという設定のファウンドフッテージというジャンルを築いた。

日本では1983公開洋画の興収ランキング9(8.5)にランクインするほどの大ヒットとなった。

1位は94E.T.2位は37.2『スターウォーズ/ジェダイの帰還』3位は32.8『フラッシュダンス』419.4007 オクトパシー』512.0『ランボー』610.8『愛と青春の旅立ち』79.9『トッツィー』89.1『スーパーマン3 電子の要塞』107.2『地中海殺人事件』

2013年には本作にイーライ・ロス監督がオマージュを捧げた『グリーン・インフェルノが公開された。

『食人族』と大体同じ展開だが、ゴア描写がかなりキツめなので鑑賞には注意が必要だ。

イーライ・ロスルッジェロ・デオダート監督をリスペクトしており、イーライ・ロス監督作『ホステル2』(2007)にはデオダートが俳優としてカメオ出演している。

ビデオドローム』(1983)

テレビ局で社長を務める男がより刺激的な映像を求めていた。

そんなある日、「ヴィデオドローム」という謎の怪しげな番組の存在を知った。

ただただ拷問や殺人が繰り返されるだけのものだったが、マックスはその生々しさと迫力に圧倒され、憑りつかれていくのであった。

そして現実なのか幻覚なのかさえも区別がつかなくなってしまう。

スナッフフィルムを娯楽として楽しむとこうなってしまいますよ

デヴィッド・クローネンバーグ監督に警告されているかのような作品。

ブレアウィッチ・プロジェクト』(1999)

伝説の魔女「ブレア・ウィッチ」を題材としたドキュメンタリー映画を撮影するために、森に入った三人の学生が消息を絶ち、1年後に彼らの撮影したフィルムが発見され、その後それを編集して映画化したという設定で公開されたモキュメンタリー映画

6万ドルの低予算で製作されたが、248万ドルの興収を上げ、その2つの差が最も大きい映画として当時ギネス記録に認定された。

この映画の大ヒット以降、大量にPOV映画が生産された。

フッテージ』(2012)

かつてとある家族が惨殺された家に引っ越してきた家族。

なぜそんな家に引っ越してきたのかというと、父親が作家で事件の真相を調べて本を書き金にしようとしたのだ。

彼は家の屋根裏部屋で5本の8ミリフィルムと映写機の入った箱を発見。

そのフィルムには殺された家族の生前の元気な姿が映っていた。

しかし突然場面が変わり、一家が大木に縄で吊られた映像が流れ始める。

それこそ、殺人犯が自ら撮影したスナッフフィルムであった。

さらに他のフィルムには別の家族の惨殺シーンが記録されていた。

その犯人を突き止めれば、大ベストセラーとなるに違いないと思った主は捜査を進める。

しかし彼の家族もまた巻き込まれていくのであった。

本作はこの記事の冒頭で触れた『8mm』のようなタイプの映画である。

しかし自身の欲のために本物のスナッフフィルムを利用しようとする行為は大変愚かであり、仇となるケースが通例である。

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『サクラメント 死の楽園』(2014)

エデン地区という謎のコミューンに住んでいる妹から奇妙な手紙が届いた男が、捜査も含めて妹のもとに会いに行くことに。

記者とカメラマンを連れて一部始終を記録することに。

一見、平和な村のようであったが、そこを統治するのはファーザーと呼ばれる指導者であった。

そして村人にインタビューをするにつれ、何やら不穏な雰囲気を察する記者たち。

この村には裏がある。

本作は実際の出来事を基に描いている。

南米のガイアナ共和国で1978年に起きた918人の集団自殺である。

カルト教団の人民寺院の教祖であるジム・ジョーンズの命令のもと、この現実離れした惨劇が起こった。

集団自殺の最中の一連の流れは音声として録音されており実物が残っていて誰でも聞くことができる。

映画は脚色はしているものの、POV手法が非常に効果的に異様な雰囲気を演出している。

異様な村で起こる集団自殺から逃れようとするスリリングな展開はまるで『バイオハザード4』をプレイしている感覚。

脚本と製作はイーライ・ロス

いかがだっただろうか。

スナッフフィルムの歴史と映画に与えた影響。

くれぐれも本物のスナッフフィルムを探す場合は自己責任で。

参照:Sick Chirpse

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