スイートプールサイド
刈谷友衣子
一言粗筋
ほのぼの感想あるいは解説
原作は押見修造の同名コミック。
漫画は中学生が主人公ですが、映画は高校生になっている。
最近とある人が彼のある漫画を紹介してくれました。
この記事に続いて、私にかなり影響を与えた押見修造コミックを2つ書き加えていこうと思っています。
特にそのうち1つは私とその紹介してくれた子の変態思春期が描かれている。
私、私、言ってますが、作家気分に浸って調子に乗りたいので私って言っているだけで、僕は男です。
高校の頃から俺・僕・私を自然と使い分けるようになり、それは社交辞令ではなく自分の感情によるもの。
私はいまだにメールで感情を抑えることができず、あくまでその時の感情、気分で相手と接してしまう大変面倒くさい人物である。
つまり本当の自分をさらけ出すことを抑えきれず、タイミングも考えずに字を打ってしまう。
それにより関係がおかしくなったことが幾度となくある。
高校の時には友達に「メールの時と実際に会う時と人が変わるよね」と言われたこともある。
それにも理由はあるが、言葉で表現するのが難しいので割愛。
押見修造を紹介してくれたその子は女性。
我々変態同士の奇妙な物語を記憶だけに留めておくのは勿体ないのでまた追々書き記します。
思春期は始まりがあっても、終わりがない。
自分で終わらせない限り、終わらない。
これは押見修造自身が言っていたことであり、私も大変納得したことである。
年齢を重ね中年になっても精神は学生時代のままの人もいることでしょう。
自分の性について、異性への関心、その探究心はいくつになっても無くならない。
主人公の男女は共に同じ水泳部。
大会で上位を狙う優秀な女子に対して、補欠の男子。
着替え中に陰毛が生えていないことがバレて、女子も含めて水泳部全員に局部を見せびらかされる刑に処されるわけです。
こんなことされて部活をやめないこの子のメンタルも強いなぁと感心してしまいますが、それを知った毛がボーボーで悩む女子が、その子に毛を剃ってもらうことを依頼するというゾワゾワする展開にも関心。
この男子はクラスの中で女の子のように扱われている。
ほっぺたがツルツルで女子に触られる。
私は特に中学の時に女の子扱いされていたので嫌な気持ちが解る。
何をしていても、クラスメイトにも部活のメンバーにも初対面の相手にも必ず言われる一言が「可愛い」。
男女問わず皆、私をそのように見なしていた。
高2の時には「可愛い」を「格好いい」に変えるべく、髪型を変えたり、目つきを鋭くしてクールを装ったり、サバサバした態度を見せたり、今思うと滑稽な努力をしていたが、雰囲気は変わってもそう簡単に顔自体は変えられない。
集合写真を見ても明らかに自分だけ中性的。
全男子の中で圧倒的に自分の顔が小さい。
いや、女子より小さい。
しかしながら知ったこっちゃない、顔が小さくて羨ましがる人の気持ちが解らない。
容姿なんて化けの皮を纏っているだけなので中身を見てくれ。
とある接客業に就いていた時に、女子大生くらいの年齢の女性が私の顔をじっくりとみて、「耳ちっさ」と言い放った。
彼女が発した言葉はそれ以外になかった。
極めて謎なタイミングといい、従業員と客の関係上言われると思っていなかった衝撃的な一言なので永遠に記憶に残っている。
そしてかつての恋人にも「耳ちっさいね」と言われたことがある。
耳が小さいって何なんだ。何の得もない。ちなみに言うが、しっかり聴こえている。
全く自分で気にしたことなかったことが、それらにより逆に気になってくる。
特に嫌な気はせず、俺って耳小さいんだなぁとしか思ってませんが。
容姿のあれこれは人によっては自慢に聞こえるのだろうが、他者が自慢と受け取る事柄は当人にとっては嫌なことであり悩みでもある。
「可愛い可愛い」言われ慣れてしまったので、言われるがままそれに乗っかって可愛い子ぶることで相手を満足させる技も身につけた。
しかしそれによって女子と付き合っても、正直自分の方が可愛いと思う自分も現れてしまったので気持ちが悪い。
鏡を見てどのような表情を見せたら可愛く見えるかを試したこともあった。
人はそれぞれ奇妙な面を持っている。それをバラすかバラさないかは本人の自由である。
ようやく最近になって私は自分を客観的に見ることに面白みを感じられるようになったので、ただただ面白いと思うから書き記すまで。
自分がどこから性について考え始めたのだろうかと記憶を遡ると、やはり映画と結びつく。
小3の時にテレビで観た『トップガン』(1986)のトム・クルーズとケリー・マクギリスのディープキスシーン、同時期に観た『タイタニック』(1997)のケイト・ウィンスレットのヌード、『スピーシーズ 種の起源』(1995)のナターシャ・ヘンストリッジのヌードが私の性への目覚めではなかろうか。
キスシーンで互いの唾液で糸が引くシーンっていいよね(変態)
小学生のプール授業で、すでに女子の水着姿に興奮していたのも覚えている。
しかしこれは多くの人が経験することで、私はこの時まだ変態にはなっていなかった。
変態問題についてはまた後日語るとして、中2の時に自分の幼き少年イメージを変えるべく、ついに行動に出たときのことを語りたい。
これまでNGにしてきた下ネタを解禁したのだ。(アンダーラインの引き方がバカっぽい)
NGにしていたのはみんなが抱く自分の純粋イメージを保つため、そしてそのイメージのままさりげなく学園生活を終えようと思っていたからだ。
それではなぜ行動したのか。
自分のキャラづくりに疲弊してしまったのだ。
「これは俺じゃない、可愛いのはみんなから見える僕で、俺の中に眠っている自分は常にエロいことを考えている、もう我慢できない、純粋なんかじゃない、この苦しみを解き放つことができるのは俺だけだ。ここで本当の自分を出さなきゃ後悔するぞ。」
そしてあれは部活の合宿の就寝時間であった。
夜の男どもは騒いで寝れるわけもなく、他愛もない話をしていた。
私は隣のベッドにいる友人のもとに潜り込み、お喋りをしていた。
これが最大のチャンスだ。
彼に下ネタをぶちまければ、きっと他の連中にこのことを彼は話すだろう。一気に広まるがいい。
具体的にどんな話をしたか忘れてしまったが、小学生の時に映画で学んだ女性の喘ぎ声を真似したのは覚えている。あと好きな胸の大きさも一丁前に語った。触ったこともないのに。アホすぎる。
私の普段とのあまりの変わりっぷりに爆笑しながらも、突然変異に若干ひいている友人。
友人の結論はこうである。
“この人は夜になると性欲が爆発する習性がある”
翌日の朝から私のあだ名は『夜の帝王』となった。
彼が名付け親だ。
その同じ年、彼が旅行先で買ってきてくれた登別だったかのお土産には笑った。
車から上半身を乗り出したヤンキー風なクマのキーホルダー。
クマの学ランの背中には…『夜の帝王』の文字が。
検索してみたら、見つかって思わず歓喜。確か車の色は白黒だった気がする。
こんなうまいことキーホルダーがありますか?と当時は思ったので推測してみたところ、おそらく彼が過去に登別に行った時に見かけたそのキーホルダーの『夜の帝王』というフレーズが印象に残っており、私にその名を授け、再び旅行に出かけた時に、買ってきたのではないかという、キーホルダー先行型のあだ名なのかな。
そんなどうでもいいことを当時考えてました。友人に直接聞くことでもないので。
私はこのキーホルダーを大事に筆箱に付けていたのですが、あるとき誤って落としてしまい、無残にも真っ二つに割れてしまいました。
イメージをうまく変えた私でしたが、あくまで男子の前だけであって、女子の前になると緊張していつもの僕に戻るのでありました。
そのキーホルダーを付けていることでどこか背伸びできていたような気もする。
それが割れてしまったのだからきっと「無理すんな」っていうお告げだったのかな。
私は自分に毛が生えているのが許せないというか、気持ち悪さを感じてしまいます。
金があれば全身脱毛したいですね。陰毛って何のためにあるんだろうか。
陰毛の意義を教えて欲しい。
思春期は毛と葛藤していました。
高校の時にはすね毛を全て残らずピンセットで抜き取るという荒業をしましたが、当然ながら後々後悔する結果に。
体育の時間の太陽光が嫌いでしたね。
「うわ、ここにも毛生えてんのかよ。」ってげんなりしてました。というのは大袈裟でたまに思う程度でしたが。
処理しても処理しても追いかけてくるお毛毛様。
何のために生えてくる。
ジーニーにお願いするなら何にするかを常々考えているのですが、1つは確実に「永久脱毛」でして、しっかりどの部位以外を脱毛してほしいかを伝えないと、あの青い魔人は容赦ないから言い忘れたところまで脱毛してしまうので(まつ毛とか)、2つ目の願いを使って逆に生やしてもらわないとならなくなるので慎重にお願いしようってことを逐一イメトレしています。だからキアヌ・リーヴスは毛がない時の方が好き。(接続詞の使い方間違えた)
剃ってから生えてくるチクチク感も気持ち悪い。生えてくるなら黙って生えてこいよって思う。
この映画、男の子が女の子の毛を剃るという面白い光景が見られるのですが、剃っている時に森林の伐採風景が妄想で描かれまして、須賀健太くん(喰いタン観てたなぁ、ナーポリタン♫)が「おぉ、ここは難しいなぁ」とか言いながらノコギリでギコギコ切るんですね。
そしてすね毛を剃っていると、やはりスカートの中が気になってしまうわけです。
その際の妄想描写は、森林の奥にある洞穴から漏れる光で表現されているんです。
その光に導かれて穴を覗こうか覗かまいか葛藤する。
これはうまい!って思いました。神秘的な場所ですから。
ついに脇!
脇毛までボーボーかい!
「ひいた?」と女子に聞かれたので、「全然!」と答えつつ心の声が聴こえる。
「正直めっちゃひいた」
笑った。そりゃ毛がない男からしたらひくでしょう。
でもね、少年よ、君、その子の毛、収集していたよね。
そして、食べた、よね…。でもわかる、好きな子の物なら何でも食べられる!!変態!!!
てか、なんだ、この青春という名のシェイビング・プレイ!!羨ましい!!
一言教訓
明日自慢できるトリビア
①女子高生の毛を作ったのは特殊メイクアーティストの江川悦子。彼女は『ゴーストバスターズ』(1984)や『DUNE/砂の惑星』(1984)のメイクアップ部門に携わっている経歴を持つ。ちなみに特殊メイクに興味を持ったきっかけは『狼男アメリカン』(1981)である。
②少年の兄貴役が松田翔太なんですけど、すっごい男前。優作の匂いがプンプン。