心が叫びたがってるんだ。
内山昂輝
雨宮天
細谷佳正
藤原啓治
吉田羊
横山克
三行粗筋
ほのぼの感想あるいは解説
家から見える丘の上のお城。
主人公の成瀬順は幼少期の頃に、このお城に純粋な憧れを抱いていた。
お城の門から誰かが出てきた。
まさかのお父さん。
車に乗っているものの、彼女には馬に見えているほどのメルヘンチャイルド。
しかし隣には知らない女の人。
帰宅して、母親に報告。
純粋な眼差しでこう伝える。
「お父さんは王子様だったのね!隣には知らない女の人がいたけれど」
母親は動揺。
その後、父親は家を出て行くことに。
父親との別れの日。
現実を理解していない順。
寂しがる順に対して父親は突き放すように冷たい眼差しでこう言った。
「全部お前のせいじゃないか」
つまりはお城はラブホテル。
ここから順は、自分がお喋りがために家庭を崩壊させてしまったことを悔い改めて、喋ることをやめてしまう。
といったなかなかにグサッとくるオープニング。
『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(2018)では、吃音症の女子高生が主人公で、自分の言いたいことを言葉にできなかった。
しかしその原因は明かされないため共感性が高かった。
逆に本作ではそこを掘り下げることにより具体性が増し、悪い意味では明確化しすぎ、説明が多すぎる、でもだからこそ主人公を応援したくなる。
だってこんなに頑張って生きているのだから。同情ではない理解をもっての応援だ。
ただし実写ではなくアニメだからこそ観るに堪える仕上がりになっていることは否めない。
所謂キラキラ系青春物語なところも多いので。
エンディング曲は乃木坂46「今、話したい誰かがいる」。
しかし歌詞とメロディがかなり合っていて、キラキラを隠すことなくアイドルソングを使用する潔さも気持ち良い。
2017年には実写化もされている。
成瀬役には芳根京子。再現度高いビジュアル。
一方、坂上役には中島健人。いやいや、本物のアイドルだとキラキラしすぎてますよ。
観てないけれど、おそらくミュージカルシーンでキラキラしているんだろうなぁ。
いつか観ようかな。
この作品の魅力はなんといっても成瀬順の可愛さ。
喋れないので、携帯に文字を打って見せながら相手に伝える手法が愛くるしい。
『志乃ちゃん~』同様に、この子も歌う時には喋れる。
学校の催し物で、クラスでミュージカルをする展開になる。
担任に無作為に選ばれた実行委員の中に彼女も入ってしまった。
同じクラスメイトで本心を見せない性格の坂上拓実を中心にミュージカルの準備をしていく中で、彼女は次第に心を開いていく。
私自身は言葉は常に疑った方がいいことを少年期に理解した。
100%本心で話す人間などいない。
故意的に隠す人もいるし、無意識に嘘をついていることもある。
終盤に怖気づいた成瀬に坂上が言った一言にはゾッとした。
「罵倒も受け入れるから思うこと全て言ってみろ!」
それを聞いた成瀬は坂上に悪口の限りを叫びつくす。
私だったら「お前こそ!~じゃねーか!!」って言ってしまいそうです。
そっと抱きしめてあげられる男になりたいものです。
その直後の告白シーンにはキュンときてしまった。
やるじゃねーか坂上、本心言えるようになったじゃねーか。
私はこういう女の子がタイプである。
物静かだけど、自分をもっており、意志がしっかりしている。
言葉は心に留めておいたら変な憶測をされて時には傷つくし、吐き出したらそれはそれで誤解されて傷つけてしまうこともある。
憎しみも愛も受け止め合える関係などあるのだろうか。
しかし声に出さないことには思いは伝わらない。
デロリアンで一度言葉のない世界に行きたい。
と思ったけれど、他言語を話す人と接する時こそがその状況だ。
いや、言葉があっても理解できなければ話にならない。
さらに自分の意思をその言葉に詰め込まなければならない。
喋らない方が楽だ。楽だったけれど辛かった幼少期を思い出す。
子供の頃は喋らなくても周りが寄り添ってくれる。
大人はそうはいきません。
喋る時は喋らねばなりません。
それでも現実世界に生きる者の感情は常に流動するから、解っていても良くも悪くも言葉にするのは難しいのだよ。
「発言には自覚と責任を持ってください」って昔の彼女に言われたことあるけれど、「あなたの思いやりのない発言に対しての発言なんだけど」って言いました。
やっぱり独りでいいや。マイペースに喋るけど。いや、最近余計なことを喋りすぎている気がする。
反省して前進して…後悔して前進して…そろそろ成長しよう。
いやしている最中、そう言い聞かせてます。
一言教訓
NJ映画日記Vol.36
ここでは最近見た私にとって良くも悪くもそんなに書くほどでもない映画を1つご紹介したりしなかったり。
この記事のタイトル映画とは一切関係性はございませんので悪しからず。
ジャンルくらいは合わせようかと思っています。
ただの筆者の日記です。
さらりと流す程度にご覧いただければ幸いです。
僕はラジオ(2003)
実話を基にしたというタイプの映画ですが、あまりにも美しすぎではなかろうか。
映像作品におけるキラキラと美化のしすぎ(本作がどこまで脚色しているのかは調べてません)は眩しくて目がクラムボン。
エド・ハリスがいい人なのも違和感。
あと個人的な意見でしかないけれど、ノンフィクション映画に実際の映像を最後に付けられると、本編が『奇跡体験アンビリーバボー』などの再現VTRのような立ち位置になってしまい、わざわざ観る必要はあったのだろうかとなってしまいがち。
ヒューマンドラマって観ている時の現状や感情にも左右されやすいジャンルなので難しいですね。
本作は少し捻くれて観ていた自分がいます。素直になります。