『バックが大好き!』(1981)~無我夢中な自己満足(日活ロマンポルノの魅力にハマる)~

日本の映画もいいもんだ。
心に残る邦画をネタバレ込みで簡潔にさらっと紹介するコーナー。
さぁ日本の映画界を盛り上げようではないか!
NJ
NJ

男の憧れを叶えてくれます

バックが大好き!

英題
I Love It from Behind!
公開
1981年
製作国
日本
監督
小原宏裕
脚本
伴一彦
出演
朝比奈順子
編集
川島章正
音楽
甲斐八郎
撮影
水野尾信正
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一言粗筋

100枚のチン拓を収集するため男の身体を求める女の物語

ほのぼの感想あるいは解説

※これからとてつもなく下品な話が続きます。

U-NEXTに大量に日活ロマンポルノが入ってきました。

トロマ映画といい、なんなんだこの気の利いた配信サービス。

もともと全く観る気はなかったのですが、『カルトムービー 本当に面白い日本映画1981-2013』という本に本作が載っていたので鑑賞に至った経緯。

日活ロマンポルノとは
1971年-88年の間に製作・公開された成人映画で、『団地妻 昼下りの情事』(西村昭五郎監督/白川和子主演)と、『色暦大奥秘話』(林功監督/小川節子主演)が第1作。わずか17年の間に約1,100本公開された。
一定のルール(「10分に1回絡みのシーンを作る、上映時間は70分程度」など)さえ守れば比較的自由に映画を作ることができたため、クリエイターたちは限られた製作費の中で新しい映画作りを模索。そして、キネマ旬報ベスト・テンや日本アカデミー賞に選出される作品や監督も生まれた。

あらゆる知恵と技術で「性」に立ち向い、「女性」を美しく描くことを極めた。
80年代に入り家庭にビデオデッキが普及し、アダルトビデオが低料金でレンタルできるようになると、日活ロマンポルノの劇場に足を運ぶ人は次第に減り、1988年4月、日活はロマンポルノの製作を終了すると発表。

ロマンポルノより以前に製作されていたピンク映画は、独立映画プロダクションが提供する低予算で製作された成人映画。予算の都合から基本モノクロフィルムでの撮影で、パートカラーといわれ、絡みのシーンのみカラーフィルムという作品が多かった。ピンク映画が、パートカラーと呼ばれたのに対し、ロマンポルノは、最初から全作品オールカラーを売りにしていた。

製作に関しても、ロマンポルノは、一般映画の製作費の4分の1という低予算、製作日数10日間、スタッフも一般映画の半分という状況ではあったが、2、3人で製作していたピンク映画に比べるとはるかに規模が違っていた(※当時の製作費は、一般映画で3,000万、ロマンポルノで750万ほどといわれる)。

我ながら映画を観るジャンルの幅がどんどん広くなっていきます。
「何でも見てやろう」をモットーに映画生活を送っております。
舐めてましたね、日活ロマンポルノ。
身近なエロと笑いのバランスのよさが1時間弱にテンポよく詰まっている。
タイトルからバックばかりで攻められているのかと思いきやそんなことはない。
なぜこのタイトルなんだろうか。
むしろ、『チン拓が大好き!』の方がしっくりくる。
そう、主人公の女性は、男性器に墨汁を塗って半紙に跡をつけるのが趣味。
人それぞれ理解のされない夢中になるものがある。
AVと同様に局部にはモザイクがかかるか、うまいこと見えないように撮られているのが日活ロマンポルノ仕様。
見えそうで見えない方がエロくもある。見えればいいってもんじゃない。
それにしても毎度乳首の撮り方がエロい。
AVのように演出クサい演出もなく、大袈裟に声を喘ぐこともなく、ピンク映画のような生々しさもなく、身近で日常的なエロがここにはある。
ただしやや品がないところは笑って流したい。
それでも展開には起承転結がしっかりついているので、映画として素直に面白い。
本作は女性がメインのストーリーかつコメディ色が強いので安心なのですが、『好色透明人間 女湯覗き』(1979)という映画は、サラリーマンの中年男が主人公なのと、タイトルから分かる通り物語は変態でしかないので、下品極まりない演出がわんさか出てきて、正直AVとの違いはコミカルなサウンドが流れるかどうかしかないかもしれない。
しかし男の憧れが詰まっているのが日活ロマンポルノ。
この2本でさすがにビックラこいたのが、隠すことのない射精描写。
『好色透明人間 女湯覗き』では、女湯で透明になったおじさんが豪快に女性にぶっかける極めて下品な行為を目にする。
あまりにも当たり前のように快感に浸っていて笑ってしまった。
かけられた女性の隣の女性が臭って、「あらやだ~、これアレじゃなぁ~い??」と呑気で冷静な緩い感じがまたいい。それによって男の獣臭が薄まるという不思議な消臭効果を伴っている。
一方、『バックが大好き!』では後半に強烈な人物が登場する。
なんと特殊な訓練をして射精をコントロールできるようになったという曲者が登場。
あまりにも強気なので、主人公の女性はこの男を100人目のチン拓に狙いを定め、イカせることができたら採らせてもらうことに。
終盤は謎の勝負が繰り広げられる。
なんと55時間に及ぶ長丁場。
これはもはや競技だ、オリンピックだ!
この男がなぜこんな訓練を積んだかは明かされないが、ただただそのような身体になることに夢中になっただけなのだろう。
つまりはすべて自己満足。
『好色透明人間 女湯覗き』も本作の変態男、両者ともに千葉真一に似ているところが私のツボであった。
そして『バックが大好き!』のオチはかなり秀逸。
主人公は元看護婦で、男を簡単にイカせる方法を知っていた。
それはお尻に指を入れて、前立腺を刺激することだ。
千葉真一に似た男はあっという間にイッてしまい、カメラに向かって勢いよく射精する。
ここでもたまげた。
画面が真っ白になるのだ。なんて下品!!
映画を観続けてこの演出に出会ったのは初めてです。
だから映画を観るのはやめられない。
あっオチなんですが、そこではなく、互いに空港で偶然再会するんです。
2人とも札幌に行くために空港にやってきた。
千葉真一は明日、弟の婚約者に会うためだという。
一方で主人公は明日、婚約者の家族に紹介されるとのこと。
そして航空券の名前を互いに確認する。
気付く。
主人公の婚約者の兄が千葉真一。
さっきまで55時間セックスオリンピックを開催していた相手。
「もうすぐ妹としてお世話になります」
「こちらこそ弟をよろしくお願いします」
なんじゃこの礼儀正しい改まった挨拶!!
お前らさっきまで!!!
気まずくなるどころか、一緒に搭乗口へ向かうのであった。
映画として面白い!!!

一言教訓

自分にしか理解できないことは自慰行為であり、それに伴う達成感はある意味オーガズム

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